こんにちは、まちろです。
2022年11月4日、日本橋三井ホールで行われた柏原芳恵さんのライブに行ってきました。
私は昭和40年代生まれ。当時は河合奈保子さんの大ファンだったんですが、同時に河合奈保子さんと仲良しの柏原よしえさんの曲も大好きで、東京12チャンネルの「おはようスタジオ」で歌った「ガラスの夏」にシビレて、すぐにレコードを買いに行きました。
今回のコンサートタイトルは「柏原芳恵 Live 2022~A・RU・KU 第二章~」。デビュー40周年を記念して2020年に行われたライブの第2弾。会場チケットは完売でしたが、ネットで同時配信もされたので、ご自宅でご覧になられた方もいらっしゃったと思います。
ただ、ネット配信見逃した!とか、ライブ本編だけじゃなくてその前後の会場の雰囲気なども知りたいという方に向けて、当日の様子を出来るだけ詳細にレポしたいと思います。
【柏原芳恵】2022.11.4 LIVEレポート~日本橋三井ホール~
会場の様子
当日の天気は晴れ。羽織ってきた上着が要らないくらい温かな陽気です(帰りは肌寒かったですけど)。
会場は東京都千代田区にあるCOREDO室町1という商業ビル5Fの日本橋三井ホール(受付は4F)。懐かしさと新しさを感じさせてくれる素敵な外観です。前日には本田美奈子.さんの追悼コンサートが開催され、その盛況ぶりが報じられていましたね。
開場時間は17:30。開場時間の10分前ぐらいに4Fの受付に行ったら、既にたくさんの方が列を折り返しながら並んでいました。何故だかチケット半券のもぎりなし。今回のコンサートはワンドリンク制(別途500円)で、会場の5Fに向かう途中でそれを受け取る形式なんですが、マラソンの給水所みたいに各種ドリンクが並んでいて、行列の流れに乗ったまま、なんとなく手に取ってしまったのは…
5Fに到着して、まず目に入ってきたのは物販ブース。ここで売られていたものは、
- 芳恵 詩集(CD)
- encore1~3(CD)
- KU・ZU(CD)
- 柏原芳恵 NHK プレミアムコレクション(DVD)
DVDはBOX表紙と同じ柄のクリアファイルの特典付き。このコンサート限定のグッズ販売はありませんでした。
物販ブースの脇には数々の祝花。その奥には香り気高い胡蝶蘭が並んでいました。
日本橋三井ホールは初めて。予想していたよりはこじんまりとしていて、イメージ的にはイオンとかにある映画館ぐらいでしょうか。ステージ前から会場半分ぐらいまでは床に椅子が置かれ、後方半分は階段のようになっていてそこに椅子が設置してあるという感じです。
開演時刻が近づくと客席は満席。客層は私と同じぐらいかちょっと上の方が多いという印象。個人的に新旧含めた女性アイドルのライブにはよく足を運ぶんですが、それと比べると、ご夫婦・家族連れなども結構いたせいか女性客が多く見受けられました。
ステージ配置は以下の通り。鍵盤✕2、ギター✕3という豪華なバンド構成になっています。
<バンドメンバー>
- ドラム:横瀬卓哉
- キーボード:荒川泰、大坪正
- アコギ:玉木孝治、国安修二
- ベース:堀剛志
- エレキギター:佐々木章
コンサートの様子とセットリスト
コンサート開始前、今日はテレビ収録があるので、30秒ほど皆さんの拍手をくださいとのアナウンスが流れ、みんなでパチパチ。拍手をしながらドリフ大爆笑の竹の会?の番組かぶせ笑いを思い出してしまいました。
開演予定時刻は18:30。実際にスタートしたのは18:45。「ハロー・グッバイ」のDance MixのようなBGMが流れ、それが終わるとBGMは静かなオルゴールのメロディーに。ステージのスクリーンには、「ようこそ、やっと逢えましたね!生配信は緊張する~」などの文字がしばらく流れ、スクリーンが上部に巻き取られた後、柏原芳恵さん登場。
キラキラした真っ赤な衣装。ところどころに黒をあしらったノースリーブのミニスカ・ワンピース。
かわいい、キレイ、美しい、スタイル抜群、神!
そんな賛辞の言葉ばかりが止めどなく心の底から溢れてきました。
コンサートの口火を切った曲は「A・RU・KU~愛してる人に ちゃんと 愛を伝えてますか?~」。疾走感に乗せて、サビ前の”Wow~”で芳恵さんは腕を突き上げメロイックサイン(まことちゃんの”サバラ”?)。直後のMCで、
皆様、こんばんは。かっしわばらよしえです!
いきなり歌詞を間違えました、ゴメンナサイ💦
次はメドレー。自分のコンサート史上最長のものを作ったということと、振付けは発売されたばかりの「柏原芳恵 NHK プレミアムコレクション」を見て勉強してきたとのこと。コンサートタイトルが「A・RU・KU 第二章」だけに、
のどがスーッとするから好き!
と一言、メドレーは「㐧二章・くちづけ」からスタートしました。
バンドの音はすこぶる良く、体に響いてくる圧倒的音圧がありながら音割れせず、音の輪郭はハッキリクッキリ。そして音の再現性の高さ。「8時だヨ!全員集合」など当時のバンドはストリングス(バイオリンなど)のないビッグバンド形式で、そのパートをトランペットなどの管楽器が担っていたせいか、妙な違和感がありました。しかし、今のシンセサイザーはホント音がいいですね。生楽器と全く相違なし!と言っても過言でないほど。加えて、バンドメンバー(全部男性)コーラスも上手。波のSEからスタートした「渚のシンデレラ」の「振り向いてよ、サマーギャル」なんかはレコードそのものでした。
柏原芳恵さんは「花梨」までを一気に歌い上げ、少しMCをした後、後半のメドレーは「春なのに」からスタート。時折、衣装の肩ヒモがズレ落ち、それをこまめに直しつつも、ラストの「ハイヒールを脱ぎ捨てた女」はフルコーラスで歌唱。コンサート前半は19:25辺りで終了し、ここから約30分の休憩タイムに入りました。
19:52、真っ白なドレスに身を包んだ柏原芳恵さんが再降臨。スカートの左側が極端に短いスタイリッシュな衣装で、時々、裾の長い右側のスカートを掴んで、フラメンコダンサーのようにヒラヒラとなびかせていました。アコースティックバージョンの「夢以上・恋以上」歌唱後のMCでは、
この曲はファンの間で伝説と言われている、
現天皇陛下がいらした時の、
オープニングで歌った曲です…
先程、コーラスが上手なんて言いましたけど、中でもとってもウマい方がいて、時にそれはメインVo.の柏原芳恵さんを食ってしまうほど!?それは誰だか柏原芳恵さんの紹介で分かりました。ステージ向かって右側でアコースティックギターを弾いていた国安修二さん。しばらく二人の楽しいやり取りがあった後、国安さんは自身の代表曲「ねぇ」を歌唱してくれました。
「人生GAME”HEY!”」の間奏の辺りでは転びそうになるハプニング!スカートの裾を踏みつけたのかと思ったんですが、歌い終わりのMCで、「ステージの隙間にヒールが挟まっちゃって」とのことでした。
最後の曲は「ハロー・グッバイ」。本編は20:55で終了。アンコールの拍手が鳴りやまない中、すぐに柏原芳恵さんがステージに戻ってきて、
ずっと(拍手)聞いていたい…
最後に1曲、心を込めて、最愛
芳恵さんの色々な思いの詰まったラストソングを聴いて、来場者全員、心の中まで鳥肌が立ったことでしょう。芳恵さんは名残惜しそうに何度も客席を振り返りながらステージを後にしました。
【セットリスト】
<前半>※メドレーは基本的にワンコーラス
- A・RU・KU(36th Single c/w)
- 㐧二章・くちづけ(3rd Single)
- 乙女心何色?(4th Single)
- めらんこりい白書(6th Single)※頭のサビのみ
- 恋人達のキャフェテラス(8th Single)
- 渚のシンデレラ(9th Single)※イントロからBメロへ
- 花梨(11th Single)※サビのみ
- 桜の木の下で(35th Single「口づけに願いを」c/w)※フルコーラス
- 春なのに(12th Single)※フルコーラス
- ちょっとなら媚薬(13th Single)
- 夏模様(14th Single)※準フルコーラス
- タイニー・メモリー(15th Single)
- カム・フラージュ(16th Single)
- ト・レ・モ・ロ(17th Single)
- 悪戯NIGHT DOLL(18th Single)
- A・r・i・e・s(28th Single)
- ハイヒールを脱ぎ捨てた女(14th Album「ハイヒールを脱ぎ捨てた女」収録曲)
<後半>
- 夢以上・恋以上(14th Album「ハイヒールを脱ぎ捨てた女」収録曲)
- ひとりごと(3rd Album「ハロー・グッバイ」収録曲)
- KU・ZU~ワタシの彼~(36th Single)
- ねぇ(国安修二)
- 学生街の喫茶店(Cover Album「アンコール」収録曲:原曲歌手 ガロ)
- 傘がない(Cover Album「アンコール3」収録曲:原曲歌手 井上陽水)
- カレーライス(Cover Album「アンコール3」収録曲:原曲歌手 遠藤賢司)
- RUN(Cover Album「アンコール」収録曲:原曲歌手 長渕剛)
- 人生GAME”HEY!”(Best Album「芳恵 詩集」収録曲)
- ハロー・グッバイ(7th Single)
- 最愛(19th Single)
終わりに:全体の感想
変わらない柏原芳恵さん。振付けのかわいさ・カッコよさに感激、「ひとりごと」のピアノのイントロで涙、「最愛」を聴けたことの幸せ。何もかもが夢の様でした。「ハイヒールを脱ぎ捨てた女」に感動し、帰宅してからすぐアルバムをポチリました(まだ買ってませんでした💦)。
何も変わってないというと嘘っぽくなるので、正直に書きますが、声は変わっています。ちょっとかすれ気味で、高音の苦しさからキーは1音ほど下げているようでした。でも、今の声で歌われるアイドル時代のメドレーは、当時感じていた印象と全く変わらず。艶やかで厚みの増した声で歌われる「ちょっとなら媚薬」などは、今の方が合ってると感じるくらい。
昨年から活動を共にする野口五郎さんと岩崎宏美さんはテレビ番組で、かつての歌唱を求められる精神的プレッシャーについて語られていました。しかし、「昔のようにはできません、今の自分はこうなんです」そういう思いを吐露し、いい意味で開き直ることで、今では晴れやかな気分で活動できている…と。
柏原芳恵さんは当時から低音に魅力・個性があり、それは健在です。今の柏原芳恵さんの歌声を聴いていると、「おー」とか「うー」とかで音を伸ばす時、物凄い言葉の厚みを感じます。全部を底上げするというより、今の強みを最大化する、そんな観点から日々相当なトレーニングをされていると思います。コンサートの始めから終わりまでじっくり柏原芳恵さんを見つめていて、そう感じました。
でも、はじめにお話しした通り、柏原芳恵さんは変わっていません。それは「柏原芳恵」という人としての個性が変わっていないので、そのオーラがどの歌を聴いても、過去・現在・未来、観客全て芳恵ワールドに引き込んでいきます。1980年代デビューのアイドルとして叩き込まれたエンターテインメント性も変わらず、むしろ長年場数を踏んできたこともあり、それはさらなる高みに達しています。
柏原芳恵さんは心から素晴らしい歌手だと思います。このまま観客のメインターゲットを当時のファンだけに定めているのはもったいない。本編最後は「ハロー・グッバイ」を歌わなければならないという今日のコンサートを見ていて、このままのやり方だと、ただ昔を懐かしむことを目的にした懐メロ歌手になってしまう…ちょっとそんな危惧すら感じてしまいました。若い世代にもその素晴らしさを知ってもらいたい。アルバム「encore」では昭和の楽曲カバーをされていますが、次にカバーアルバムを作るなら、若者に人気のある今のアーティストの楽曲カバーにチャレンジして欲しい。そうすれば、YouTubeなんかで若者がそういった楽曲を検索した時に、関連動画みたいな感じで柏原芳恵さんも検索に引っかかってきて認知度が高まりそうだし、あと、今のアーティストのコラボなんかもやって欲しいです。小林幸子さんなんかは、そういったことにあれこれチャレンジしていて、その都度、メディアに取り上げられて、今ではその認知度の幅はかなり広がっています。それと同じことをやってくださいとは言いません。芳恵さんの出来る範囲で、是非フィールドを広げていってください。死ぬまで応援します!
コンサート会場のすぐ近くに巨大なビル群に周囲を囲まれた小さな神社(福徳神社)がありました…ポツンと。新しいものと歴史を刻む古きものの共存。帰り際、ここで柏原芳恵さんの第三章、そしてずっと新章が未来永劫続くようお祈りしてきました。
私はこれまでコンサートは家で配信やDVDで見る方がずっと楽と思って長年そうしてきました。でも、50を過ぎてから若い頃のように積極的にコンサートに行くようになりました。正直、年齢的にキツイこともあります。それでもコンサート会場に行くのは、記憶に深く刻まれる体験ができると改めて気づいたから。コンサートの情報を知ってチケット販売開始日までのソワソワ感(チケット取れるかな…)、チケットを購入してからカレンダーを見つめてワクワクする気持ち、コンサートの前日付近にどんな経路で何時に着くように行けばいいのかなんてスケジュールを立てたり、当日の行き帰りの電車の中で思うことなど、コンサート自体だけでなく、その日の終わりまでの全てが思い出。あとどのぐらいやりたいと思ったことを実行できるか…そう考えた時に、モノ(物欲)より思い出を刻むことの大切さに大きな価値を感じるようになりました。
柏原芳恵さん含め、コロナ禍でライブ活動を自粛していたアーティストの方々は、久しぶりに会場に集まったファンを見て、涙ながらにこう言います。
皆さんに会えて嬉しい…
反応がダイレクトに帰ってくるライブというものは、アーティストにとって命と同じぐらい大切なものなのかもしれません。会場に足を運ぶという能動的な行動は、アーティストの喜びであり士気を高めるものだと思うので、もし行けるのなら、次の柏原芳恵さんのライブで一緒に盛り上がりましょう!
最後に運営の方へのお願い。やっぱりパンフレットとかコンサート特有の物販はあった方がいいと思います。なんでもいいんです。記憶は記念と共に…