おすすめハードロックの名盤として、今回はTHE MICHAEL SCHENKER GROUP(マイケルシェンカーグループ)の3rdアルバム「ASSAULT ATTACK」を紹介したいと思います。
マイケルシェンカーと「ASSAULT ATTACK」
「ASSAULT ATTACK」は1982年に発表され、邦題では「黙示録」と呼ばれていました。
マイケルシェンカーとは
マイケルシェンカーは、スコーピオンズのギタリストであるルドルフシェンカーの弟で、当初は兄と一緒にスコーピオンズでプレイしていましたが、その後UFOというグループへ移籍し、UFO脱退後に自分をリーダーとするTHE MICHAEL SCHENKER GROUP(以下、MSG)を立ち上げました。
MSGの活動休止後、UFOとMSGを行ったり来たりし、現在では、Michael Schenker’s Temple Of Rockというソロ名義のバンドを立ち上げ、現在は歴代のMSGボーカリストを集結させたマイケルシェンカーフェストを中心に活動しています。
マイケルシェンカーはフライングVという変形ギターを使い、特にギターソロを弾くときは、腰をかがめて弾くスタイルが特徴的です。
ギターにアームは付いていませんが、ギターヘッドを裏から手で押すことによって、ビブラートをかけるのも彼の特徴の一つです。
彼のチョーキング(ギターの弦を指で押し上げ音階を上げる)も特徴的で、じんわりと音を上げていきます。日本の演歌歌手が音を持ち上げてねっとり歌う歌い方に似ています。
「ASSAULT ATTACK」について
1.Assault Attack
2.Rock You to the Ground
3.Dancer
4.Samurai
5.Desert Song
6.Broken Promises
7.Searching for a Reason
8.Ulcer
9.Girl from Uptown
このアルバムからボーカルが交代になり、リッチーブラックモア率いるレインボーの元ボーカリスト、グラハム・ボネットがボーカルとして迎え入れられました。
グラハム・ボネットは、このアルバム一枚でMSGを脱退してしまいますが、今後も名ギタリスト兼名ソングライターと組むことによって、数々の名作を生みだしていきます。
グラハム・ボネットの声域は広く、高音域はがなるような歌い方をしますが、表現力のある歌声で楽曲に様々な変化を与えています。
ハードロックの特徴として、印象的なギターリフをサビまで引っ張っていく傾向が見受けられますが、この間に使うコードは大体1,2個しかないため、日本のポップスのような抑揚のあるメロディーを作り出しにくいです。
しかし、グラハム・ボネットの広い声域のおかげで、コード展開の少ない曲でも印象的なメロディーをキッチリ入れ込んできています。
マイケルシェンカーの作り出すギターリフは、このアルバムに限らず、よく練られたものが多く存在しますが、ギターリフのカッコよさを際立たせるのは、ギターリフとドラム・ベースといったリズム隊と一体感が生まれる時。
「ASSAULT ATACCK」は、全リズム隊がガッチリと噛み合い、そこから生まれるグルーブがギターリフをより輝かせています。
アルバムには「DANCER」というポップな曲も含まれていますが、アルバム全体的なイメージは、攻撃的でダーク。
どのアルバムよりもメロディーや曲構成にこだわって作られたように感じる「ASSAULT ATTACK」は、マイケルシェンカー全身全霊の作品だったと思います。
まとめ
数あるマイケルシェンカーのアルバムの中には、まだまだたくさんのおすすめ曲があるのですが、アルバム全曲を通して、ギターリフ、ギターソロ、歌メロの全てに異彩を放っているアルバムは、これだけだと思います。
ノリ重視でなく、メロ重視の方は、是非このアルバムを聴いてみてください。