70~80年代には、たくさんの学園ドラマがありました。
ゆうひが丘の総理大臣、熱中時代、金八先生、サンキュー先生、スクールウォーズ、うちの子にかぎってなどなど、教師役を演じる役者さんは個性的で憧れの的。
しかし、唯一あこがれの対象とならない(?)学園ドラマの先生がいました。
それは、TBSで1984年に放送された「ビートたけしの学問ノススメ」という爆笑学園ドラマの夏目宝石先生。
今回は、この「学問ノススメ」というドラマの面白かった場面などを振り返ってみたいと思います。
爆笑学園ドラマ ビートたけしの「学問ノススメ」
「学問ノススメ」のあらすじと個性派俳優によるクセの強いキャラクター
ビートたけしさん演じる夏目宝石という社会の先生が主人公の学園ドラマです。
夏目先生は気が弱く、先生になってからというもの、どの学校へ行っても生徒からいじめられて、その都度、勤務先の学校を転々とし、私立ノストラダムス学院にやってきます。
夏目先生は先生らしく振舞おうとしますが、嫌なことからは逃げ出し、生徒の事よりも自分の事を優先してしまうという甘えん坊の子どものような大人。
周りの大人たちからは馬鹿にされっぱなしですが、そういった行動を取ろうとも、純粋な生徒たちは夏目先生の事を信じ、夏目先生もその生徒たちの心に打たれて、自分のとった誤った行動を素直に反省し、夏目先生と生徒たちとの絆はどんどん強くなっていきます。
ただ、毎回毎回、夏目先生のとる行動が本当に子どもでバカバカしく、ドラマの最後の方はお酒を飲んで性格が豹変し、本音をマシンガンの様に言いまくりながら暴れまわるというドタバタ劇で終わります。
個性派俳優勢ぞろい!
このドラマには、小林亜星さん、イッセー尾形さん、由利徹さん、柄本明さん、かまやつひろしさん、ポール牧さんなど、個性的な方々が出演されています。
教師の役名は、森法外教頭、与謝野可奈子先生といった著名人の名前のパロディー。
ただ、かまやつひろしさんの演じる英語教師は元の名に近い釜田先生という役名、もたいまさこさん演じる保健の先生は桃園つぼみという怪しげな役名となっています。
生徒役として、アイドルの北原佐和子さんが出演していました。北原佐和子さんは、赤川まゆみという役名で学級委員のとってもかわいらしい生徒役でした。
「学問ノススメ」のおもしろポイント!
オープニングの紙芝居
このドラマは、ドラマとは全く関係のないビートたけしさん扮する紙芝居のおじさんの紙芝居から始まります。たけし軍団の面々がその話を聞く子ども役を演じています。
紙芝居の内容は「桃太郎」「浦島太郎」といったオーソドックスなものですが、おじさんのねじ曲がった解釈により、毎回話は変な結末を迎え、子どもたちが怒り出すというパターン。
その後、ビートたけしさんの歌う主題歌「私立ノストラダムス学院校歌」でドラマは幕を開けます。
主題歌が始まる時、毎回その回のタイトルが表示されますが、タイトルは「生徒ノ質問ガ怖イヨー」といった、「〇〇ガ怖イヨー」という定型のタイトルになっています。
さて、このドラマの面白ポイントですが、先程挙げた、紙芝居のシーンの他にもたくさんあるので、思いつくまま、以下に記載したいと思います。
「あ~、あぁぁぁぁぁ!!!!! まだ写してないんです」
このドラマには生徒役として、当時30歳ぐらいだった(?)渡辺えり子さんが出演していました。役名は馬場志づ子。父親はPTA会長でポール牧さんが演じていました。
夏目先生が授業中、黒板に書いた文字を黒板消しで消し始めると、毎回「あ~、あぁぁぁぁぁ!!!!!」という大きな叫び声が教室に響き渡ります。
夏目先生が、この奇声を発した馬場志づ子に「どうしたの!?」と尋ねると、「まだ写してないんです」と答えるこのシーンは、毎回あるおもしろポイントです。
「お手洗いくん!」
これは第一話の出席を取るシーンでのこと。
たけし軍団の松伴内さんが「御手洗六助」という役名で生徒役を演じていて、この読み方は「みたらし ろくすけ」ですが、夏目先生が読み方が分からず、「お手洗いくん!」と呼んでしまい、松尾伴内さんが悲し気な表情で立ち上がり、「先生、みたらしって呼んでください💦」というシーン。その後も御手洗くんを小バカにし続ける夏目先生がたまりません。
保健の先生「桃園つぼみ」と夏目先生のカラミ
桃園先生は少年の心を持った夏目先生に惹かれており、普段は大人しい感じですが、夏目先生に何かあった時はものすごく強引な行動を見せます。
それが嫌で逃げ回る夏目先生とのカラミは、かつてのロボコンとロボチューを見ているかのよう。
夏目先生と夏目兄弟のカラミ
夏目先生には2人の兄がいます。長男はイッセー尾形さん演じる「夏目胆石」、次男は花房徹さん演じる「夏目隕石」。
2人の兄は夏目先生とは違って夏目家の血を引く堅物で頭の良い人で、夏目先生の事をよく叱咤します。
普段は兄に委縮して何も言えなくなってしまう夏目先生ですが、お酒を飲んで豹変すると兄たちはその恐ろしさに奇妙な行動をとり始めます。
時々、夏目先生が諸事情により授業ができない時、その代役として長男の夏目胆石が教壇に立ちますが、その超個性的な授業シーンも必見。
PTA会長と夏目先生のカラミ
PTA会長を演じるポール牧さんと夏目先生のカラミが時々あって、これはほとんどアドリブ。いつもハチャメチャの大爆笑シーンです。
夏目先生の生徒を助けるための手段
毎回、生徒が夏目先生に相談事を持ち掛け、「先生、助けてください!」と言いに来ますが、その解決手段がくだらなくて、いつも最悪の結末を迎えるといったところがツボ。
代筆を頼まれたラブレターは誤字だらけ、期末試験の成績がアップしない生徒に対しては夏目先生が顔中に包帯をぐるぐる巻きにして生徒の代わりに試験を受けて最低の点数を取る、身体検査の時、男子生徒が間違って姉のパンツをはいてきて一時的に夏目先生のパンツと交換したところ、他の生徒に女性もののパンツをはいているところを見られて変態扱いされる、などなど。
終わりに
「ビートたけしの刑事ヨロシク」の流れを汲む「ビートたけしの学問ノススメ」は、「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「ムー(一族)」といった番組からほっこりする部分を極限まで抜き取ったようなドタバタ劇でおもしろく、今でも当時録画したビデオを時々見ては大爆笑してます。
気になったら是非DVD等でご覧になって日頃のストレスを発散してくださいネ。

