おすすめイヤホン SONY XBA-N3試聴レビュー

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今回は、2017年10月に発売されたイヤホン SONY XBA-N3の試聴レビューをしたいと思います。

近年のBA(バランスト・アーマチュア)やダイナミック型イヤホン、ハイブリッド型イヤホンは、複数のドライバーを積んだ製品が多く、ドライバーの数が多ければ音が良いというような風潮も見受けられます。

今回試聴したXBA-Nシリーズは、BAとダイナミックドライバーを各1基ずつしか積んでいなので、スペック面からいってXBA-N3については眼中にないという方もいらっしゃるかもしれませんが、XBA-N3を試聴した結論から言うと、このXBA-N3はモニターイヤホンのMDR-EX1000と並ぶ、リスニングイヤホンの名機誕生と言える完成度でした。

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SONY XBA-N3のハード面について

XBA-N3本体

見た目ですが、これまでのXBAシリーズと比べると、かなりコンパクトになり、耳に装着した時の違和感は全くありませんでした。

BA×1とダイナミックドライバー×1の2ウェイ構成ですが、どちらのドライバーも新設計となっており、従来のものよりも小型化され、かつ、その性能を従来のものよりもアップさせています。

今までのXBAシリーズは、ダイナミックドライバーが低音を支え、中高音はBAに担当させるという方式でしたが、今回のXBA-N3は、ダイナミックドライバーを中低音をメインとしたフルレンジ、BAをトゥイーターとして使用しています。

トリプルコンフォートイヤーピース

この新開発されたドライバーと、もう一つの目玉は、新しいイヤーピースの「トリプルコンフォートイヤーピース」です。

「トリプルコンフォートイヤーピース」の表面は、シュアの弾丸と言われるウレタンのイヤーピースを、少し使い込んだ感じの質感に似ています。

つまり、ツルっとした感覚なのですが、よく見ると、ものすごく細かい凸凹があります。

そして、このイヤーピースの淵をグニャグニャ触ってみた感じは、耳たぶを触っているような、何とも言えない心地よさがあります。

かつて、XBA-Aシリーズに付属していたイヤーピースの中に赤い色の発砲シリコンの入った「シリコンフォームイヤーピース」は、コンプライのような柔らかい発砲シリコンではなく、どちらかというとシュアのフォームイヤーピースのような少し硬めのものが使用されていたため、耳の奥に入れると人によっては痛みを感じたかもしれません。

今回の「トリプルコンフォートイヤーピース」は、耳の奥に入れても痛みはなく、むしろふわふわの綿棒を耳に入れたような、そんな心地よい感じすらします。

そして、その遮音性は高く、「シリコンフォームイヤーピース」と同等か、それ以上と感じます。

従来のハイブリッドイヤーピースは、耳の穴の入り口付近で浅く装着しても、耳に吸い付くような感じでフィットしましたが、この「トリプルコンフォートイヤーピース」は、そういった感覚はなく、やはり、ある程度耳の穴の奥にイヤーピースを突っ込み、遮音性を高めて使用することを前提として作られていると思います。

XBA-N3の装着感については、この「トリプルコンフォートイヤーピース」のおかげで良いと思いますが、イヤホン本体の形状から、それ程耳の奥に入るわけではないので、個々人のベストポジションを見つける自由度は、それほど高くはないと感じました。

つまり、イヤホン本体から見た装着感に関しては普通(平均)といったところでしょうか。

SONY XBA-N3の音質について

今回の試聴では、DAPはSONY NW-ZX2を使用しました。音響関係のエフェクトは全てオフにしています。

試聴に使用したXBA-N3のイヤーピースは、トリプルコンフォートイヤーピースのLサイズ、試聴曲はflacで取り込んだ以下の曲を使用しました。

淋しい熱帯魚  (アーティスト)WINK (アルバム)Wink memories 1988-1996 Disc1

XBA-N3では、曲始まりのバスドラムのキックは重く、そのアタックもしっかりと分かります。低音の音量は多めですが、そのせいで他の音が引っ込むことはありません。

バスドラムのキックのアタックは輪郭を強調する感じではなく、かといってキレがないわけでもないといった不自然さを全く感じさせない良質の低音だと思います。

シンセサイザーや左右で鳴っている細かいパーカッションの音は、しっかりと聴こえますが、かつてのXBAシリーズの様に、無理に解像度を強調している感じはなく、その音色も違和感のない自然な音色です。

ボーカルは前に出てくるような感覚で、厚みもあり、普段耳にする人の声として違和感のない音でした。

空間は、特に上下に広く、その空間で鳴っている音は、小さい音像(音の面積)であちらこちらでバラバラに分離して鳴っているのではなく、大き目の音像で迫力満点に鳴り渡り、その広い空間を埋め尽くしています。

かといって、空間を音の芯だけで埋め尽くしている訳でもなく、空間に奥行きも感じるため、各音にかかっているリバーブ(エコー)等の残響音もクッキリとしていて、残響音が空間の上下左右に拡散していき、その消え際までしっかりと分かります。

いつまでも好きでいたくて (アーティスト)WINK (アルバム)Wink memories 1988-1996 Disc2

この曲は、イヤホンによってはアコースティックギターの音が細く聴こえるものもありますが、XBA-N3では芯のしっかりとした存在感のある音を聴かせてくれました。

低音が強く出るイヤホンでこの曲を聴くとベースの音が強く出ますが、XBA-N3ではそこまで強く主張することもなく、非常に聴きやすいバランスでした。

告白の噴水広場 (アーティスト)Berryz工房(シングル)告白の噴水広場

この曲はスネアをパン!と叩いた音から始まりますが、そのスネアの音の重さ・音色をチェックするために使用しました。

イヤホンによって、このスネアの重さ・音色は大分変りますが、XBA-N3では、このスネアの音は重みがあり、音色は明るすぎず暗すぎないといった自然なスネアの音色でした。

卒業(アーティスト)斉藤由貴(アルバム)AXIA

私が使用した、この「AXIA」は初期に発売されたCDで、いかにもCDの音といった明るく硬めの音色です。

XBA-N3で聴いたところ、硬さはほぐれ、耳障りでない柔らかさを持った音色になりました。

硬めの音を出すイヤホンでは、ボーカルのサシスセソが刺さり気味に聴こえがちですが、全く刺さるような感覚はありませんでした。

石鹸色(シャボン)の夏(アーティスト)斉藤由貴(アルバム)AXIA

この曲は、比較的ゆったりとした曲調で、ドラムの「ドッドド・パン!」というバスドラムとスネアの音から始まる曲ですが、いつもこのバスドラムの力強さ・キレ、スネアの音色とその残響音の聴こえ方をチェックするために使用しました。

イヤホンによっては、この部分に大きな違いが出ます。

XBA-N3では、バスドラムのキックは重く、ドッシリとした音で、それほど音の輪郭を強調している感じではありません。

スネアの音は、自然な音色です。イヤホンによっては音が明るすぎたり、モコモコっとして聴こえますが、明るい暗いといったことを意識させない、自然なスネアの音でした。

スネアを叩いた後に聴こえるスネアの残響音は、私がメインで使用しているSHURE SE846よりも、消え際までしっかりと聴こえる感じがしました。

METROPOLIS-PART I(アーティスト)DREAM THEATER(アルバム)IMAGES AND WORDS

この曲では、主にバスドラム・スネア・エレキギターの重さ・キレ・ベースの音階が分かるか否かを中心に聴いてみましたが、低音の解像度(音の鮮明度合い)が非常に良く、ベースライン等はハッキリと分かり、かつ、重さ・キレを兼ね備えた良質の中低音を味わうことが出来ました。

まとめ

XBA-N3の音の特徴をまとめると、耳障りでない非常に自然な音色、大き目の音像に厚みを持った音、残響音はその消え際までハッキリと聴こえる、若干低音の量が多めといった感じです。

低音に関しては、量が多いというよりは、重く厚みがあるせいで、そのように聴こえるのであって、決して低音の量が他の音よりも多いという訳ではないかもしれません。

従来のXBAシリーズと決定的に違うのは、ボーカルとシンバルやハイハットといった中高音の音色。

XBA-N3の音色は、今までのXBAシリーズにあった刺激的な音でないため、刺激的な音を出すイヤホンを普段聴いている、又はXBA-N3を試聴する前に、刺激的な音を出すイヤホンを試聴したといった場合には、普通で今一つ面白みのない音に聴こえるかもしれませんが、今後たくさんのイヤホンを購入したとしても、手元に残るのはこういったナチュラルなイヤホンだと思います。

3万円前後という価格帯にはたくさんのイヤホンがひしめいていますが、どれを購入すべきか迷われている方で、最終的にいくつかに絞って判断できない場合は、このXBA-N3で間違いないと思います。

それと、今回新開発された「トリプルコンフォートイヤーピース」の出来が非常に良いため、純正のイヤーピースが合わず、他社のイヤーピースを探している方は、この「トリプルコンフォートイヤーピース」を一度使ってみてください。

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