SHURE 215speをSHURE SE846のケーブルにリケーブルしたらどんな音になるんだろう?
その疑問に応えるべく、実際にSE215speにSE846のケーブルを付けて音質チェックをしてみました。
結論から言うと、聴感上の音質差はありました。
以下で具体的な音質変化について書いてみたいと思います。
SHURE SE215speをSE846のケーブルにリケーブル
SHUREのケーブルについて
かつてのSHUREのイヤホンは、ケーブルの皮膜割れや断線しやすいという大きな欠点がありましたが、SE〇〇5シリーズになってから、頑丈なケーブルになり、かつ、リケーブルできるようになりました。
そして、SE535 LTD、SE215speとSE846については、ケーブルの長さが1.16mとなり、非常に取り回しの良いものとなりました。
今回の聴き比べに当たって、SE215speとSE846のケーブルを分岐点のあたりから長さを比べてみたところ、ロットの差なのかどうかは分かりませんが、長さが異なりました。
少しSE215speの方が、以下の写真程度長いです。
さて、SHURE純正のケーブルで1.16mのものを別途購入しようとなると、現状ではSE846用のEAC46-CLSという型番の物しかありません。
現在、リケーブル製品は各社から多数発売されており、取り回しや音質もそれぞれ異なります。
「リケーブルをして音質が変に変わるようなら、純正のケーブルの方がいいのかな?ちょっと高いけど…」
そういった疑問をお持ちの方がいるのかどうかは分かりませんが、試しにやってみました。
SE215spe+EAC46-CLSの音
イヤーピースは純正シリコン(大)、DAPはSONY ZX-2直差し、試聴曲は「淋しい熱帯魚 (アーティスト)WINK (アルバム)Wink memories 1988-1996 Disc1」を使用しました。
まず、ノーマル状態で聴いた印象は以下の通りです。
- 若干暗めの音質
- ドラムのキック等の低音は弾力と重みがある
- ボーカルは前に出て、厚みがあるが、その音質は無機質な感じ
- シンバル、ハイハット等の高音は、引っ込み気味で、若干カサツキを感じる
- 音場は左右に広いが、奥行きはあまり感じない
低音はボワつかず、音の輪郭も分かるので、楽しめる低音だと思います。
ボーカルの無機質というのは、カサつかないが艶がある感じでもないといった感じで、刺さるわけではありませんが、サ行の息の部分が少し気になります。
次に、SE846のケーブルEAC46-CLSに付け替えて聴いた印象は以下の通りです。
- 空間にさほどの違いは感じないが、目の前にある扉を開いたような感覚あり
- ボーカルに艶が乗る
- 高音のカサツキを感じなくなった
- 低音とボーカルに厚みが少し増す
基本的な音の傾向は変わりませんが、一番違いを感じるのは、セパレーション(音の分離)の良さで、ノーマルケーブルでは、目の前で若干音がゴチャっとしていたのが、EAC46-CLSでは上記に書いた通り、きれいに音が分離し、視界が開けたような感じがします。
まとめ
SE215speの本体価格は約1万2千円、SE846のケーブルEAC46-CLSは在庫のあるショップだと1万円近くという感じなので、リケーブルに関する考え方によって、捉え方は変わってくると思いますが、EAC46-CLSというケーブル自体の質は非常に良いと思います。
頑丈、太すぎず細すぎず、変な癖も付きにくい、耳賭け部分のワイヤーの長さも丁度よいといった具合に。
SE215speが大変気に入っていて、買い替えたくない、ケーブルの長さだけどうにかしたいが、音の傾向を変えずに若干でも音質が向上したらなお良いと思われているなら、EAC46-CLSにリケーブルすることは価値ある選択だと思います。