前回はMEGADETHから聴き始めたスラッシュメタルについて書きましたが、今回はEUROPE、PRAYING MANTIS等のポップでキャッチーなメロディーのあるメロディアス・ハードロック(以下メロハー)について書いてみたいと思います。
今回は今までと違って、特定のバンドから広がっていったというよりも、雑誌等で自分の好きそうなバンドを探しまくって見つけたバンドを紹介していく形となります。
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メロハーバンド
メロハーといっても様々な曲調、バンドがあります。こういった中で、私が好きなメロハーは歌メロとギターソロに哀愁の旋律を持つものでした。
私は幼い頃からアニメソングや昭和歌謡曲を聴いて育ったせいか、悲し気な曲調に心惹かれるため、ここで紹介するメロハーはメロディーがキャッチーであっても、楽しくなるようなメジャー調の曲・バンドは出てきませんのであしからず…
EUROPE
友人から初めてEUROPEの1stアルバム「EUROPE(邦題:幻想交響詩)を聴かされた時、喧しくなくてキレイなメロディーのEUROPEが一発で気に入りました。
特に美しいピアノのアルペジオから始まり、ギターソロが印象的な「SEVEN DOORS HOTEL」という曲に惹かれました。
私はプロレスが好きだったので、武藤敬司の入場曲で使用された「THE FINAL COUNTDOWN」は聴いたことがあり、EUROPEの存在は知っていました。
今では、3rdアルバム「THE FINAL COUNTDOWN」は好きですが、当時はキーボードの音がデカすぎ、アレンジが派手なせいか、マイナー調の曲なのに何となく悲しみの美旋律に聴こえない気がして、1stアルバムの方が好きでした。
ジョン・ノーラムを追ってみた
当時は「THE FINAL COUNTDOWN」の仰々しい曲調よりも、ジョン・ノーラムのギターの旋律の方が好きだったので、「THE FINAL COUNTDOWN」後に脱退したジョン・ノーラムを追ってみました。
ファースト・アルバム「TOTAL CONTROL」、セカンド・アルバム「FAITH THE TRUTH」を聴きました。
「ETARNAL FLAME」や「COUNTING ON YOUR LOVE」など、重くてカッコいいリフにマイケル・シェンカーに似た魅力を感じました。
TRIUMPH(トライアンフ)
TRIUMPHは、アルバム「THE SPORT OF KINGS」に収録されている「PLAY WITH THE FIRE」を聴いて興味を持ちました。
この曲に関しては、この直前の曲で「ENBRUIJO」という短いギターインストからの流れが最高に好きです。
ただ、TRIUMPHに関しては、アルバム全体としては、こういったメロハー的な曲は少なく、このアルバムのこの曲が好きといった感じでした。
その他に気に入ったのは、アルバム「JUST A GAME」に収録されている「FANTASY SERENADE」や、アルバム「TRIUMPH」に収録されている「PETITE ETUDE」という短いクラシックギターのインストの曲、アルバム「SURVEILANCE」に収録されている「NEVER SAY NEVER」「HEADING FOR NOWHERE」という曲でした。
PRAYING MANTIS(プレインング・マンティス)
私が初めて聴いたアルバムは「Predator In Disguise」でした。
このアルバムの「CAN’T SEE THE ANGELS」や「TIME SLIPPING AWAY」を聴いて、楽曲がコンパクトで歌メロは歌謡曲のように抑揚があり、ギターのフレーズも口ずさめるような印象的な泣きメロといった具合で、私にはドンピシャなバンドでした。
その後、2009年の「SANCTUARY」まで聴きました。
PRAYING MANTISのアルバムは、全曲が「CAN’T SEE THE ANGELS」のような泣きメロソングという訳ではなく、こういった曲は数曲で、残りはアメリカンハードロックのようなアルバムもあります。
PRAYING MANTISに何を求めるかでアルバムの好き嫌いは分かれると思いますが、もし「CAN’T SEE THE ANGELS」のような、のっけからギターの泣きメロで始まるような曲調がお好きな方なら、5thアルバム「Forever In Time」を聴いてみてください。
個人的には、PRAYING MANTISの曲の中では、先に挙げた「CAN’T SEE THE ANGELS」や「TIME SLIPPING AWAY」が好きです。
8thアルバム「SANCTUARY」もおすすめです。サウンドに重みが加わり、少しROYAL HUNTの雰囲気すら感じさせる仕上がりになっています。
Y&T
このバンドは、「ワイ アンド ティー」と読みますが、かつては「イエスタデイ&トゥデイ」という名称でした。
哀愁漂うメロディーを奏でるバンドの多くは北欧系のバンドでしたが、Y&Tはアメリカのバンドであるにもかかわらず、マイナー調のかなりメロディアスな曲を作るバンドです。
西城秀樹が歌ってもおかしくないようなその曲調は、歌謡曲が好きだった私の琴線に触れました。
アルバム「BLACK TIGER」の「FOREVER」やアルバム「MEAN STREAK」の「MIDNIGHT IN TOKYO」等を是非聴いてみてください。
AXXIS(アクシス)
ドイツのバンドです。私はファーストアルバム「KINGDOM OF THE NIGHT」の「NEVER SAY NEVER」を聴いて、このバンドもTRIUMPH的なメロハーで気に入りました。
ただ、このバンドも、こういった曲は少なく、どちらかというとメロディック・パワーメタル的なバンドです。曲によってはCHROMING ROSEのようなメロスピ的な曲やACCEPTのようなヘビーな曲もあります。
しかし、ボーカルの線が若干細めなので、それほどパワーメタル的な感じは強くないようにも聴こえます。
最初に聴くなら、1stアルバムの「KINGDOM OF THE NIGHT」、2ndアルバムの「AXXIS Ⅱ」辺りを聴いてみてください。
変化球的アルバムとして「UTOPIA」も面白いと思います。
アルバムの曲調はメロディック・パワーメタルですが、切れの良いシンセサイザーが楽曲全体に導入され、時には荘厳、時には摩訶不思議な雰囲気を演出しています。
好き嫌いは別にして、このアルバムは他に類を見ない個性的なアルバムと思います。
北欧メタルと呼ばれるバンド
EUROPEが好きになった時、こういったバンドは北欧メタルというカテゴリーであることを知り、北欧メタルにカテゴライズされるバンドをいくつか聴きました。
BISCAYA(ビスカヤ)
雑誌で紹介されていて、評価が高かったため購入して聴いてみました。
聴いた印象は、EUROPEのような雰囲気ではなく、ジョーリンターナーが在籍していた時のRAINBOWやDEEP PURPLEのような印象を受けました。
たぶん、このバンドの印象は1曲目の「HOWL IN THE SKY」で決まると思います。
ギターソロはRAINBOWの「SPOTLIGHT KID」のような雰囲気を感じます。
MADISON(マディソン)
スウェーデンのバンドです。今まで紹介させていただいた中では、一番EUROPEに近いかもしれません。
私は、ファーストアルバム「Diamond Mistress」とセカンドアルバム「Best In Show」を聴きました。
美メロのバラード、疾走感のあるマイナー調の曲、楽曲の重さを適度にし、爽快感を感じさせるスカッとしたボーカル、キャッチーなギターソロ等々、とても聴きやすいバンドです。
北欧メタルが気に入られたなら、是非聴いていただきたいバンドの一つです。
ボーカルのヨラン・エドマンは、後にイングヴェイ・マルムスティーンのバンドのボーカリストとなります。
ヨラン・エドマン在籍時のイングヴェイのライブを見に行きましたが、イングヴェイは終始目立ちすぎで、申し訳なさそうにステージに立つヨランを愛おしく思いました(*^^)v
FAIR WARNING
ドイツのバンドです。個人的に特に好きなのは3rdアルバム「GO!」で、このアルバムは、私がハードロックからしばらく遠ざかっていた時に聴いたアルバムでした。
このアルバムを聴いたことにより、再び私をハードロックに目覚めさせてくれた、とても熱いアルバムです。
このアルバムは後にも先にもFAIR WARNINGの集大成的なアルバムだと思っています。
サウンド、アレンジなど全てにおいて非常にクオリティーが高く、メロハー好きな方には絶対に聴いていただきたいアルバムです。
ギタリストのヘルゲ・エンゲルゲは元SCORPIONSのギタリストであるウリ・ジョン・ロートのスカイギターという超高音を奏でることが出来る特殊なギターを使用しており、このアルバムでも、超高音の小鳥のささやくような繊細な音を聴くことが出来ます。
「GO!」の1曲目の「ANGELS OF HEAVEN」と2曲目の「SAVE ME」を聴いてみて良いと思ったら間違いなく買い!