今回のハードロック名盤として紹介させていただくのは、RIOT(ライオット)というバンドの6thアルバム「THUNDER STEEL」(サンダースティール)。
80年代のハードロックファンの方には、おなじみのアルバムだと思います。
「THUNDER STEEL」は、いわゆるメロディックスピードメタルアルバムですが、そんじょそこらのメロディックスピードメタルとは違って、メロディーやアレンジなど超個性的。
これからハードロックを聴いていきたいと思っている方には特におすすめのアルバムです。
RIOTとアルバム「THUNDER STEEL」について
RIOTの音楽性
RIOTは、ギタリストのマーク・リアリをリーダーとする1975年に結成されたアメリカのバンド。
原則ツインギターですが、ギタリストはマーク・リアリ一人の時もありました。
マーク・リアリは病気により2012年に亡くなりましたが、バンド名をRIOT V(ファイブ)と改名し、残ったメンバーによって、現在(2020年)も活動を続けています。
RIOTの音楽性は、この6thアルバム「THUNDER STEEL」を境に変化。
便宜上、「THUNDER STEEL」より前を前期、「THUNDER STEEL」以後を後期をして、以下記載します。
前期はハードなロックンロールという感じでしたが、後期以後はメロディックスピードメタルを基調とするバンドになりました。
前期でも曲によっては、ギターが哀愁を帯びたフレーズを奏でることも多く、ノリの良さと相まって、人気を博したものでした。
アルバム「THUNDER STEEL」について
収録曲
- Thunder steel
- Fight Or Fall
- Sign of the Crimson Storm
- Flight of the Warrior
- On Wings of Eagles
- Johnny’s Back
- Blood streets
- Run for Your Life
- Buried Alive (Tell Tale Heart)
「THUNDER STEEL」の特徴
「THUNDER STEEL」は1988年に発売されたアルバム。
古くからRIOTを知っている方々にとっては、今までのRIOTのアルバムと全く違うメロディックスピードメタルのオンパレードに、
別のバンド?
なんて思った方も多いと思います。
収録曲の半分はツーバスを使用したスピーディーな曲で構成されていて、そのバスドラムは連打一辺倒ではなく、あたかもメロディーを奏でるかのような色々なリズムパターンを駆使しています。
「THUNDER STEEL」は、トニー・ムーアというハイトーンを得意とする新ボーカリストにより、曲のメタリック感を強めています。
アメリカのバンドでありながら、ドイツのバンドのような哀愁感のあるギターソロや、歌メロを重視した曲作りがなされています。
このアルバムの一番の特徴は、印象的なキメフレーズ、曲中のテンポの変化にあります。
普通なら始めの勢いを保ったままサーっと曲は流れて行っておしまいという感じですが、このアルバムに収録されている曲の多くには、必ず耳につくフレーズなどのしかけが散りばめられています。
しかもそれはくどすぎず、ちょうどいい具合で…という感じで。
まとめ
この「THUNDER STEEL」というアルバムは、全体的に音のバランスがとれており、ごちゃごちゃした感じがなく、メロディックスピードメタルの中でも聴きやすく、爽快感があります。
80年代のメロスピの取っ掛かりとして、まだ聴いたことのない方は是非聴いてみてください。
次作の「The Privilege of Power」は、トランペット等のホーンセクションを導入したことにより、
メタルにトランペットなんて合わない、ダサい!
と評価が賛否両論でしたが、個人的にはこの実験的に導入されたホーンセクションがヘビーメタルの金属感を助長し、より切れと迫力を増した超名盤だと当時から思っていました。
「THUNDER STEEL」の後に、ぜひ「The Privilege of Power」もどうぞ(^^♪