RAINBOW「DOWN TO EARTH」レビュー~おすすめ!ハードロック名盤~

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今回は、初めてRAINBOWを聴く方におすすめしたいアルバム「DOWN TO EARTH」と私の好きなRAINBOWのアルバム紹介をしたいと思います。

2016年6月に19年ぶりとなるRAINBOW名義のライブが行われ、その後数公演ではありますが毎年ライブが行われています。

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RAINBOWとリッチー・ブラックモア

RAINBOWとは

RAINBOWとは、リッチー・ブラックモアがDEEP PURPLE脱退後に結成したバンドで、どちらかというと、パーマネントバンドというよりは、ソロプロジェクトに近い感じです。

RAINBOWは基本的に、リッチー・ブラックモアがDEEP PURPLEでやれなかったことをやるという意図で結成されたバンドなので、リッチー・ブラックモアの意向に合わないメンバーは解雇、又は自ら辞めていきました。

1975年から1984年までの活動で一旦解散しましたが、1994年に新しいメンバーで活動を再開し、3年程の活動をした後に、再び解散します。

その後、リッチー・ブラックモアはロックバンドを組むことはせず、ブラックモアズ・ナイト名義でリッチー・ブラックモアとボーカルのキャンディス・ナイトを中心としたアコースティックな民族音楽(民謡)を主体とした活動を続けていくことになります。

2015年にリッチー・ブラックモアは、自身のファンのために、2016年に数回ロックショーを行うことを宣言し、その宣言通り、2016年の6月にドイツとイギリスでライブが行われました。

リッチー・ブラックモアの演奏スタイル

ギタリストのリッチー・ブラックモアの演奏スタイルは、ブルージーなフレーズとクラシカルなフレーズを織り交ぜながら、時には正確に、時には荒々しくギターをかき回すような弾き方をします。

時々、ボトルネックを使用し、フレットレスな音を奏でる時もあります。

ギターリフやギターソロのフレーズには印象的なものも多く、特にギターリフに関しては、低音弦をズンズン弾くタイプではなく、リフ自体がメロディーを奏でているかのようなキャッチーなギターリフを奏でることが多いです。

当初のリッチー・ブラックモアのライブパフォーマンスは、結構派手で、メンバーに合図を送る時の鋭い眼光は、魔法使いのようにも見えました。

私は過去3回のライブでリッチー・ブラックモアを見ました。1回目は、ジョー・リン・ターナー在籍時のDEEP PURPLE、2回目はドゥギー・ホワイト在籍時のRAINBOW、3回目はブラックモアズ・ナイト。

私が見た頃のリッチー・ブラックモアは、あまり派手に動きませんでした。RAINBOWのライブの時は、ほとんど動かず、イチニーイチニーと同じ場所で小さく足踏みをしながらギターを弾くような感じでした。

ブラックモアズ・ナイト時のライブでは、確か最後の曲だったような気がしますが、一曲だけエレキギターに持ち替えて「STREET OF DREAMS」を弾いてくれた記憶があります。

RAINBOWの音楽性

RAINBOW名義でリリースされたアルバムは、ライブアルバムを除くと、全部で8枚。

ボーカルにはそれぞれ個性がありました。

1~3枚目まではロニー・ジェイムス・ディオ、4枚目はグラハム・ボネット、5~7枚目まではジョー・リン・ターナー、再結成時の8枚目はドゥギー・ホワイトがボーカリストでした。ちなみに、2016年のライブ時のボーカリストはロニー・ロメロで、若かりし頃のロニー・ジェイムス・ディオの声に似ています。

どのボーカリストもリリースされるアルバムに非常に合う声の持ち主で、リッチー・ブラックモアは、こういったボーカリスト選びについても長けた感性を持っていると思います。

RAINBOWの音楽性は、ボーカルとしてロニー・ジェイムス・ディオが在籍していた時と、ジョー・リン・ターナーが在籍していた時に大別されることが多いと思いますが、以下、便宜上、ロニーの時を前期、ジョーの時を後期とさせていただきます。

前期は、重々しく、又は攻撃的な…そういったヘビーなイメージがありました。これは、1stアルバム「RITCHIE BLACKMORE’S RAINBOW」の「Man On The Silver mountain」「Catch The Rainbow」、2ndアルバム「Rising」の「Stargazer」、3rdアルバム「lLong Live Rock’n Roll」の「Kill The King」「Gates Of Babylon」等の曲調や2nd・3rdのコージーパウエルのヘビーなドラミングがそういった印象を強めていました。

後期は、歌メロの映えるようなポップスとも捉えかねない軽快なサウンドというイメージがありました。これは、グラハム・ボネット在籍時の4thアルバム「DOWN TO EARTH」の「All Night Long」「Since You Been Gone」や5thアルバム「Difficult To Cure」の「I Surrender」等のキャッチーな曲がよく取り上げられていたためだと思います。

RAINBOWのおすすめアルバム

4thアルバム「DOWN TO EARTH」について

(収録曲)

  1. All Night Long
  2. Eyes Of The World
  3. No Time To Lose
  4. Makin’ Love
  5. Since You Been Gone
  6. Love’s No Friend
  7. Danger Zone
  8. Lost In Hollywood

多くの方は、クラシカルでヘビーな雰囲気の好きな方は2ndアルバム「Rising」、メロディアスな雰囲気の好きな方は5thアルバム「Difficult To Cure」辺りがおすすめという感じかと思いますが、私はRAINBOWの音楽性を知るという上では、この「DOWN TO EARTH」が一番良いと思い、おすすめアルバムとしました。

これまでは、ロニー・ジェイムス・ディオのボーカルとヘビーで、ブルージー&クラシカルといった様式美メタルという路線でした。

このアルバムから、ボーカルがグラハム・ボネットに変更になりました。グラハム・ボネットは、短髪でジェームス・ディーンのようで、このアルバムからシングルカットされた曲は「All Night Long」「Since You Been Gone」といったポップな曲でした。

これにより、RAINBOWに失望感を抱いたファンも多くいたと思います。

しかし、RAINBOWはこのアルバムから急にポップな曲を作るようになったわけではなく、過去3枚のアルバムにもポップな曲は入っています。

もともと、リッチー・ブラックモアがDEEP PURPLEを辞めることになった原因は、リッチー・ブラックモアがDEEP PURPLEで、Black Sheep Of The Familyという曲をやりたいと言って、それを他のメンバーに反対されたことによるものでした。

この曲はポップです。リッチー・ブラックモアは、ABBAも好きだと公言しており、現在のブラックモアズ・ナイトを見ても分かる通り、非常にメロディーを大切にするギタリスト&ソングライターと言えます。

過去のアルバムに収録されていたポップな曲は、他の曲に押されて目立ちませんが、この「DOWN TO EATH」に収録されているポップな曲は、アレンジがより洗練され、他の収録曲と並ぶ出来になっていると思います。

「All Night Long」「Since You Been Gone」のPVでは、ものすごくカッコいいコージー・パウエルのドラミングを見ることが出来ます。ポップ調なのに単なるポップソングにならないのは、コージー・パウエルの重くカミソリのようなキレのあるドラミングも一躍買っています。

基本的に、この「DOWN TO EATH」に収録されている曲は、ポップあり、バラードあり、スピード感の曲あり、ダークな曲ありと過去のアルバムの曲配列と同じです。

特に「EYES OF THE WORLD」という曲は、過去の「GATES OF BABYLON」や「STARGASER」に通ずる名曲だと思います。ちなみに、この曲は、新日本プロレス時代のビッグバンベイダーというプロレスラーの入場テーマ曲で使用されていました。

スピード感のある「Lost In Hollywood」もRAINBOWの名曲の内の一つです。

このアルバムを起点に、ダーク&ヘビーな路線の曲を聴きたい方は、1~3rdアルバムを、胸のすくような秀逸なメロディーを中心に聴きたい方は、「DOWN TO EARTH」以後のアルバムを聴かれると良いと思います。

私の一番好きなアルバム「BENT OUT OF SHAPE」

(収録曲)

  1. Stranded
  2. Can’t Let You Go
  3. Fool for the Night
  4. Fire Dance
  5. Anybody There
  6. Desperate Heart
  7. Street of Dreams
  8. Drinking with the Devil
  9. Snowman
  10. Make Your Move

このアルバムは、RAINBOW再結成を除くと、RAINBOW最後のアルバムです。「GATES OF BABYLON」のような怪しげな曲や、「Man On The Silver Mountain」のようなギターリフの印象的な曲、「STARGAZER」のような重々しい曲は一曲もありません。

ヘタをするとみんな同じような曲に聴こえてしまうかもしれません。

このアルバムの魅力は、今までのRAINBOWの要素(リッチー・ブラックモアのやりたいこと)が、全ての曲の中に少しずつ詰め込まれていることと、アルバム全体を薄っすらと覆っている哀愁。

特に「ANYBODY THERE」や「SNOWMAN」といったインスト曲は、これでRAINBOWは終わり…といった悲壮感を感じずにはいられません。

アルバムを聴くたびにじわじわと体に染み込んでくる感覚は、他のアルバムにはない不思議で強烈な魅力を感じます。

まとめ

リッチー・ブラックモアは非常に優秀なメロディーメーカーで、アルバムによってアレンジやボーカルが違えども、根底に流れるものは同じです。

RAINBOWはそれほど多くのアルバムをリリースしている訳ではないので、出来れば全てのアルバムを聴いていただきたいと思います。

再結成後に唯一リリースされたアルバム「Stranger In Us All」もRAINBOWの全ての要素が詰まった良質な仕上がりになっています。

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