90年代半ばにTHE ALFEEの高見沢俊彦プロデュースにより誕生したアイドルユニットSkirt(スカート)。
今回紹介する「明日の鐘」はSkirtのラストシングルで、後にTHE ALFEEのアルバムにも収録されました。
THE ALFEEバージョンではスケールの大きいバラードとなっていますが、Skirtというアイドルが歌うとどんな感じになるのか…
今回は、Skirtの「明日の鐘」を聴いたことがない方に向けて、その曲の雰囲気等について書いてみたいと思います。
高見沢俊彦プロデュース Skirt 4thシングル「明日の鐘」
Skirtとは
Skirtは、南青山少女歌劇団という10代の少女のみで構成される劇団の出身の堀川由理さんと十川貴美子(のち桜井美紀に改名)さんの2人組で、THE ALFEEの高見沢俊彦さんのプロデュースにより、1995年にデビューしました。
4枚のシングルと一枚のアルバムをリリースした後、1998年に解散しました。
(シングル)
- スカートをはいた果実
- READY STEADY GO!
- MAGICAL:LABYRINTH//
- 明日の鐘
(アルバム)
- SCOPE
1stシングルの「スカートをはいた果実」のみ作詞が秋元康さんで、その他の作詞作曲は高見沢俊彦さんです。
アルバム「SCOPE」には、1st~3rdシングルまでは収録されていますが、4thシングルの「明日の鐘」は収録されていません。
SkirtとTHE ALFEEの「明日の鐘」
Skirtの歌う「明日の鐘」は、ゲームソフト「アルカナ・ストライクス」のエンディングテーマ曲で、1997年12月25日にリリースされました。
カップリングの「VIRGIN LOVE」は、同ソフトのオープニングテーマ曲となっています。
2曲共、アレンジは「是永巧一with T」と記載されています。
是永巧一さんと言えば、レベッカ等のサポートギタリストとしても知られた方ですが、「with T」とは誰でしょうか?高見沢さんかな??
さて、「明日の鐘」ですが、この曲は後にTHE ALFEEの「Nouvelle Vague」というアルバムにアレンジを変えたバージョンで収録されました。
私はTHE ALFEEが大好きでライブにもよく行っていましたが、「明日の鐘」を初めて聴いたのは「Nouvelle Vague」発売前の1997年の武道館ライブで、確かライブの最後かアンコールでやったと思います。
「明日の鐘」が収録された「Nouvelle Vague」が発売されたのは翌年の3月25日なので、リリース前のお披露目でした。
哀愁のメロディー漂うハードで壮大なバラードで、高見沢俊彦さんの澱ないハイトーンに鳥肌が立ったことを覚えています。
Skirtの歌う「明日の鐘」を初めてテレビCMで見たのは、このライブの後だったと思いますが、「なんか聴いたことあるな~、何の曲だっけな~」とずっと引っかかっていました。
CDリリース前に一度だけTHE ALFEEのライブで聴いただけだったので、同じ曲とは気づきませんでした。
SkirtとTHE ALFEEバージョンの違い
THE ALFEEの歌う「明日の鐘」は、高見沢俊彦さんがセンターボーカルを務め、ハードロックバンドによくある静かに始まってサビで爆発するようなハードなバラード。
Skirtの「明日の鐘」も基本的にはTHE ALFEEと同じハードバラード調ですが、ドドドーンと派手に始まる辺りは、THE ALFEEの曲で言うと「On The Border」のアレンジに近い気もします。
曲終わりは、THE ALFEEの方はフェイドアウトですが、Skirtの方はジャララ~ンとマイナー調(悲し気な曲調)のフォークソングみたいな終わり方です。
曲の長さも違い、THE ALFEEの方は約8分、Skirtの方は約5分です。
Skirtの歌い方は、変な癖のないまっすぐな歌い方で、ピッチも安定して、ハイトーンも高見沢俊彦さんのようにビシーッと伸びていきます。
声は少女らしいかわいらしさを残しながら、ところどころ感傷的な歌い方をする辺りにアイドルらしさを感じます。
ちなみにカップリングの「VIRGIN LOVE」は、マイナー調のハードロックンロールといった雰囲気で、高見沢俊彦さんのコーラスが派手に入っています。
まとめ
「明日の鐘」という曲は、THE ALFEEの曲の中でも屈指の名曲です。
高見沢さんがアイドルが歌うことを意識して作ったのか否かは分かりませんが、全くアイドルソングという作風でない「明日の鐘」をSkirtというアイドルユニットが歌うことによって、良い化学反応が出ていると思います。
Skirtの歌う「明日の鐘」もTHE ALFEEバージョンと同様の哀愁と胸のすくような爽快感を感じることが出来る素晴らしい仕上がりになっています。
SkirtのCDは、全て廃盤になっているため、入手するのが困難かと思いますが、気になったら根気よく探してみてください。
ちなみに、後に高見沢さんは番組企画としてDoll’s Voxというアイドルグループをプロデュースします。
私もこの番組を見ていましたが、何となく中途半端に終わってしまった印象があります。
このグループには、AKB48加入前の大島優子さん、アイドリング!!!加入前の横山ルリカさんが在籍していました…