80年代アイドルのCDを買おうと思って通販サイトを見ていると、人気のあった80年代アイドルほどアルバムが度々復刻されたり、ベスト盤に関して言えば若干収録曲を入れ替えただけの同じようなCDが数多くリリースされていることに気づくと思います。
どのCDを買うべきか迷った時は、好みの曲が収録されているCDを選べばいいだけの話ですが、もしどのCDにも好みの曲が収録されていた場合、何を基準に選ぶべきか….
今回は、そういったCD選びの一つの指針として岡田有希子さんのCD数枚を使って音質の比較をしてみました。
復刻盤や新たにリリースされるCDには、大抵「リマスター」とか「高音質○○CD」といった文字が書かれていますが、一体どのぐらい音質は違うのでしょうか?
岡田有希子のHQCD/UHQCD/デジタルリマスタリング
音質比較にあたり、「ゴールデン☆アイドル」、「ザ・プレミアムベスト」、1stアルバム「シンデレラ」を使用しました。
岡田有希子のCD仕様を比較
1st アルバム「シンデレラ」
- ハイレゾ配信のために、アナログテープからリマスタリングされた高音質CD
- UHQCD(アルティメット・ハイクオリティー・CD)
ベストアルバム「ザ・プレミアムベスト」
- 最新デジタルリマスター
- 特に○○CDとかの記載はありません
ベストアルバム「ゴールデン☆アイドル」
- 最新デジタルリマスタリング
- HQCD(ハイクオリティー・CD)
岡田有希子の各アルバム音質比較
この3枚のアルバムには4曲同じ曲が入っています。その4曲を全て聴き比べましたが、曲によって印象が異なることはなかったため、そのうちの「ファースト・デイト」という曲について聴き比べた感想を書いてみます。
試聴環境は、パソコンにSONYのポータブルアンプ PHA-2を接続、使用したヘッドホンはSONYのモニターヘッドホン MDR-Z1000、パソコンでの再生ソフトはSONY MEDIA GO(AISO)です。
1stアルバム「シンデレラ」
音場(音の鳴る空間)はこじんまりとして、刺激のないまろやかな音質。
他の2枚と聴き比べてみると、ボーカルが一番自然な音色で、バックで流れるオケの音よりも少し前に出てきます。
音場がこじんまりしているせいか、一瞬音が団子(音の分離が悪い)になっているような気もしましたが、よく聴くとそのようなことはなく、音の主役をボーカルにおいたミックスになっているため、細かい音に意識が行きにくいだけのことでした。
全体的に他の2枚のCDよりよりも温かみのある音質で、アナログレコードを聴いている感覚に近い気がしました。
このCDは2015年に復刻されたアルバムですが、80年代当時に買った同アルバムの音と比較するなら、音の諧調がなめらかになったことにより温かみを増し、ハイレゾを意識してリマスターしたせいか空間に奥行きが出ています。
ベストアルバム「ザ・プレミアムベスト」
音が鳴った瞬間から「シンデレラ」とは全く印象が違いました。
低音が強く、音場が広い、明るい音質に音の余韻までしっかり耳に届く、解像度が高く全ての音がしっかり聴こえるという感じです。
もし、イントロを聴いた時点で「どれが一番いい音に聴こえるか?」と言われたら、「ザ・プレミアムベスト」と答えたかもしれません。それぐらいインパクトのある音です。
ただ、歌が始まると全ての楽器が主張しすぎている感覚があり、どこにフォーカスを当てて聴けばいいのか分かりづらい印象も受けました。
決してボーカル引っ込んで聴こえるということはありませんが、全ての音がくっきりと同じ量で鳴っているので、そう感じました。
あと、音が明るく、エッジ(音の輪郭)が明瞭なので、声のサシスセソが少し気になりました。歌詞でいうと「ほんの気まぐれでしょ」の「しょ」の辺りです。
それ故、硬めの音を出すDAP(デジタルオーディオプレイヤー)やイヤホン・ヘッドホンを使用した場合、こういった擦過音が気になるかもしれません。
「シンデレラ」をオリジナルマスターを丁寧に再現したものと仮定すると、「ザ・プレミアムベスト」は、さらに解像度を上げ、イコライザーなどで音色を変更、各パートの音量バランスまで調整したものといえるかもしれません。
ベストアルバム「ゴールデン☆アイドル」
「ゴールデン☆アイドル」は、音場と音の明るさという部分において、上記の2つの中間といった印象を持ちました。
音の響き(余韻)は「ザ・プレミアムアイドル」より抑えられ、全体的にタイトな印象を受けました。
それ以外はとても自然な感じで、特に違和感はありませんでした。
上記の「シンデレラ」の仮定で考えると、解像度は上げたが、他はあまりいじっていないという印象です。
まとめ
こうやって聴き比べてみると、結構音質は違います。
ただ、どのCDがいい悪いということもなく、好みの範疇の音質差だと思います。
岡田有希子さんのように既に色々なタイプのCDが出ている場合、どのCDを買おうか迷ったら、まず、音楽配信サイト等で視聴可能なら視聴してみて、好みのタイプを見つけられると良いと思います。
ちなみに、UHQCD版の「シンデレラ」はハイレゾでも配信されていますが、このCDとハイレゾの違いを顕著に感じるのは空間表現(音場の広さ)で、ハイレゾの方が1割り増しぐらい音場、特に奥行きが増し、より立体的な空間を感じることが出来ると思います。