【解説】レコード針の選び方と交換互換性について~初心者のギモンを解決!~

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レコード針の交換したいんだけど

どうやって選べばいいのかな?

カートリッジ?ヘッドシェル?

さっぱり分からん💦

レコード針の交換。長年レコードに親しんでいる方にとっては何ってことないことですが、初心者にとってはちんぷんかんぷん。ここでは初めてレコード針の交換をしたいと思ってる方、かつてレコードを楽しんでいたけどあんまりよく分からないという方に向けて、レコード針の選び方・互換性・交換の仕方などについて解説します。

 

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レコード針の選び方・互換性

レコード針交換ってどの部分を買えばいいの?

はじめにレコード針のパーツについて解説します。レコード針を買おうと思った時、交換針(スタイラスとも言う)だけを買う、カートリッジ(ボディ+交換針)で買う、ヘッドシェルごと買うといった3パターンがあります。

 

価格はパーツが少ないほど安いので、交換針<カートリッジ<ヘッドシェル付きといった具合に高くなります。例えば、AmazonでオーディオテクニカのAT-VM95Cという製品を見てみると、

  • 交換針のみ:3,080円
  • カートリッジ:5,390円
  • ヘッドシェル付き:8,798円
    ※2023年2月下旬現在

ただ、どのレコードプレイヤーでも3パターンから好きなものを選べるわけではありません。

 

レコード針の互換性・適合性

自分のレコードプレイヤーは上記の3パターンの内、どれが選べるのかを知るために、まず、アームの形を見てください。まっすぐ(ストレート)か、曲がっている(S字 or J字)か?

 

アームがまっすぐの場合

アームがまっすぐ(ストレートトーンアーム)の場合の多くは、アーム・カートリッジ・ヘッドシェルが一体となっていて外せるのは交換針の部分だけなので、基本的にはレコードプレイヤーの取扱説明書に記載されている型番の交換針、もしくは型番違いの互換性のある針にしか交換できません。

中にはDENON DP-300FKのようにヘッドシェル・カートリッジの取り外しが出来るモデルもありますが、ヘッドシェルがちょっと曲がった特殊な形状をしているため、ユニバーサルヘッドシェル(※後述)は使えません。ストレートアーム用のヘッドシェルもありますがかなり種類は少ないと思われるため、基本的にはヘッドシェルはプレイヤー付属のモノを使って、カートリッジか交換針の交換という形になります。カートリッジはユニバーサルヘッドシェルで使用するカートリッジを使うことが出来ます

アームが曲がっている場合

アームがS字やJ字に曲がっているものをユニバーサルトーンアームと言い、先ほどお話しした3パターンの交換全てに対応しています。Amazonなどの通販サイトでよく見かけるまっすぐな形状、取り付け部分に上下左右の4ピンのあるヘッドシェルはこのアームと互換性のあるユニバーサルヘッドシェルで、各メーカーから発売されているたくさんの商品から選ぶことが出来ます。

 

中にはオルトフォンの「Concord」シリーズのようにヘッドシェルとカートリッジが一体になって外れない特殊なモノもあります(交換針は外せます)。

 

交換針はどのカートリッジにも付けられるという訳ではありません。例えばDENONの交換針をオーディオテクニカのカートリッジにつけようとしても嵌りません。ただ、カートリッジの中には同メーカーでシリーズ化されている製品があって、例えば、オーディオテクニカだったら、AT-VM95C、AT-VM95E、AT-VM95EN、AT-VM95ML、AT-VM95SHというVM95シリーズというのがあって、これらはカートリッジが共通なので、AT-VM95Cを最初に買って後からAT-VM95SHに交換したいと思ったら、カートリッジごと買わずに交換針の変更だけで済みます。

 

 

MM型、MC型、VM型?どれ買ってもいいの???

カートリッジは発電の仕組みの違いからMM型とMC型に大別されます。その他、VM型、MP型というのもありますが、この2つはMM型の一種なのでMM型のカートリッジとして取り扱えます。カートリッジ交換が可能なヘッドシェルならどの型でも取り付けることが出来ますが、MC型を使う場合は注意が必要です。

【MC型の特徴】

  • MM型よりもレコード盤から拾い上げる音の情報量が多い(高音質)
  • MM型よりも値段が高い
  • 高い増幅率を要するため、MM型のカートリッジが標準で付いているレコードプレイヤーに取り付ける場合はフォノイコライザーだけでは足りず、別途MC昇圧トランスなどの機材が必要
  • 構造上、交換針とボディは一体化しているため、交換針だけ買うということは出来ない

ということで、MC型は初心者にとってちょっと敷居が高いので、最初はMM型であれこれ試してみることをお勧めします。

 

 

レコード針の交換の仕方

ヘッドシェルの交換

レコード針交換の中で一番簡単で安全なのが、ヘッドシェル付きレコード針を買ってヘッドシェルごと交換することです。ヘッドシェルはロックナットをくるくる回すだけで簡単に脱着できます。

 

交換針の交換

次に簡単なのは交換針のみの交換。交換針の取り外し・取り付け方はメーカー等のよって異なります。斜め下に引っ張るだけ、一度真下に引いてから斜め下に引っ張るなど。これは取説を参照してください。作業自体は簡単です。ただ、針に手が触れないよう注意。針カバーを付けたまま着脱できるならカンチレバー(※後述)を折ったりしないよう、カバーをして作業した方がいいです。

 

カートリッジの交換

レコード針交換の中でこれが一番やっかいです。作業工程がいくつかあり作業自体も細かいので、あんまりこういった作業に自信のない方は避けた方がいいかも。でも、今後もレコードと付き合っていこうと思われてる方は是非チャレンジしてみてください。具体的なやり方は別記事で解説します(記事はこちら)。

 

 

レコード針の価格差

レコード針の価格の違いはナニ?

レコード針は数千円のものから数十万円するものまでかなり幅広くラインナップされています。何が違うのかというと、

  • 針先(スタイラスチップ)の構造
  • 針先の形状
  • カンチレバーの質
  • カートリッジの質
  • ヘッドシェルの質
  • リード線の質 …etc

 

針先の構造

針先は一部が金属で先端のみダイアモンドの接合針、全部がダイアモンドの無垢針があって、価格は無垢針の方が高くなります。

針先の形状

針先の形状は大雑把に言うと、①丸針②楕円針③ラインコンタクト針(シバタ針・マイクロリニア針)といったものがあり、①から③に行くほど針先は鋭角になるのでレコードの溝との接地面が増え、より多くの情報を拾うことが出来ます。価格も①から③に向かって高くなっていきます。

よって、情報量という意味では③がベストですが、レコードをスクラッチするDJ用途では音飛び、カートリッジの破損、レコード盤面の高負荷を避けるため、丸針が採用されています。

 

 

まとめ

最後に初心者に向けたレコード針交換についてまとめておきます。

  • ストレートアームを採用した比較的安価なレコードプレイヤーはメーカー指定の交換針のみ
  • ユニバーサルトーンアームの場合は交換針・カートリッジ・ヘッドシェル付きの3パターンから選べる
  • VM型、MP型はMM型の一種
  • MC型は別途増幅装置が必要
  • 針先の形状(丸針・楕円針・ラインコンタクト針)も音質を大きく左右する

 

初心者の方で他メーカーのレコード針を使ってみたいと思われている場合は、ヘッドシェルごと交換した方が一番簡単で確実です。でも、これからレコードにハマっていきたいと思うならカートリッジ交換に是非チャレンジしてみてください。初めは練習みたいな感じで各社のエントリーモデルから手を付けるといいんじゃないかなって思います。

それと、もし、あまりに古いレコードプレイヤーで交換針が見つからない場合、歴史あるレコード針制作メーカーのJICOが互換性のあるレコード針をラインナップしているのでチェックしてみてください。ラインナップにない場合でも相談してみるといいと思います。

では、楽しいレコードライフを!

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