急性骨髄性白血病のため2005年(平成17年)11月6日に天に召された本田美奈子さん。
作詞は美奈子がしろよ!
というメッセージと共に、復帰第一弾として井上鑑さんから送られた曲の歌詞を書き終えないまま…
後にこの曲は、一倉宏さんにより本田美奈子さんが書き残した数々の散文の中から「LIVE FOR LIFE」というワードを軸に歌詞が付けられ、「wish」という曲名でリリースされました。
「wish」がリリースされたのは、2006年11月1日。
福山雅治さんを始めとするINOUE AKIRA & M.I.M.BANDという豪華メンバーによって演奏・記者発表されたということもあり、当時話題になりました。
「wish」には本田美奈子さんの生き様が刻まれており、歌い継がれて欲しいという井上鑑さんの願いが込められた大切な曲ですが、今どれだけ「wish」は語り継がれているのでしょうか…
今回は、「wish」について今一度振り返ってみたいと思います。
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本田美奈子と復帰第一弾シングル「wish」について思うこと
「wish」について
もともと「wish」は、闘病中の本田美奈子さんが
復帰したら自分と同じような苦難に遭っている人を勇気づけるような歌を歌いたい
と井上鑑さんに語ったことが始まり。
本田美奈子さんのクロスオーバーアルバムで交流を持った井上鑑さんによって作曲・編曲されたこの曲は、MDとビデオで本田美奈子さんに渡されました。
ビデオには、井上鑑さんの呼びかけによって協力してくれた福山雅治さんを始めとするツアーメンバーによる演奏が収められていて、それを見た本田美奈子さんは感涙し、具体的な復帰作を手にしたことにより、大きな光が差し込んだことと思います。
本田美奈子さんによって直接歌詞を付けられることは叶いませんでしたが、この曲をもらってから本田美奈子さんの頭の中には常時メロディーが流れ、歌詞の構想としてノートにあれやこれやと散文を書いていたのでしょう。
冒頭でも書いた通り、一倉宏さんの補作によって完成した「wish」の歌詞の中には、本田美奈子さんの伝えたかった言葉で埋め尽くされています。
幸せって人と比べるものでもなく、日常のあちこちに存在していて、それに気づくことが出来るか否か、気づいたとしてもそれを幸せと感じることが出来るか否か。
それが出来たなら希望が生まれ、未来の希望に向かって今日を生きる力が湧いてくる…
「wish」の歌詞を見た時、そんなことを感じると共に、自分の幸せ感度を上げて行かないと…なんて思いました。
「wish」は、INOUE AKIRA & M.I.H.BANDという名義でリリースされましたが、このM.I.H.とは「Music Is Hope」という意味。
もしかすると「Minako Is Hope」というダブルミーニングなのかも…と勝手に思っています。
「wish」を聴いて思うこと
「wish」は大らかなポップバラード。
聴く人それぞれの印象があると思いますが、私は当時と今でもその印象は変わりません。
”永遠のデモテープ”
本田美奈子さんの声域を想定して作っただけにメロディーの音域は広めですが、それは福山雅治さん、高尾直樹さん、坪井唯子さんらのスイッチボーカルでウマく表現されています。
アレンジもゴージャスで音楽としては完成されていますが、何故か何度聴いても私にはデモテープのようにしか聴こえません…
よくミュージシャンが他のアーティストに曲を提供する時、自らガイドボーカルを入れることがありますが、そんな感じです。
それは、福山雅治さんを始めとするボーカリストから、この曲を聴いている人たちに何かを伝えたいという思いよりも、あくまでも本田美奈子さんの為のガイドボーカルという意識があるように感じてしまうからかもしれません。
そんな感覚があるので、この「wish」という曲は、歌い主を求めて未だに彷徨っている気がします。
プロアマ問わず、きっとこの曲にピタッと当てはまる人がどこかにいると思うので、そういった人の耳に届くよう節目節目にテレビやラジオで「wish」が取り上げられるといいなと思っています。
まとめ
ストリーミングで音楽を聴くというスタイルが主となりつつある現在、音楽は「消費」という概念がより強く感じられるようになった気がします。
語り継がれなくなった時、その曲は世間から忘れ去られ死にます。
微力ですが、「wish」を含め大好きな曲は、今後もブログやSNSを通じて発信していきたいと思っています。
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