先日、「70年代アナログ家電カタログ」という昭和レトロ家電の本を購入しました。
この本には、70年代を中心としたあらゆる家電のカタログが載っています。
パラパラとページをめくっていると、「これ家にあった!!」というような製品があちこちに載っていて、忘れかけていた小学生の頃の生活を思い出しました。
今回は、この「70年代アナログ家電カタログ」という本の概要を紹介しながら、当時実家にあった家電の思い出について書いてみようと思います。
「70年代アナログ家電カタログ」レビュー~昭和レトロ家電の本~
「70年代アナログ家電カタログ」の概要
この本は約340ページの分厚い文庫本サイズで、私が小学生の頃良く購入したケイブンシャの大百科みたい。
このサイズに、家電のカタログの表紙や中身がプリントしてあるので、多くのページは虫眼鏡がないと読むことが困難な字の大きさです。
ただ、この本はどちらかというと文章を読むというよりは、カタログ自体のデザインや懐かしい製品を写真で見ることに主眼が置かれていると思うので、この大きさでも十分楽しめます。
内容は、以下のような3章構成。
- 第1章 オーディオ
- 第2章 テレビ
- 第3章 ホーム家電
どの章でも、家電が大型から小型・多機能へ、そしてスタイリッシュに変遷していく様子を見ることが出来ます。
以下に、各章に掲載されている印象深い製品と、我が家にあった家電の思い出を書いてみます。
なお、掲載ページは「P〇〇」と表記します。
第1章 オーディオ
P17にリズムマシン付きアンプ(TRIO KR-5170)なるものが。5つの楽器と12のリズムが入っていて、どういう使い方のするんだろうと思いながら細かい文字をよく見てみると、ギタージャックの入力端子が付いているので、リズムを流しながらギターアンプ代わりとしても使えたみたい。
P23にはLカセット(エルカセット)。私は全く見たことも聞いたこともありませんが、SONY、松下電器産業、ティアックが提唱した製品のみたいです。見た目はカセットテープで、その大きさは、152mm×106mm×18mmの文庫本サイズ。オープンリールの音質とカセットテープの手軽さを融合させたもので、メタルテープの登場によりその存在意義は薄れ短命に。
P25にはSONYの「カセットバンク」というカセットテープを10巻まとめて入れて、好きな順番にエンドレスで聴くことのできるテープレコーダー。大人になってから、車にCDオートチェンジャーを付けたことがありますが、カセットテープのオートチェンジャーがあったとは!
その他、オープンリールの存在感の凄さ、YAHAMAの白を基調とした美しいコンポ、飛行機のコクピットを思わせる車の天井にスイッチパネルを配列したナショナルのカーステ「コクピット」など、美しく息をのむようなオーディオ製品が満載です。
ラジカセのページでは、おしゃれでポップなカタログが印象的でした。
P63のビクターのラジカセ「BOOM(ブーム)」のカタログには、かわいらしいソフィー・マルソー。商品名は、きっとソフィー・マルソー主演の「ラ・ブーム」にかけているんでしょうね。
P64のビクター「ラジオカセッター」のカタログには、1981年に「シャンプー」で歌手デビューした中島はるみさん。この製品はラジカセからカセットの部分を取り外すことができ、ウォークマンのようなポータブル用途に使用できるのがウリでした。
その他、ヘッドホンのカタログも少しだけ載っていましたが、どれも美しいデザインです。P118には、傷だらけの天使」のオープニングで使用されたパイオニアのヘッドホンも載っています。
我が家にあったオーディオ製品
ステレオ
当時、我が家にはOTTOというメーカーの木製ステレオがありました。ラジオチューナーは付いていましたけど、カセットデッキはなし。父親のステレオだったので、ほとんどいじらせてもらえず。
幼い私専用のレコードプレイヤーはおもちゃみたいなやつで、この本でいうと、P77に載っているNATIONALの「リクエスト」という蓋の赤いプレイヤーに似てます。
その後、進学祝いでサンスイというメーカーの大型ステレオセットを買ってもらい、レコードからカセットテープへの録音が容易になったため、レコードはカセットテープに録音する時ぐらいしか聴かなくなりました。
ラジカセ
ラジカセは、物心ついた時から自宅にありましたが、初めのラジカセは、たぶんナショナルの黒くてコンパクトなモノラルラジカセだったと思います。黒と銀色のツートンカラーのワイヤレスマイクが付属していて、マイクの先端に被せる卵型のスポンジはオレンジでした。この機種の写真と型番を知りたくて色々ラジカセの本を見たんですけど、未だに分かりません。
この頃は、このラジカセとテレビの前に置いて、ウルトラセブン、エースをねらえ!などの主題歌を空気録音。「しーっ!」っていって家族には喋らないようにしてもらってましたけど、愛犬が時折ワンワン…
その後、ステレオスピーカーで大型のナショナルのラジカセが我が家にやって来ました。このラジカセぐらいから録音する時はジャックをテレビやステレオに挿すようになったので、生活ノイズは入らなくなりましたが、たぶんモノラル録音だったと思います。
唯一ステレオ録音できたのはFMラジオのエアチェックで、ポップスをステレオで放送するのはFM東京のみだったので、歌謡番組を新聞でマメにチェックしていました。時々、曲終わりにDJの声が入って来たりするので、曲をレコードのように完璧に録音したかった私は、「どうか曲が完全に終わるまで、DJさん、しゃべりませんように!」とエアチェックの際は祈っていたものでした。
カセットテープ
P68にTDKのメタルテープ「MA-R」が載っています。当時、1本だけこのカセットテープを持っていました。表面はスケルトン、周りは銀色の金属で縁取られており、ずっしりと重く、特別な存在でした。
通常カセットテープの爪は、一度折ってしまったら再度録音する際、セロハンテープで爪の部分を塞いでいましたが、この「MA-R」はオレンジ色の爪は脱着式になっていて、セロハンテープ要らず。
この後、より進化したメタルテープが各社から発売されましたが、初めて使ったメタルテープが「MA-R」だっただけに、他のメタルテープのチープさにメタルテープ感を感じことはできませんでした。
カセットテープの殆どは処分してしまい、現在は数本しか残っていませんが、その中で一番古いカセットテープは、このTDKのカセットテープです。
カラオケ
我が家にやって来た最初で最後のカラオケマシーンは、P78に載っているナショナルの「パナピック」という製品。
大きなマグカップのような形で、上部にスピーカーが付いてます。
ソノシートの付いた冊子が付属していて、その上にこの機械を置くと、本体下部についているレコード針が、ソノシートをなぞって音を出すという仕組みでした。これで沢田研二さんの「憎み切れないろくでなし」をよく歌った記憶があります。
たぶん、この冊子は別売で数冊発売されていたと思いますが、父親はそれ以上冊子を購入することはなかったので、しばらく使った後、飽きてしまい、誰も使わなくなりました。
第2章テレビ
当時のテレビはブラウン管式でかなりの厚みがあり、テレビの周りは木製で家具のようでした。
我が家のテレビはキャンディーズ
我が家の居間のテレビは何回か買い替えたと思いますが、記憶に残っているテレビがこの本に載っていました。
それは、P204に柔道着を来たキャンディーズと共に載っているサンヨーのテレビ。
チャンネルはダイヤル式ですが、リモコンが付いていて、このリモコンでチャンネルを変えることができ、チャンネルが変わる時は「ガチャ!」と結構大きい音がしました。
小中学生の頃は我が家にはテレビが1台しかなかったので、チャンネル争いは日常茶飯事。私は妹にチャンネルを変えられないように、リモコンを隠したり、チャンネルを回す部分を引っこ抜いたりしてました。ボリューム等のチャンネル以外の部分も結構引っ張るとはずれました。
その後はプッシュボタン式のテレビに買い替えましたが、どんなテレビだったのか記憶にありません。
第3章 家電
ここには、冷蔵庫、炊飯器、掃除機等のカタログが載っています。
P260には、くるくるドライヤーが載っていて、松田聖子さんが人気だった頃、きっと女子たちはこういうの使ってヘアセットしてたんでしょうね。
P274からは電話機のカタログ。ダイヤル式もプッシュ式も、どれもこれもデザインやカラーが美しい。プッシュボタン式の電話は、ロボットアニメの何かの発射ボタンを押すような感じがして私の憧れでしたが、我が家の電話はずっと黒電話でした。
その他、電卓、拡声器、電動鉛筆削りなどのカタログも載っています。
さて、この家電の章で思い出したのは、我が家にあったスタイリー。
スタイリーで遊ぶ
CMを見て母が買ったスタイリー。
母が使っている場面の記憶はほとんどありませんが、私は「スターイリー、スタイリー、スターイリー、スタイリー♪」というCMソングを歌いながら、高速でカックンカックンやって遊んでいたことは覚えています。
飼いネコがスタイリーの上で寝ていたような記憶もあります…
まとめ
70年代の家電はチャレンジングスピリットに溢れていて、見ていて面白い。
これは失敗!?と思われる製品も多々ありますが、そういったことも踏まえて、新しいものを世に提供していくことの出来た良い時代でした。
「70年代アナログ家電カタログ」という本は、どの世代の方が見ても、良い刺激を与えてくれると思うので、興味があったら是非ご覧になってみてください。