レコードプレイヤーを買ってある程度経つと、カートリッジを交換して音の違いを楽しみたいと思われる方も多いと思います。やったことのない方はどんな手順で何をするのか全く分からないと思うので、ここではそういった初心者の方でもカートリッジ交換が出来るよう解説します。
そもそも自分のレコードプレイヤーにどの針が付けられるのか?カートリッジ?ヘッドシェルって何?といった針交換の基礎が分からない方は別記事に書いていますのでそちらを参照してみてください(記事はこちら)。
レコードカートリッジ交換の手順と注意事項
カートリッジ交換作業に必要な工具を用意する
作業に入る前に必要な工具を用意しましょう。
【必要な工具】
- ラジオペンチ
- 定規
- マイナスドライバー
マイナスドライバーはネジに合う大きさのモノかあらかじめ確認しておいてください。作業しやすいよう、ヘッドシェルはトーンアームから外しておきます。
作業工程(手順)はこんな感じになります。
- オーバーハングの測定(確認する)
- 旧カートリッジの取り外し
- 新カートリッジに付け替え
オーバーハングの測定
オーバーハングとは、トーンアームをターンテーブル中央まで持って行った時のスピンドル(LPレコードを刺す突起物)の一番高いところから針先までの距離のこと。レコードプレイヤーの取説にはその値が書いてあると思います。私のレコードプレイヤーには16㎜との記載がありました。
ただ、この状態で計るのは大変なので、一旦ヘッドシェルを外し、ヘッドシェルの付け根から針先までの距離を測ることによってオーバーハングの調整が出来ます。以下の写真で言うとヘッドシェルの付け根とは黒いリングの始まりの部分。私のレコードプレイヤーの場合は、ここの距離も取説に書いてありますが、実際計った距離と同じ50mmでした。計り終わったらこの距離をメモしておいてください。
旧カートリッジの取り外し
まず、2本のネジをマイナスドライバーではずします。この時、ワッシャーやナットを落として失くさないよう注意してください。
次に、リード線を外します。リード線の先端はカートリッジのピンを包むようにハマっています。この先端をラジオペンチで軽く挟んで左右に回しながら少しずつ引っ張っていくと外れます。ラジオペンチでなくピンセットだと挟む力が弱くてやりづらいと思うので、やっぱりここで使う工具はラジオペンチの方がいいです。ただ、力加減を間違えるとカートリッジのピンを折ってしまったりする危険があるので要注意。ここはゆっくり慎重に。
新しいカートリッジに付け替える
最初にリード線をカートリッジに繋ぎます。カートリッジの取扱説明書にどの色のリード線をどのピンに繋ぐか書いてあるので、よく確認しておいてください。
リード線の先端をラジオペンチで軽くつまんでピンに少し差し込んだら、カートリッジをリード線に向かって押します。ラジオペンチで挟んだ方をカートリッジに向かって押し込もうとすると、力が入ってピンとリード線の先端を挟み込んでしまい、なかなか奥まで入っていかないと思います。
次にヘッドシェルとカートリッジをネジで仮止めし、最初に計ったオーバーハングの位置に針先を合わせます。位置が決まったらキッチリとネジを締めていくのですが、2本のネジの位置が左右でズレやすいので、ヘッドシェルとカートリッジが平行になるよう注意しながらネジ止めしていってください。これで交換作業は終了です。
まとめ
カートリッジ交換をする場合、ちょっと値段は高くなりますがヘッドシェル付きカートリッジを買えばヘッドシェルの抜き差しだけで交換できるので、これが一番ラクです。ただ、手を煩わすアナログというものにレコードの魅力を感じているのなら、自分の手でいくつかの工程を経てカートリッジ交換をすることで、より自分のレコードプレイヤーやレコードというモノに愛着が湧くと思います。
カートリッジ交換は細かい作業が続きますが、時間のある時にじっくりやってみてください。