2019年10月26日(土)川崎のクラブチッタにて、ダリオ・アルジェント監督作品のサスペンスホラー映画「シャドー」の上映会とゴブリンのライブがありました。
「シャドー」の上映に関しては、単なる映画上映ではなく、劇中のサントラ部分をゴブリンが生演奏するという大迫力の上映会。
「ザ・ベスト・オブ・イタリアンロック」と題されたこのイベントは、もはやクラブチッタ恒例行事となっていて、2016年は「サスペリア」、2017年は「サスペリアPart2」、2018年は「ゾンビ」の上映&LIVEが行われてきました。
2016~2017年は川崎のクラブチッタ一夜限り、2018年は川崎と大阪の2公演、今年の2019年は10月25日に「サスペリア」のリバイバル公演、10月26日は「シャドー」と、その公演規模は拡大しています。
私は2017年から行き始めてその未体験ゾーンに魅せられ、今回で3回目。さて、今年はどんな様子だったのかレポしたいと思います。
過去のレポは以下のリンクからご覧になってみてください。
【シャドー】2019 ゴブリン生演奏シンクロ上映
チケットについて
チケットは毎年6月末(一般販売は7月初旬)ぐらいに発売されるので、来年行ってみたいと思われる方は是非チェックしてみてください。
今年も価格は据え置きの13,000円。高額ですが特別記念CD付きで特殊な映画上映とLIVEをセットで見ることが出来るので妥当な価格だと思います。
特別記念CDは当日の会場入場時に手渡されます。
当日はチケット代にプラスして1ドリンク代が必要になります。昨年までは500円でしたが、消費税増税の影響か600円に値上がりしていました。
会場の様子
毎回、開場時間の前にグッズ先行販売の時間帯があります。
10月26日の「シャドー」に関しては、16:00開場 / 17:00開演というスケジュールで、グッズ先行販売は14:30~15:45の間で行われました。
会場内にはグッズ売り場が3エリアありますが、グッズ先行販売に関しては上記の写真に写っているオフィシャルグッズ販売エリアのみの物販となっています。
毎年先行販売でグッズを購入すると先着でポスターをもらえましたが、今回はポスターなしでした。
開場後は、全グッズ売り場が解放されます。各エリアでは以下のようなものが販売されていました。
オフシャルグッズエリア(入場口側)
- Tシャツ(3,000円)
- パンフレット(3,000円)
- ラバーキーホルダー(1,500円)※赤いゴブリン図柄
- 特製ワイングラス(2,000円)
CD&レコード販売エリア(オフィシャルグッズエリア脇)
ここには輸入盤等の商品が並んでいます。
アーティスト持ち込みグッズ販売エリア
オフィシャルグッズに加えて以下のモノが販売されていました。
- グローブ(3,000円)
- ピンバッジ(500円)※3種類の図柄
- ワッペン(1,000円)
- DEMONSコミック(CD付き)(5,000円)
- Tシャツ(3,000円)※NEWゴブリンデザイン
会場内の様子ですが、年齢層は例年と変わらず50代前後のリアルタイム世代が多く、その内女性は2割ぐらい、会場後部の3列ぐらいは空いていて、例年に比べると少し来場者が少ない感じでした。
これまで会場内は「サスペリア」を彷彿させる真っ赤なライトで照らされていましたが、今年は緑のライトで覆われていました。
第一部「シャドー」上映&ゴブリンシンクロ演奏
第一部はほぼ定刻でスタート。幕が上がるとスクリーンの下にゴブリンのメンバーがスタンバイしていました。
客席から向かって左にギターのブルーノ・プレヴィターリ、中央にキーボードのクラウディオ・シモネッティとドラムのフェデリコ・マラドーニ、右にベースのチッチリア・ナッポ。
赤いタンクトップを着たセクシーなチッチリア・ナッポに熱い視線が集まっていました。
クラウディオ・シモネッティの「アリガトーゴザイマス」等の挨拶の後に場内は暗転し、上映スタート、すぐさまゴブリンによる「シャドー」メインテーマが大音量で鳴り響きます。
1982年に日本で公開された「シャドー」。原題は「TENEBRAE(テネブレ)」。「TENEBRAE」とは、この映画に出て来る本のタイトルで、この本の内容になぞらえて数々の殺人事件が起こります。
刃物を使った数々の残虐な殺人シーン、犯人は誰なのか、ラストのどんでん返し…こういったところが「シャドー」の見どころで、いわゆるジャーロ(ジャッロ)といった内容の映画です。
今回の上映は字幕付きのイタリア語版でした。「シャドー」の音楽は、小気味よいテクノロックという感じで当時から大好きでしたが、ゴブリンの生演奏による重くキレのあるサウンドは映画の緊張感をさらに高めていました。
映像でちょっと気になったのは、画像がコマ落ちのような感じでカクカクしていたこと。車が通り過ぎるシーン等でそれを感じました。
それと、主人公で「TENEBRAE」の作家ニールがローマに到着早々チルダという女性記者に批評されるシーンで「10年(来)の仲」というセリフの部分が「10年前の」となっていたりで、一部翻訳にも違和感がありました。
私はリアルタイムで中学生の時に「シャドー」を劇場で見ました。絶叫のまま映画が終わるという緊張感をラストの音楽がさらに高めていましたが、その時に流れたのは、キム・ワイルドの「テイク・ミー・トゥナイト」。
美しくも怪しげなシンセサイザーのイントロと共に「シャドー」は私の心に強く焼き付いているので、ラストの音楽が「シャドー」のメインテーマだったことにも個人的にちょっと違和感がありました。
劇場で見て以来、DVDで何度も「シャドー」を見ましたが、やはり再び劇場で見る「シャドー」は圧巻で、初見で興奮していた中学生の頃の自分に戻った気分になりました。
第一部は18:45に終了し、ここから30分の休憩に入りました。
第二部 ゴブリンLIVE
第二部は19:18からスタート。
どん帳に「サスペリアPart2」に出てきたからくり人形の顔が映し出され、幕が上がるとスクリーンには「サスペリア」「サスペリアPart2」「デモンズ」等の作品やダリオ・アルジェント監督とゴブリンメンバーのフォトが映し出されました。
こういった演出と共にINTROが流れた後、以下のようなセットリストでLIVEは進んでいきました。
- Brain Zero One(Newアルバム「The Devil Is Back」より)
- Zombi(映画「ゾンビ」より)
- Zaratozom(映画「ゾンビ」より)
- E Suono Rock(アルバム「マークの幻想の旅」より)
- Chi?(Pt.1&2)(Newアルバム「The Devil Is Back」より)
- Non Ho Sonno(映画「スリープレス」より)
- Death Farm(映画「スリープレス」より)
- Gamma(TVドラマ「Gamma」より)
- Roller(アルバム「Roller」より)
- Agnus Dei(Newアルバム「The Devil Is Back」より)
- The Devil Is Back(Newアルバム「The Devil Is Back」より)
- Opening To The Sighs(映画「サスペリア」より)
- Sighs(映画「サスペリア」より)
- Witch(映画「サスペリア」より)
- Markos(映画「サスペリア」より)
- Susperia(映画「サスペリア」より)
- Mad puppet(映画「サスペリアPart2」より)
- Death Dies(映画「サスペリアPart2」より)
- Profondo Rosso(映画「サスペリアPart2」より)
美しいメロディーと重低音の迫力あるLIVEでした。今年はNewアルバムをリリースしたため、そこからの選曲もありました。
映画のサントラ曲の時は映画のフィルムが流れました。「サスペリア」から始まる後半は、過去のシンクロLIVEで演奏した曲をまとめて演奏するようなスタイルで、初めてLIVEに参加し、それ程ゴブリンの楽曲を知らない方でも十分楽しめたのではないかと思います。
「サスペリア」の楽曲「Sighs」で、クラウディオ・シモネッティがアコースティックギターを演奏するシーンも印象的でした。
今回のLIVEでは、ドラムがティッタ・タニからフェデリコ・マラドーニにチェンジしていました。若干バスドラムの連打辺りにリズムの不安定さを感じましたが、行かれた皆さんはどう感じられたでしょうか。
特別記念CDと購入したグッズ
今回の特典CDには2曲収録されています。
- Demon(映画「デモンズ」より)
- Mater Lacrimarum(映画「インフェルノ」より)
どちらもLIVEテイクで、重々しいハードロックアレンジになっています。
さて、私が購入したのは以下の3つ。
1つ目は恒例のパンフレット。
これまでと大きさは変わりませんが、三つ折りだったものが10ページのブックレット型になりました。内容は現メンバー、過去のアルバムの紹介、ゴブリンとダリオ・アルジェント監督について等となっています。
2つ目はピンバッジ。3種類の図柄があり、1つはGoblinという文字が書かれたノーマルなもので、私はこれ以外の2種類を購入しました。
からくり人形のピンバッジは、2か所止めになっていていて、ピンを付ける位置によって顔を割ることが出来ます。
3つ目はグローブ。ダリオ・アルジェント監督作品御用達のあの手袋です。
思ったより薄手でしたが、とっても温かいので今冬使えそう?です。金色のチャックは開けても閉めてもフィット感に大した違いはありません。
まとめ
クラウディオ・シモネッティは、このシンクロLIVEについて、映画のネタが尽きるか、バンドの体力がなくなるか、お客さんから飽きられるか、そのいずれかが訪れるまで続けていく意向を示しています。
既に来年の来日も決めたようで、来年は「フェノミナ」か「デモンズ」かといったところだと思いますが、個人的には当時クランキーサウンドというよく効果が分からなかった「フェノミナ」を再見したいと思っています。
なお、会場には「ゾンビ(日本初公開復元版)」の告知がされていました。上映日は11月29日。いい肉の日だそうです。来年に向けての序章として是非!
★ゴブリン Newアルバム「The Devil Is Back」試聴ページはこちら