前回のハードロックのインスト BEST 30では、30位から21位までを紹介させていただきました。
今回は20位から始めたいと思います。
ハードロック インスト BEST 30(20位~11位)
20位 Sane to more(Circus Maximus「Isolate」)
サーカス・マキシマスは、ノルウェーのプログレハードロックバンドです。
曲調や音色等、Dream Theaterとそっくりですが、サーカス・マキシマスの方がメロディーを掴みやすく、聴きやすいと思います。
「Sane to more」という曲は、重みとキレのある、変拍子や曲の展開を多分に含んだインストですが、演奏時間は約4分で、極力自己満足的な無駄を排除した密度の濃い1曲に仕上がっています。
この手の曲調が好きだけど、演奏時間が長くて聴いていて疲れる・飽きるという方にはおすすめの曲です。
19位 Solveig´s Song(Wolf Hoffman「Classical」)
言わずと知れたACCEPTのギタリスト ウルフ・ホフマンのソロアルバムからの選曲です。
このアルバムは、ウルフ・ホフマン自身が影響を受けたクラシック音楽を、ハードロックを基調としながらカバーしたアルバムです。
このアルバムに関しては、正直、どの曲が良いというよりは、アルバムを通して良いという感じなので、どの曲を選曲するか迷いましたが、とりあえず、「Solveig´s Song」を選曲しました。
ゆったりとしたテンポのブルージーなアレンジに乗せて、淋し気なメロディーが流れていくといった感じの曲ですが、ウルフ・ホフマンの歪みを押さえた甘いギターの音が、より情緒を高めています。
18位 Spanish Fire(Impellitteri
「Crunch」)
この曲は、6枚目のアルバム「Crunch」の曲ですが、「ベスト・オブ・インペリテリ」というアルバムにも収録されています。
クリス・インペリテリの演奏スタイルがイングヴェイ・マルムスティーンに似ていることから、かつては、ギター演奏のスピードはどちらが速いか等の不毛な議論が交わされたものでした。
年々、イングヴェイ・マルムスティーンは、曲やメロディーの構成を考えるというよりは、勢いで弾きまくり、作曲してしまう傾向を強めていく中、クリス・インンペリテリは、その逆で、曲・ギターソロのメロディーをさらにしっかりと構築していくようになって行った感じがします。
この「Spanish Fire」という曲は、ドドドーン!と重々しいサウンドから幕を開け、スピード感とキレのあるギターの速弾きを経て、キャッチーなメロディーが飛び出してきます。
しっかりとした曲の構成と、聴きどころ満載のメロディーがおすすめポイントです。
17位 Genghis Khan(Iron Maiden「Killers」)
アイアン・メイデンの曲の中には曲調が変化して行く曲がありますが、こういった曲の多くは演奏時間が10分前後と長尺です。
しかし、この「Genghis Khan」曲は、約3分という短時間の中で、重く攻撃的な雰囲気を保ったまま、曲調が変化して行く面白い曲です。
私はこういった曲調が変化して行く曲が大好きですが、演奏時間が長いと聴き疲れをしてしまうため、こういうコンパクトに仕上げられた曲の方が好きです。
短い演奏時間の中にやりたいことを詰め込むことは非常に難しい作業ですが、それをやってのけるバンドの力量は相当なものだと思います。
まるで俳句のようですね(^_-)-☆
16位 Scarified(RACER X「Second Heat」)
ポール・ギルバート&ブルース・ブイエの2大速弾きギタリストによるRACER Xの曲です。
カッコいいドラムのリズムから始まるこの曲は、ベースも速弾きを見せ、かなりテクニカルな曲となっています。
メロディーが一部イングヴェイ・マルムスティーンのような雰囲気もありますが、曲の構成や所々に見せるキメにオリジナリティーを感じます。
当時は、「おすすめ!ハードロック インスト BEST 30 Part 1」でも紹介させていただいた「カコフォニー」と共に人気を博したものでした。
15位 Martial Arts(Royal hunt「Land Of Broken Hearts」)
初期のロイヤルハントは、クラシカルなメロディーが印象的な北欧メタルといった感じでしたが、この「Martial Arts」という曲は、その頃のアルバムに収録されている曲です。
美しい音色のキーボードが、スピード感のあるアルペジオを奏で、それにギターがシンクロしていきます。
美しさと緊張感の兼ね備えた曲調がおすすめポイントです。
この曲は、プロレスラー 蝶野正洋選手の入場曲としても使用されました。
14位 Icarus’ Dream Suite Op.4(Yngwie Malmsteen「Rising Force」)
アルカトラズを脱退後、イングヴェイ・マルムスティーンが初めてリリースしたアルバムからの選曲です。
私はハードロックはうるさくて、どれも同じように聴こえてしまい、好きではありませんでしたが、この「Icarus’ Dream Suite Op.4」という曲をきっかけに、ハードロックを聴くようになりました。
ギターにオーバードライブやディストーションがかかっているのか?と思うほど、クリーンな音で、フレーズが非常に美しい曲です。
展開のある曲調や、時折入るアコースティックギターが、よりクラシカルな雰囲気を強めています。
13位 Still I’m Sad(Rainbow「Ritchie Blackmore’s Rainbow」)
リッチー・ブラックモアがレインボーを結成し、その最初のインスト曲が、この「Still I’m Sad」です。
ノリの良いドラムとベースのリズムが心地よく、それに乗せてリッチー・ブラックモアのキャッチーでカッコいいギターメロが流れていきます。
特にカウベルの「カン、カカン、カカン」というリズミカルな響きが耳から離れません。
12位 Captain Nemo(Michael Schenker Group「Built to Destroy」)
マイケル・シェンカーのインスト曲はどれもカッコよく、随所にキャッチーなメロディーが散りばめられているので、インスト曲で思い浮かぶのは、マイケル・シェンカーの曲!という方も多いのではないでしょうか?
この曲は、いきなり弾くのが難しそうなギターのフレーズから始まり、跳ねるような心地よいリズムと共に曲は進行して行きますが、起承転結があり、ドラマティックな曲調になっています。
カッコいい、哀愁のメロディー、ノリが良い、ドラマティックと、感動できる要素が全て詰また曲です。
11位 Anybody There(Rainbow「Bent Out Of Shape」)
このアルバムは、再結成を除いて、レインボー最後のアルバムで、私が全ハードロックアルバムの中で、最も好きなアルバムの1枚です。
「Anybody There」は、ゆったりとしたテンポの淋し気な旋律が印象的な曲です。
私は、感情表現の長けたギタリストとして、ゲイリー・ムーアやマイケル・シェンカーが好きですが、リッチー・ブラックモアも同じぐらい大好きです。
この手の曲で、ゲイリー・ムーアは感情表現は激情的・ドラマティックといった印象を受けますが、リッチー・ブラックモアの場合は、内に秘めた気持ちを脚色せず、そのまま表現するといった印象を受けます。
このアルバムを聴いていると、いつも「このアルバムでレインボーが最後か…」という思いが沸き上がってきてしまうので、「Anybody There」や、このアルバムにもう一曲収録されているインスト曲「Snowman」を聴くと、その淋し気な旋律から、終わりや別れの切なさを感じてしまいます。