前回は、メロスピについて書きましたが、今回はMEGADETHからの広がりを書いてみたいと思います。
私はスラッシュメタルが苦手でしたが、MEGADETHをきっかけにスラッシュメタルに対する抵抗感が薄れてきました。
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ハードロック名盤巡りの旅 Part6
MEGADETH
色々なハードロックを聴いてハードロックが好きになってきた頃、友人からスラッシュメタルなるものを聴かされました。
多くのジャケットは血なまぐさく、ドクロが描かれたりしてしていました。ホラー映画は好きだったので、こういったジャケットに抵抗はなかったのですが、その音楽は苦手でした。
何のバンドを聴いたのか覚えていませんが、その音楽は、ドラムが高速でドッタンドッタンと鳴り、メロディーやハーモニーが感じられない胸がムカムカするような叫び声…
昭和歌謡が好きだった私にとっては、非常に抵抗がありました。
しかし、その考えを覆すようなアルバムに出会いました。それはMEGADETHの「RUST IN PEACE」というアルバムでした。
ただ、初めて聴いた時は、このアルバム全曲が良いと思ったわけではありません。
正確に言うと、スラッシュメタルに初めて興味を示したのは、このアルバムの「HANGAR 18」という曲でした。
スラッシュメタルをあまり意識させない曲調、カッコいいギターリフ、ボーカルもそれほど吐き出すような声ではない、高速でワンパターンなリズムでなく展開のある曲構成、所々に和を感じさせるギターのフレーズ…いいじゃん!スラッシュメタルも色々あるんだネ!!なんて思いました。
それからこのアルバムをよく聴くようになり、アルバムを通して好きになりました。
MEGADETHのギターリフは高速で複雑なものが多く、他のバンドには見られない強いオリジナリティーを感じました。
MEGADETHのリーダーは、ギター兼ボーカルのデイヴ・ムスティンですが、ライブのビデオを見たとき、どうしてこんなに複雑なギターバッキングフレーズを弾きながら歌うことが出来るのだろうと感心してしまいました。
MEGADETHはデイヴ・ムスティンの性質等が原因で、他のメンバーは流動的ですが、この「RUST IN PEACE」の時のもう一人のギタリストは、マーティー・フリードマンでした。
私がMEGADETHを好きになったのは、攻撃的な曲の中に一瞬流れるマーティー・フリードマンの奏でる和のフレーズも大きな要因の一つでした。
これを機に、「COUNTDOWN TO EXTINCTION」や「YOUTHANASIA」といったアルバムも購入するようになりました。
特に、「COUNTDOWN TO EXTINCTION」は、リズムがものすごくタイトで、重く、心地が良くて「RUST IN PEACE」よりも気に入りました。
この「COUNTDOWN TO EXTINCTION」の中でも、どちらかというとスラッシュっぽくない「THIS WAS MY LIFE」に心魅かれました。
ドラムのインタビュー記事を読んだ時、「COUNTDOWN TO EXTINCTION」はデイヴ・ムスティンがリズムとタイトにしたいということで、メトロノームを使用して、リズムを刻まなければならず、奴はクレイジーだ!みたいなことが書いてありました。
BOSTONのトムシュルツもそうですが、こういった完璧主義者の作るアルバムは、関わる人間は大変だと思いますが、聴き手にもその熱意が十分伝わってきて、唯一無二のアルバムに仕上がっていると思います。
マーティー・フリードマンを追ってみた
マーティー・フリードマンの和のフレーズが気に入ったので、マーティー・フリードマンを追って、まず過去に在籍していたCACOPHONY(カコフォニー)というバンドの「Speed Metal Symphony」というアルバムを購入しました。
このバンドはマーティー・フリードマンとジェイソン・ベッカーという2人の速弾きギタリストをフューチャーしたバンドでした。
その次に、マーティー・フリードマンのソロアルバム「DRAGON’S KISS」や「SCENES」、「INTRODUCTION」等を購入しました。
マーティー・フリードマンは日本が好きで、日本の演歌のこぶしをギターで再現できるよう色々研究したようです。
どのアルバムにもマーティー・フリードマンの和を意識したフレーズが入っており、特に「SCENES」に収録されている「REALM OF THE SCENES」という曲は、女性の日本語の語りから始まるゆったりとした雅を感じる和風の曲で、マーティー・フリードマンって本当に日本が好きなんだな~と思いました。
私のようにマーティー・フリードマンの和の旋律を気に入られた方は、そのアルバムの中では、やはり「SCENES」がおすすめです。
私はギターをやっていたので、マーティー・フリードマンのギター教則ビデオも購入し、そのスケールを勉強しました。
ジェイソン・ベッカーを追ってみた
CACOPHONYのもう一人のギタリストであるジェイソン・ベッカーは、マーティー・フリードマンのような和の旋律を弾くわけではありませんが、イングヴェイ・マルムスティーンのような美しい旋律を奏でるギタリストで、私好みだったため、ソロアルバム「PERPETUAL BURN」を購入しました。
1曲目の「ALTITUDES」で泣き泣きのギターフレーズを弾きまくり、少しゲーリー・ムーアを感じさせるようなそのスタイルが気に入りました。
ジェイソン・ベッカーがデヴィッド・リー・ロスバンドに加入してアルバムをリリースししたので、その「A Little Ain’t Enough」というアルバムを購入しました。
中でも「IT’S SHOWTIME」という曲が、ヴァン・ヘイレンの「HOT FOR TEACHER」に雰囲気が似ていて大変気に入りました。
その後もジェイソン・ベッカーを追っていこうと思いましたが、彼はALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、筋力の減退により、「A Little Ain’t Enough」のアルバムレコーディングを最後にシーンから消えてしまいました。
その後、ギターパートを他のギタリストにお願いして作られた「PERSPECTIVE」というアルバムも購入しました。難病に侵されながらも、希望をもって創作意欲をもっている彼を応援したい気持ちでした。
MEGADETH以外で購入したスラッシュメタルのアルバム
ANNIHILTOR
私はMEGADETHの一風変わったスタイルのスラッシュメタルが気に入ったので、MEGADETHに似たようなバンドを探し始めました。
その中で最初に出会ったのが、ANNIHILATOR(アナイアレイター)というバンドでした。
ANNIHILATORのアルバムは、「SET THE WORLD ON FIRE」から始まり、「BAG OF TRICKS」、「KING OF THE KILL」等のアルバムを購入しました。
ANNIHILATORはギタリストのジェフ・ウォーターズのソロプロジェクト的なバンドです。
ジェフ・ウォーターズのギターは重く、ザクザクした非常に気持ちのいい音質です。
ギターはソロのみならず、リフ自体にもメロディーがある感じで、かつ信じられないぐらいリズムがタイトで人間の限界を感じるほどの正確さです。
アルバムの中にはスラッシュを全く感じさせない、ひずみのない美しいギターアルペジオで演奏される曲もあり、MEGADETH同様、強いオリジナリティーを感じたバンドです。
その他
その他、スラッシュの流れで購入したのは、TESTAMENTの「SOULS OF BLACK」、SAVATAGEの「GUTTER BULETT」「STREETS A ROCK OPERA」など。
SAVATAGEは厳密にはスラッシュメタルではないと思いますが、怪しげで重いギターリフと若干叫ぶような歌声に、MEGADETHのようなスラッシュの雰囲気を感じて購入しました。
購入はしませんでしたが、友人からCDを借りて、METALLICAの「AND JUSTICE FOR AL」や、通称「BLACK ALBUM」も聴きました。
METALLICAに関しては、バスドラムの音が気に入りました。
私の好きなコージーパウエルのバスドラムの音は、どちらかというとボンボンという感じですが、METALLICAのバスドラムの音は、アタック音を強調したペチャペチャという感じで、この今まで聴いたことのないバスドラムの質感に惹かれました。