画像引用元:Qualcomm公式サイト
最近、ワイヤレス(Bluetooth)イヤホンを見ていると、「SnapDragon Sound対応」とか「aptX Lossless」といったワードをよく目にします。
LDACとaptX Adaptiveが最高音質じゃないの?
もうなんだか訳が分からん
技術の進歩は日進月歩。ということで、ここではSnapDragon Sound、aptX AdaptiveとaptX Losslessの関係について解説したいと思います。
SnapDragon SoundとaptX Adaptive Losslessについて
aptX AdaptiveとaptX Losslessの違い
まず、Bluetoothコーデック。BluetoothコーデックとはBluetoothで音楽をイヤホン・ヘッドホンに転送するプログラムのことで、どのPC・スマホにもSBCという形式のものが標準搭載されています。
より高音質で転送できるのがApple製品に搭載されているAAC、アンドロイド端末に搭載されているaptX。さらにハイレゾ相当の音質で転送できるのがSONYが提唱するLDAC、Qualcomm(クアルコム)のaptX HD。
そして、aptX Adaptive。aptXにはいくつか種類があって、まず標準のaptX、aptX HD(オーディオの高音質化)、aptX LL(低遅延)、aptX Voice(通話の高音質化)。aptX Adaptiveはその中のaptX HDとaptX LLを統一し、ただ統一しただけでなくより低遅延で高音質にチューニングしたコーデック。
aptX Adaptiveリリース当初はオーディオ音質に関しては48kHz/24bitだったんですが、Qualcomm社製SoC(システムを動かす半導体チップ)「Snapdragon 865」以降の製品では伝送レートを620kbpsまで高め、最高96kHz/24bitの音質に対応したため、使うスマホによってaptX Adaptiveで接続したとしても最高音質は異なります。
で、新しいaptX Lossless。このコーデックを使うことによってオーディオをCDレベル(16bit/44.1kHz)でロスレスで転送できます。これはaptX Adaptiveの拡張機能で、スマホに接続した時はaptX Losslessでなく、aptX Adaptiveと表示されます。
これまでのaptX Adaptiveでハイレゾ相当の48kHz/24bit、もしくは96kHz/24bitの転送が出来るから、16bit/44.1kHzのaptX Losslessって何の意味があるの?数値的には劣化してるじゃんって思うかもしれません。
これまでのaptX Adaptiveと新しくリリースされたaptX Losslessの違いは圧縮形式にあります。aptX Adaptiveは「非可逆圧縮」、aptX Lossless「可逆圧縮」。非可逆圧縮は聴覚の特性に合わせて音を選択し圧縮する方法。圧縮時にデータの一部が欠損し、その欠損したデータはイヤホンの転送されても元に戻せないので、元の音源データとは完全に一致しません。なので、aptX AdaptiveやLDACは「ハイレゾ相当で転送」と表記されています。
対するaptX Losslessは言葉の通りのロスレス転送。データを全く間引くことなく圧縮し転送します。ただ、転送するデータ量が膨大なため、現時点ではCDレベルの16bit/44.1kHzまで。
今後の技術進化でハイレゾスペックのロスレス転送が出来る日が来るのはそう遠くないかもしれません。
SnapDragon Soundとは?
SnapDragon Soundとは、aptX Adaptive、aptX Voice、aptX LosslessなどaptXにおける最高のワイヤレス転送技術をパッケージ化したもの。今、AV機器については「SnapDragon Sound対応」という言葉がトレンドになっているので、対応機種ではそういった表記があると思います。Qualcommのホームページにも対応機種が掲載されていて随時更新されています。
つまり、ガジェットに「SnapDragon Sound対応」って書いてあったら、現時点における超低遅延の最高音質で通話・音楽鑑賞が出来ますよってこと。
aptX Losslessは16bit/44.1kHzの可逆式と24bit/96kHzの非可逆式を選択する事が出来るので、Snapdragon Soundに対応機器なら聴き比べしてその音質の違いを体感してみてください。
終わりに
ということで、出来るだけ分かりやすく解説したつもりですがお分かりになったでしょうか?ガジェット関係の進化のスピードって速いですよね。いつの間にか新しい機能が搭載されていて、気づいたらもう何のことやら。これからもどんどん技術が進化していくと思いますが、AV機器は好きなので出来るだけついていけるようガンバリマス。