2018年10月19日に発売されたオーディオテクニカのハイレゾ対応ヘッドホンATH-MSR7b。
2014年に発売されたハイファイな音を聴かせてくれるATH-MSR7の進化版で、当時はパナソニックのRP-HD10やソニーのMDR-1Aと三つ巴でしたが、その側圧(耳を挟み込む力)の強さから音には惚れ込みながらも購入を躊躇される方が多かった印象のある機種した。
しかし、このATH-MSR7bでは、そういった側圧の問題は解消され、快適な装着感と丁寧なハイファイサウンドを聴かせてくれる機種に生まれ変わりました。
現在の価格は3万円前後ですが、しばらくすると2万円台半ば辺りの価格で落ち着くと思います。
今回は、このATH-MSR7bについて試聴した際に感じた事などを書いてみたいと思います。
なお、試聴はアンバランスでの感想となりますのでご了承ください。
ATH-MSR7bレビュー
ATH-MSR7bの仕様・装着感について
ATH-MSR7bは45㎜のダイナミックドライバーを搭載した密閉型ヘッドホンで、カラーはブラックとガンメタリックの2種類。
ヘッドホンケーブルは両出し(左右からケーブルが出ている)でバランス接続に対応。両出しされたケーブルは胸元で結合され、以後はきしめん状になっています。
1.2mmのケーブルが2本付属していて、1本は通常の3.5mmステレオプラグ、もう1本はSONYのバランス接続対応ウォークマン等に採用されている4.4mm5極プラグとなっています。
一つ注意していただきたいのは、ヘッドホン側の接続端子が通常の3.5mmステレオミニプラグではなく、A2DCという独自規格規格になっている点。リケーブルの際は、この点に気を付けて対応ケーブルを探してみてください。
重量は約237gで、実際手に取ってみると非常に軽く感じます。
ハウジングを90回転させて、平べったい状態にして収納することが出来ますが、ATH-SR50のようにハウジングを折り曲げてコンパクトにすることは出来ません。イヤーパッドは縦長で開口部も大きく、耳をすっぽり覆ってくれます。
イヤークッションや頭頂部のクッション柔らかく、特段痛みや不快感はありませんでした。側圧は強すぎない程度のちょうどいい圧で、全体的な装着感に関しては、かなり優秀な部類に入ります。
ATH-MSR7bの音質について
試聴に当たり、DAP(デジタルオーディオプレイヤー)はSONY NW-ZX2を使用しました。
試聴曲は、主に斉藤由貴「卒業」、BABYMETAL「ギミチョコ!!」、高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」等で、ファイル形式はflacです(「残酷な」~はハイレゾ)。
ATH-MSR7bの音の印象を大雑把に言うと、上質なハイファイな音。
ハイレゾ音源が出始めてから、クリアで解像度の高さをアピールするような傾向の音質がトレンドとなっていますが、ATH-MSR7bはそれを踏襲しながらも不快感がなく聴いていて楽しい音作りになっています。
音場は左右と上に広めで、奥行きはそこそこ感じられます。
どの帯域の音も線の細さを感じさせないしっかりとした芯が通っていて、シンバル・ハイハットなどは明瞭で自然な金属音、ボーカルは不自然さを感じさせない程度の肉厚感、バスドラムやベースは骨太で重みのある音です。
不快になりそうな部分の音のエッジ(輪郭)は上手く丸められています。
若干、ボーカルやスネアのアタック音に硬さを感じましたが、駆動力のあるアンプを搭載したDAPやバランス接続により解消されうることと思います。
まとめ
クリアで力強く、どの音もしっかりとした音で聞こえてくるので、これ1本でオールジャンルイケると思います。
この価格帯で装着感の良いポータブル用途のヘッドホンということであれば、SONYのMDR-1AM2とオーディオテクニカのATH-MSR7bのワンツーフィニッシュで間違いなし。