今回は、AfterShokzから提供していただいたデジタルオーディオプレイヤー一体型骨伝導イヤホンXtnainerzのレビューをしたいと思います。
いわゆるスポーツ用途の耳掛け式イヤホン(ヘッドホン)ですが、最大の特徴は、音の伝達方式が骨伝導式で、耳を塞ぐ必要がないということ。
これによって、周囲の音を聴きながら、安全にランニング等のスポーツを楽しむことが出来ます。
Xtrainerzというモデルは、Bluetoothは搭載しておらず、内部メモリー4Gのデジタルオーディオプレイヤー(以下、DAP)内蔵型なので、スマホやDAPを持ち歩く必要がなく快適です。
以下で、Xtrainerzの仕様、使い勝手、音質について、メリット・デメリットに触れながら深堀していきます。
【骨伝導イヤホン】AfterShokz Xtrainerzレビュー
骨伝導イヤホンとAfterShokzについて
骨伝導イヤホンとは?
人間が音を認識するのは、振動が耳の奥にある蝸牛という部分に伝わった時で、その振動経路は、2つあります。
- 耳に直接入ってくる空気による鼓膜の振動
- 骨を伝わる振動
何か硬いものを食べた時に、ゴリゴリ頭に響きますよね。この骨を伝わる振動に着目して作られたのが骨伝導イヤホンです。
骨伝導方式は、耳の穴にイヤホンを入れる必要がないので、以下のようなメリットがあります。
- 耳の中の痛みは皆無
- 耳の負担を軽減でき、耳垂れ等の耳の病気の心配がない
- 周囲の危険を察知できる
耳の穴の中がデリケートでイヤホンを突っ込むと耳が痛くなる、もしくは耳に形状が合わなくてイヤホンがポロッと落ちてしまうなんて方には、ピッタリな仕様です。
昨今、危険運転の車や自転車による事故のニュースをよく目にしますが、自分が気を付けていたとしても、こういった事故に巻き込まれる可能性もあるため、従来のカナル型イヤホンでも、外音取り込み機能を付けている機種も増えてきています。
AfterShokzについて
AfterShokzは、2011年に設立されたアメリカのイヤホンブランド。
骨伝導という市場にいち早く参入し、高音質化、音漏れの低減等、300を超える技術特許を取得し、オーディオファンにはお馴染みのVGPでも高評価を得るなど、業界でも注目度の高い信頼のおけるメーカーです。
AfterShokz Xtrainerzの仕様
本体と付属品
<付属品>
- 充電&転送ケーブル(USB-Aケーブル)
- 水泳用イヤープラグ(ワンペア)
- 取扱説明書×2
- 保証書(2年間保証)
- 収納ケース
本体収納ケースは、ツルッとした肌触りの良いシリコン素材で、本体が無理なく入る手のひらサイズの大きさ。開閉部はチャック式。
水泳用イヤープラグ(耳栓)は、シリコン製の3段キノコで、押し込むとスルスルッと耳の中に入っていきます。取り外す時は、一気に抜くと耳の中の気圧が変化し、耳鳴りと共に鼓膜を痛める恐れがあるので、ねじりながら少しずつ引っ張り出すようにしてください。
ボディカラー
カラーは、ブラックダイヤモンドとサファイアブルーの全2色。
引用元:AfterShokzホームページ
引用元:AfterShokzホームページ
ブラックダイヤモンドは、イヤーパッド部とフレーム部にキラキラとしたラメが入っています。
充電とバッテリー
約2時間でフル充電、最大8時間の連続再生可能。
充電&転送ケーブルは、本体に挿すのではなく、本体右の金属部を合わせて挟み込む形式。
パソコンに接続すると充電が始まり、充電が完了するとランプが赤から青に変わります。
防水性能
イヤホンのおける防塵・防水性能の表記の見方は以下の通り。
<防塵・防水表記の見方>
- IP〇X・・・防塵性能のみ
- IPX〇・・・防水性能のみ
- IP〇△・・・〇が防塵、△が防水性能
防塵性能は全6ランク、防水性能は全8ランクで、数値が大きくなるほど性能が高くなります。
Xtrainerzは、IP68。
つまり、防塵・防水仕様で両方とも最高ランク。水深2mで2時間まで使用できるという非常にタフな仕様となっています。
AfterShokz Xtrainerzの装着感と使い勝手
AfterShokz Xtrainerzの装着感
Xtrainerzは、いかにも水をはじいてくれそうなツルッとした手触り。
チタンフレームを採用することによって、その形状記憶はしっかりキープされています。
装着については、本体を後ろから回して耳に引っかけ固定します。
個人差はあると思いますが、軽量(30g)でそれほど強い側圧ではないため、挟み込まれている感覚はあるにせよ、大きな違和感を感じることはないと思います。
首を振ったりランニングしたりしても、本体がズレるということはありませんでした。
水泳での使用は試していませんが、スイミングキャップで挟み込むことにより、より強力に固定されると思います。
私は常時メガネを使用していて、ツルの細いものと太いものの両方のメガネを着けてを使用してみましたが、全くメガネに干渉することなく快適です。
音漏れ
一般的に骨伝導型の欠点は音漏れと言われますが、やはりXtrainerzでも音漏れはあります。
通常音量で聴いている場合、静かなところでは、1m離れたところでも漏れた音がシャカシャカと聴こえてきます。感覚的には、耳に蓋をするような形状のインナーイヤー型イヤホンと同程度といったところでしょうか。
なので、Xtrainerzは、図書館や公共交通機関という場所よりも、ランニングやスイミングといったスポーツ、お散歩、室内で宅配便を待っている時、調理時といった場面で気兼ねなく使うのがベストなシチュエーションでしょう。
Xtrainerzの操作性と曲の転送
操作ボタンは、本体右に集約されています。
これらのボタンを使って出来ることは、以下の通り。ちなみに、音声ガイダンスは日本語で女性の声です。
- 再生 /一時停止
- 曲の前後スキップ
- フォルダスキップ
- フォルダ選択・解除
- 再生モード切り替え(ノーマル / リピート / シャッフル)
- ボリューム調整
- イコライザー変更
- バッテリー残量チェック
曲の転送は、ドラッグ&ドロップで簡単にすることが出来ます。再生可能なファイル形式は、MP3/WAV/AAC/WMA/FLACですが、ハイレゾ音源は非対応。
4Gの本体メモリに約1200曲保存可能とのことですが、音質を考慮すると、最低でもファイル形式mp3で128kbpsのビットレートで転送したいところ。以下にファイル形式とビットレートの関係から収録できる曲数の目安を記載しておきます。
- mp3(128kbps) / 約800曲
- mp3(320kbps) / 約400曲
- flac(1411kbps) / 約150曲
曲を転送する時、本体に楽曲ファイルをそのまま放り込んでも大丈夫ですが、フォルダを作っておくと、再生する時に便利です。フォルダを作った場合、どんな再生パターンになるか説明します。
例えば、「邦楽」「洋楽」と2つのフォルダを作り、それぞれの中にアーティスト別のフォルダを作ったとします。
「フォルダの選択・解除」では、今聴いているフォルダ内の曲のみの再生と全フォルダの再生を切り替えることが出来ます。
松田聖子の曲を聴いている時に、全フォルダの再生にすると、洋楽のRIOTまで再生されます。今聴いているフォルダ再生にすると、松田聖子のフォルダの曲が終了すると再生が止まります。
あくまでも直接曲が入っているフォルダ単位の再生になるので、例えば、上記のフォルダ構成だと、邦楽フォルダに入ってる曲だけシャッフルで聴くということは出来ません。
邦楽だけ聴きたいという場合は、邦楽フォルダ内にアーティスト別フォルダを作らず、直接全アーティストの楽曲を邦楽フォルダに入れてください。
AfterShokz Xtrainerzの音質
Xtrainerzは、一体どんな聴こえ方をするのか?
大雑把に言うと、スマホを左右の耳の側に持ってきて音を鳴らしている感じ。
Xtrainerzの音質は、低音の重みは薄い反面、輪郭がハッキリとして非常にクリア。細かい音もよく聴こえます。
低音は全然聴こえないという訳ではなく、”ドッ”というベースやバスドラムのアタックはハッキリと分かりますが、その後の”ズーン”と沈み込んで行くような重みがないというイメージ。
全体的に明るめの音色で、ボーカルやギターの厚みはきちんと感じ取れるので、ながら聴きする分には適度な音質だと思います。
音は顔面近めですが、左右に振られた楽器の音は、少し前方から聴こえ、曲によってはかなり立体的な空間を感じ取れます。
イコライザーは通常モードと水泳モードの2種類があって、水泳モードにすると音がさらに明るくなり、低音が減ります。この時に付属の耳栓をすると、低音と全体的な音の響きが増し、モコモコっとした音になります。
音質を重視する場合は、通常モードの耳栓なしが良いと思います。
まとめ:【骨伝導イヤホン】AfterShokz Xtrainerz
最後に骨伝導イヤホンAfterShokz Xtrainerzについてまとめておきます。
- 耳を塞がない骨伝導式により外音を取り込みながら安全に音楽鑑賞ができる
- スマホ等のプレイヤーなしで音楽を楽しめる4Gメモリ内蔵
- 超軽量(30g)でメガネ使用時でも快適な装着感
- 最高ランクの防塵防水性能(IP68)
- 最大再生時間8時間のロングバッテリー
- 適度な厚みと明るくキレのある音質
- 2年間の保証付き
運動しない、プールに行かない、なんて方も、強靭な防水性能を活かして、
自宅のお風呂でのーんびりしながら大好きな曲を…ああ、至福…