今回、ハードロック名盤として紹介させていただくのは、WOLF HOFFMANN(ウルフホフマン)のソロアルバム「CLASSICAL(クラシカル)」。
クラシックの名曲をハードロックバンドACCEPTのギタリスト ウルフホフマンが弾いたインストソロアルバムですが、単なるギター弾くまくりのアルバムではなく、ウルフホフマンの絶妙なアレンジがクラシックとハードロックの長所を最大限に生かしており、ここまで完成度の高いインストアルバムはそう見当たりません。
ウルフホフマンと「CLASSICAL」について
ウルフホフマンとは
ウルフホフマンは、スコーピオンズと同郷のドイツの誇るヘビーメタルバンドACCEPTのギタリストです。
ACCEPTは1979年にデビューして以来、2度の解散、再々結成を経て、現在も活動しています。
ACCEPTの音楽は、ジューダス・プリーストのようにパワーのあるボーカル、スピード感のあるリズム、ザクザク刻むギターという典型的ヘビーメタルサウンド。
ウルフホフマンのギターサウンドの特徴
ウルフホフマンの特徴は、ギターソロが非常にメロディアスということ。
曲によっては、ギターソロが始まると別のバンド?と思えてしまうものもあります。
その典型的な曲がアルバムタイトル曲である「METAL HEART」という曲。
この曲はミドルテンポの重いヘビーメタルですが、間奏になるとウルフホフマンは「エリーゼのために」のメロディーを弾き始めます。
こういった感じで、ウルフホフマンはアドリブで弾きまくるのではなく、1音1音を大切にメロディーを構築していくタイプのギタリストと言えます。
アレンジの手法やギターの弾き方は、マイケルシェンカーやリッチーブラックモアに似ている部分も多く、あたかも彼らがタッグを組んでいるかのような錯覚に陥ることも。
「CLASSICAL」収録曲とアルバムの雰囲気について
<収録曲>
1. 「カルメン」~前奏曲(ビゼー)
2. 山の魔王の宮殿にて (グリーグ)
3. ハバネラ (ビゼー)
4. アラビアの踊り (チャイコフスキー)
5. モルダウ (スメタナ)
6. ボレロ (ラベル)
7. エリーゼのために (ベートーヴェン)
8. 「カルメン」~間奏曲 (ビゼー)
9. ソルヴェイグの歌 (グリーグ)
10. ウェスタン・スカイ (ウルフ・ホフマン)
11. 威風堂々 (エルガー)
「CLASSICAL」は、ACCEPTが2度目の解散をした時期の1997年に発表されました。
全曲クラシックをハードロックにアレンジしたインストアルバムで、これ程ハードロックギタリストのソロアルバムでクオリティーの高いアルバムはなかなかないと思います。
ギタリストのソロアルバムは、大抵弾きまくりか、
ソロでやる必要あるの?
というものが多いですが、「CLASSICAL」はソロだから出来たウルフホフマンの渾身作。
ハードロックとクラシックを融合したアーティストはたくさんいますが、ハードロックに寄り過ぎたりクラシックに寄り過ぎたりと、聴いていて「ちょっと違うんだよな~💦」なんて思うことがしばしば。
「CLASSICAL」のクオリティが高いという所以は、ニュートラルな位置に立ったアレンジをしていること。
そして、クールとパッションを場面に応じて使い分けるウルフホフマンの感情表現も勇逸。
とにかく美しいメロディーが、時はカッコよく、時には悲し気にアルバム全編に響き渡ります。
現在活動中のACCEPTのアルバムも、ウルフホフマンの哀愁のギター満載なので合わせて聴いてみてください。
まとめ:ウルフホフマンのソロアルバム
その他、2016年7月1日に19年ぶりとなる久々のウルフホフマンのソロアルバム「Headbangers Symphony」もリリースされています。
「CLASSICAL」と同系のアルバムですが、今作品はオーケストラも加わるので、まるでレインボーが武道館公演で演奏した「DIFFECULT TO CURE」のような感じになっているので、こちらもおすすめです。