2017年4月29日に、サトレックス(SATOLEX)よりハイレゾ対応の銀製ハウジング「SATOLEX Tubomi Sterling Silver(DH310-A1SS)」が発売されました。
サトレックスというと、安価で音質の良いノリノリイヤホンというイメージがありますが、この「SATOLEX Tubomi Sterling Silver」は、2万円台という価格のフラッグシップモデルとなっています。
今回は、このサトレックスのフラッグシップイヤホンの音が気になったので試聴してきました。
なお、基本的な装着感や付属のイヤーピース等のレビューについては、以前レビューしたサトレックスイヤホンの記事の部分に記載していますので、そちらも参照してみてください。
SATOLEX Tubomi Sterling Silver(DH310-A1SS)レビュー
Tubomi Sterling Silverの見た目
輝きの美しいシルバーの本体で、手にしてみるとズシッと重みを感じます。
LRの区別は、本体にプリントされている文字で判断する感じです。
ブーツ(イヤホン本体から出ている黒いチューブの部分)に、LRを区別するためのドットはありません。
イヤホン本体から分岐点までのコードの質感は、下位モデルのそれと変わらない感じです。
分岐点からイヤホンジャックまでのコードは、タコ糸を編んだのような質感で、非常にしっかりしている感じでした。
コードスライダーはついていません。
Tubomi Sterling Silverの音質
試聴に使用したDAPは、SONY NW-ZX2で、音響エフェクト等は全てオフの状態です。
試聴曲には、80~90年代のflac音源を中心に使用しました。
全体的な音の印象
まず、全体的な音質の印象ですが、低音は強いが、どの音もしっかりと聴こえるという、これまでのサトレックスイヤホンと同傾向の音です。
低音はかなり強めですが、バスドラムとベースはきちんと分離し、それぞれがハッキリと聴こえます。
中高音も低音にマスクされず、ハッキリと聴こえます。
解像度は非常に高いですが、解像度の高さをアピールするために、バックで鳴っている細かい音を、無理に前に出すような不自然さは感じませんでした。
音色は明るめで、中高音に煌めきと艶を感じます。
音のエッジ(輪郭)はキツくなく、柔らか目の聴きやすい音質です。
音場は、聴く曲によって若干印象が変わりますが、基本的には左右上下ともに広めです。
音の余韻が果てしなく左右上に拡散していく感覚があり、音の詰りは感じませんでした。
ただ、顔面を中心として音場が広がっているというよりは、耳から上の方で音場が広がっている感じがしました。
奥行きはあまり感じられず、顔面近くで音が鳴っている感じです。
曲別の印象
斉藤由貴「卒業」(アルバム「AXIA」)ですが、この音源は、初版CDのもので、音が硬めで、聴くイヤホンによってはシンバルが耳に付き、ボーカルのサシスセソが耳に刺さります。
Tubomi Sterling Silverでは、シンバルの音はキツくなく、気持ちの良い金属音でした。
ボーカルは刺さりはしませんでしたが、若干サシスセソの部分で、耳にふっと息を吹きかけられるような感覚はありました。
岡田有希子「Love Fair」(アルバム「ザ・プレミアムベスト」)ですが、この曲は、バッキングシンセのキレと低音の強さを調べるために使用しました。
Tubomi Sterling Silverでは、シンセの音はキレがあり、存在感のある音を聴かせてくれました。
バスドラムのキックとベースの主張は強く、ボーカルよりも若干主張してくる印象でした。
BABYMETAL「ギミチョコ!!」(アルバム「BABYMETAL」)は、ギターの重さとバスドラムのキレをチェックするために使用しました。
Tubomi Sterling Silverでは、左右に振られたギターバッキングの音は重く迫力がありました。
バスドラムのキックにはキレがあり、この曲特有の迫力とキレを満喫できました。
その他、Winkの「淋しい熱帯魚」や「ワン・ナイト・イン・ヘヴン~真夜中のエンジェル」等を聴きましたが、力強い低音と全体的なキレがあり、ボーカルも艶やかで非常に楽しく聴くことが出来ました。
まとめ
「SATOLEX Tubomi Sterling Silver(DH310-A1SS)」は、極力不快な音を出さないギリギリのところで、究極に音楽を楽しめるイヤホンを目指して作られたような印象を受けました。
ポップスやロックを中心とした音楽を分析的というより楽しく聴きたいと思われている方には、一押しのイヤホンです。