ZERO AUDIOという国産メーカーから2016年9月23日に発売されたハイレゾ対応ダイナミック型イヤホン「ZERO BASS ZB-03」。
価格の安さと音質のバランスが良く、発売当初から価格.comやAmazon等で人気があり、令和に入った現在でも現行機種として販売されています。
当時の価格は5000円程度でしたが、現在(2019年6月)では3000円程度となっており、よりコストパフォーマンスの高いイヤホンの一つだと思います。
「ZERO BASS ZB-03」の音を一言で言うなら、ドンシャリではなく、ドンシッカリ。
力強い低音と破綻のない高音で音楽を楽しませてくれるリスニングイヤホンです。
今回は、「ZERO BASS ZB-03」のハード面と音質面については使ってみて気づいたことなど書いてみたいと思います。
「ZERO BASS ZB-03」のハード面と音質面
本体と付属品
パッケージには、イヤホン本体の他、付属品としてS,Lサイズのイヤーピース、マグネットクリップ、取扱説明書が同梱されていますが、イヤホンケースは付属していません。
私が購入したのはホワイトカラーで、光沢をもつ美しいカラーリングです。
マグネットクリップは、イヤホンのカラミ防止とタッチノイズ軽減のために使用します。
このマグネットはかなり強力で、軽く力を加えた程度では外れないようになっています。
歩いている時にゴソゴソするタッチノイズは比較的大き目なので、このクリップを使ってコードを洋服の一部等に固定すると良いでしょう。
ステム(イヤーピースをはめる部分)は短めです。
コードスライダーの左側の部分に3つのドットがあり、これでLRを区別することもできなくはないですが、コードがねじれていたりするとLRだか分かりづらいので、本体にプリントされているLRで確認するのが基本です。
ケーブルの長さは1.2mのY字型で、ケーブルの質感はIpodに付属しているイヤホンの質感に似ています。
イヤホン本体の後ろは、バスブーストポートという低音の質を調節するための穴が、網状に空いています。
イヤーピースについて
付属のイヤーピースを左からS,M,Lの順でに並べてみました。
S,Mサイズは一般的な大きさですが、Lサイズはかなり大きめです。
イヤーピースの茎の付け根は、カサの少し奥まったところから始まっています。
イヤーピースの茎は硬めで、イヤーピース表面の穴の周辺から3~4ミリmmぐらいの外周も硬めになっています。
カサの部分は硬すぎず柔らかすぎずといった具合です。
装着感
イヤホン本体の形状はイヤーピースに向かって膨らんでいるため、耳の穴の小さい方は、もしかするとイヤホン本体が耳に干渉するかもしれませんが、基本的には装着感は良好です。
「ZERO BASS ZB-03」の音質について
音質のチェックにあたり、「ZERO BASS ZB-03」をSONYのDAP(デジタルオーディオプレイヤー) NW-ZX2に直挿し、イヤーピースは付属のLサイズを使用しました。
DAPの音響エフェクトは全てオフ、試聴曲は、Winkの「淋しい熱帯魚」、YMOの「Ballet」、東京女子流の「Limited Addiction」等ファイル形式は全てflacのものを使用しました。
「ZERO BASS ZB-03」の音を端的に言うと、低音強めだが、それによって中高音が聴こえづらくなることはない、自然な音色といったところです。
5000円前後の価格帯のイヤホンの中には空間表現に長けていたり、何かに特徴があって、ハッと感激するものもありますが、音の質感に難があるものも多いです。
シンバルの音がチリチリ・ギラギラ・シャカシャカする、ボーカルがジャリっとする・モワッとする・薄っぺらい、ベースがモコモコしてベースラインが分からない等、普段自分が耳にする楽器や声の質感と違うといった具合に。
その点、「ZERO BASS ZB-03」は、変な音の脚色がなく、きちんとシンバルはシンバルの音、ボーカルは普段耳にする人の声に聴こえます。
この点においては、下手な1万円越えのイヤホンより質は高いと思います。
低音は、太い芯と重さのあるドラムのキックと、ベースの低い音の主張が強めですが、5000円前後のイヤホンにありがちな低音重視型モデルとは違い、低音の音量を単に多くしたという感じではなく、低音の音量は少し強めにした程度で、その重さを聴かせるといった感じです。
そして、低音が出た後に、モワッとする空気が空間を支配しないので、意外にスッキリした感覚があります。
もともと若干低音が強めの曲を聴くと、低音がより重く強めに聴こえますが、全体のバランスを崩す程の強い主張にはならず、そのクリアでベースラインも追える低音から、リマスターCDを聴いているような目新しささえ感じます。
mp3の音源も聴いてみましたが、flacとの差はあまり感じられず、どの曲も気持ち良く聴くことが出来ました。
使用上の留意点
個人的には「ZERO BASS ZB-03」のエージング(音の鳴らし込み)は、必須なような気がします。
箱出し直後の音は、中高音はジャリっとした少し雑な音、低音は強い芯にモワッとした空気をまとった主張の強い音で、全体的にバランスが悪い感じでしたが、多少のエージングにより、音の質感、バランスが整ってきました。
もし、私と同じような違和感があった場合、一晩程度で構わないので、通常聴く音量でスマホやDAPにイヤホンを挿して鳴らしっぱなしにしてみてください。
まとめ
自然な音色、しっかりとした芯の通った重い低音で高い質感を持った「ZERO BASS ZB-03」。
3000円前後といった価格帯で、このクオリティはなかなか見かけません。
「ZERO BASS ZB-03」が気になったなら即ポチ!で後悔しないと思います。