こんにちは、まちろです。
6月19日にNHKで放送予定だった「中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版」が地震関連のニュースで中止になり、やっと7月9日に放送されました。
私は昭和世代なので、もちろん中森明菜さんは歌番組で浴びるように見てましたけど、ライブを見るのは初めて。見ながら色々な思いが湧いてきたので書き留めておきます。
「中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版」を見て思ったこと
セットリスト
- TATOO
- DESIRE~情熱~
- Fin
- SOLITUDE
- BLONDE
- I MISSED “THE SHOCK”
- SAND BEIGE-砂漠へ-
- AL-MAUJ(アルマージ)
- ジプシー・クイーン
- TANGO NORI(タンゴ・ノアール)
- ミ・アモーレ(Meu amore…)
- 難波船
- 飾りじゃないのよ涙は
- 禁区
- 少女A
- 十戒(1984)
- 1/2の神話
- サザン・ウインド
- 北ウィング
- Blue On Pink
- LIAR
- トワイライト-夕暮れ便り-
- セカンド・ラブ
- スローモーション
今回放送されたライブは全部シングル曲(「Blue On Pink」は「LIAR」のB面)で構成され、前半は最近のアーティスティックな曲が続いて「難破船」で一区切り、後半はアイドル時代の曲という流れでした。MCは「Blue On Pink」の歌前のみで、基本的に曲繋ぎで進んでいきます。ラストの「スローモーション」はエンドロールや打ち上げ風景などが挿入されていて、曲が終わると同時にあっさりとライブは終了。
ライブの感想
私はプロの歌手、最高のエンターティナー
特にライブ前半を見ていると、自身に満ち溢れた歌唱、こだわりぬいた衣装、アーティスティックな楽曲構成から、そんな印象を持ちました。アイドル”中森明菜”がチラつきながら見始めたライブでしたが、アイドルなんて文字は1曲目の「TATOO」から吹っ飛んでしまいました。
この初めて見た中森明菜さんのライブを一言で表現するなら、
中森明菜の人生劇場
まるで、中森明菜という人を追ったドキュメンタリードラマ・映画を90分間見ているようでした。通常のライブ映像とは違って、ほぼMCなし、カメラは中森明菜さんの表情を中心に狙っているという編集がそう感じさせたのかもしれません。
カッコいい曲では鋭い眼光を放ち、時には大粒の涙、そして時折見せる笑顔は子どものようなあどけなさ。表現力があるという単純な言葉で片づけられるものではなく、1曲1曲に魂を込めていて、そこには曲中の主人公に憑依するだけでなく、自身の人生も照らし合わせているよう。だからこそ、全ての曲が聴き手の心に刺さってくる。
楽曲は全部シングル曲なのにメジャー調(明るい曲調)が1曲もない。振り返ってみると、デビューしたての頃は16歳という若さで見た目はあどけなさ満載でしたけど、歌に関してはキラキラアイドル王道ソングなんてのは全くなくて、最初からアーティストだった気がします。
ライブ後半は笑顔にあふれていて、「Blue On Pink」前のMCでは風のいたずらにおちゃめな一面が見えたりと、
明菜ちゃん、楽しんでるな~
なんて感じもしましたけど、ピリッとした緊張感は常にあって。
全編を通して、時々笑顔ではなく、微笑む様子が映るんですけど、それを見て感じるのは明菜ちゃんの優しさだけでなくて、薄氷のようなもろさ。なんだか常に心が小刻みに震えてるような。こういうところにシンパシーを感じたり、放ってはおけない使命感に駆り立てられたりで熱狂するのではないでしょうか。
終わりに
アイドルからアーティストに転身した人は何人もいますが、中森明菜さんは異例。他を寄せ付けない孤高のオーラが半端なく、特殊なライブを見ているようでした。
大勢の人に囲まれて人気者であるにもかかわらず孤独
そんな雰囲気すら感じさせる強烈な個性が未だ人気の衰えない理由の一つなのかもしれません。
しかし、ホントいいライブでした。息も付かせぬスピードであっという間に終わってしまった。録画したので今後何度も見ると思いますが、見る時の気分によっては中森明菜ワールドに吸い込まれて大泣きするかもしれません…
7月15日(金)には、「中森明菜スペシャルライブ~2009・ヨコハマ」(NHK総合 22:00~)が放送されるので、また心して見たいと思います。