「一億人の妹」というキャッチフレーズでデビューしたとっても愛らしい大場久美子さん。
現在でも歌手活動を続け、自身のブログで日々の様子を語っていらっしゃいますが、その様子は当時の何やら危なっかしい感じのままで、微笑ましく、時間が止まったような錯覚に陥ります。
今回は、私の大好きな大場久美子さんのファンクラブ会報について書いてみたいと思います。
この中には一体どんなことが書かれているのでしょうか…
ファンクラブ会報の構成と私の大場久美子歴
私の大場久美子歴
大場久美子さんのファンクラブ会報のレビューをする前に、少し、私の大場久美子さん歴などについて書いておきます。
私が当時、一番熱を上げたアイドルは河合奈保子さんでしたが、ファンクラブには入会しませんでした。
それは、一番河合奈保子さんに熱を上げたのが小学生の時で、お小遣いも少なく、会費が数百円程度でも、毎月お金を支払わなくてはいけないことへの不安や、レコード等の自分の欲しいものが買えなくなるという理由からでした。
河合奈保子さんを好きになる前、私が大好きだったのは、大場久美子さん。
私よりお兄さんの方々は、きっと銀座NOWなどの歌番組等で、歌手としての大場久美子さんを見てファンになられた方も多かったのではないかと思いますが、私は、まだ子供番組を熱心に見ている時期だったので、大場久美子さんを知り、ファンになったのは、TBSのドラマ「コメットさん」でした。
当時の人気アイドルは、毎月色々な雑誌に、かわいらしいフォトと共にインタビュー等の記事が載っていました。
ただ、大場久美子さんが活躍していた当時は、こういったアイドル雑誌等を購入しようという考えすら思い浮かばず、「コメットさん」以外は、たまたまテレビに出ている大場久美子さんを見るだけで、大場久美子さんが当時どんな活動をしていたのか全く分かりませんでした。
時代は流れ、インターネットを使って様々な情報を得たり、過去の作品がCD、DVD化されたり、youtube等の動画サイトで過去の作品に触れることが出来るようになり、過去から新たな発見をすることが多くなりました。
そんな折、ふと大場久美子さんの「大人になれば」「エトセトラ」などの歌唱シーンを見て、あまりの可愛さに、「コメットさん」の頃、大場久美子さんと結婚したいと思っていた気持ちがふつふつと沸き上がり、それ以来、当時の大場久美子さんのことを知りたくなり、過去に出版された本やレコード等を購入するようになりました。
人気絶頂期の大場久美子さんが載っているアイドル雑誌等は読んだことがありませんでしたが、昨年、大場久美子さんのエッセイ本「恋の指定席」や、近代映画という雑誌に掲載された大場久美子さんのページを集めた「KUMIKO OHBA DELUXE BOOK」等を購入し、大場久美子さんのとてもかわいらしい写真と共に、当時の活動内容や大場久美子さんの仕事に対する思いなどを知ることが出来ました。
ファンクラブ会報を読み終わってから、上記の雑誌と少し記事内容などを見比べてみました。
同じ題材を扱ったものや、内容によっては、雑誌の方が詳しく書かれてあるなどの違いはありましたが、一番の違いは、ファンクラブ会報は、熱心なファンからのお便りのページから、当時のファンは大場久美子さんのことをどのような目で見ていたのかがよく分かることや、大場久美子さんのインタビューに対する回答も、まるで家族に話すようなリラックスした雰囲気で、時には雑誌では言わないような本音も漏らしているという点でした。
ファンクラブ会報の構成
今回紹介させていただく「ぷりん」と題された大場久美子さんのファンクラブ会報は、ファーストアルバムがリリースされた辺りの昭和53年4月号から、歌手休業宣言をし女優として活動し始めたNo17までの13冊です。
ファンクラブ会報は、2か月に1度の発行で、当初、会費は3か月700円だったようです。
各号によってページ数や構成などは若干違っていますが、大まかにいうと、ページ数は約26ページ(+α)、その時々のライブ・テレビ番組などに出演した様子をレポートした特集、大場久美子さんへのインタビュー、ファンからのお便り紹介、月間スケジュールという形になっています。
この会報は、事務所(ボンド)の先輩である岡田奈々さんのファンクラブ会報と兼用となっており、右から左に開くページは、大場久美子さんの「ぷりん」、左から右に開くページは、岡田奈々さんの「菜の花」となっています。
本の中間辺りのページには、ボンドのタレントである松崎しげるさんのライブの様子や、デビューしたての杏里さんに関する記事が時折載っています。
サイズは11×20cmの小冊子ですが、No.14からは、B4サイズ×2を二つ折りにした広告のような形式になり、この号以後は、大場久美子さんの情報のみの会報となっています。
小冊子ながら文字がぎっしりと詰まっており、読み応えのある会報です。
沢山の写真が載っていますが、表紙以外は白黒です。
大場久美子ファンクラブ会報の内容
各号に掲載されている大まかな記事内容と、読んでいて気に留まった事項について書いてみたいと思います。
ファンクラブ会報 4月号
- 1stアルバム「春のささやき」の全曲レビュー
- テレビ朝日「ハチャメチャ生放送」出演時の様子
この号の表紙の裏には、高校を卒業した大場久美子さんからのごあいさつが載っています。
「奈々ちゃんのファンの皆さん、初めましてクミコです」
他の会報にも、こういった大場久美子さんからのメッセージが載っていますが、大場久美子さんの文章は、「…なの…かしら…してくださいネ…ウフフ…ペンペン♡」のような口語体で書かれていて、これを読んでいると、大場久美子さんの話をしている様子が目に浮かびます。
ここには、大場久美子さんは自動車の運転に憧れていて、運転免許を取りたいということが書いてありますが、後の方の会報(No.16)で、大場久美子さんが運転免許を取得し、その直後、FC会報の若手スタッフが、大場久美子さん運転の自動車に乗り、心拍数が上がりまくりの体験をしたことが書いてあります。
ファンクラブ会報 6月号
- 新番組「コメットさん」の内容紹介(宣材写真付き)
- 行川アイランドでの銀座NOW主催イベントのレポート
- おはようこどもショーの現場レポート
表紙の裏には、新曲「エトセトラ」の歌詞と、親衛隊のコールの仕方が記されています。
イベントレポートには当日歌われた曲目、イベント後にコメットさんのスチール撮りが行われ場内騒然となったことなどが書かれています。
このイベントで、大場久美子さんが歌った後、行川アイランドのマスコットガールとしてデビューする森まどかさんが歌唱したようです。
森まどかさんといえば、小泉今日子さんの「私の16才」の原曲「ねえ・ねえ・ねえ」を歌っていた方ですね。
おはようこどもショーについては、どのような形で収録が進んでいくのか等、細かく書かれています。
私は、おはようこどもショーに関しては、お姉さんが海老名美どりさんの頃しか記憶にないので、貴重な内容でした。
ファンクラブ会報 No.7
この号から、〇月号という記載でなく、No.表記になっています。
- 2ndアルバム「微笑のメロディー」の紹介
- 大場久美子さんへのインタビュー
- オールナイトニッポン出演時の様子
この号では、2ndアルバムについて大場久美子さんの語った内容が少し載っています。
「サファリパーク」という曲がシングルカットして欲しいぐらいにお気に入り、シングル曲でもある「エトセトラ」は口が回らない…etc
ファンクラブ会報 No.8
- 「コメットさん」撮影現場レポート
- 芸能人秋の大運動会の様子
- ヤンヤン歌うスタジオでの様子
「コメットさん」のレポートでは、シーンの合間に男の子2人が女の子を泣かせてしまい、大場久美子さんが叱って止めていた等の現場での様子が書かれています。
ヤンヤン歌うスタジオでの様子は、出演していた石野真子さんの赤いワンピース、渋谷鉄平さんのベストが異様に気に入ってしまい、「真子ちゃんと哲平ちゃんに買ったお店聞いてくる~!」という大場久美子さんを、取材班が必死で止めた等のエピソードが書かれています。
ファンクラブ会報 No.9
- ファーストコンサートの様子
- レコーディングのために訪れたロンドンでの様子
この号は、いつもの形式とちょっと違っていて、上記の内容については、大場久美子さんの希望により、大場久美子さん自身が語っています。
ここには、控室(?)にてファーストコンサートの練習をしている写真が掲載されています。
男性のダンサー2人が見守る中、マイクを持って可愛らしい表情を浮かべる大場久美子さんが写っています。
アルバム「カレンダー」作成のために訪れたロンドン紀行には、「カイトに乗せて100マイル」という曲がとっても気に入っていること、ロンドンやパリに来たことがとても楽しくて、母親に電話するのが遅くなり、母親に怒られたことなどが書かれています。
ファンクラブ会報 No.10
- ハワイで19歳の誕生日を迎えた大場久美子さんからのメッセージ
- テレビ番組「マジカル7大冒険」の様子
ハワイでの様子は、過去の振りかえり、今後の抱負等が書かれています。
現地で誕生日を迎え、アグネス・ラムさんが花束を持って駆けつけてくれた様子の写真も掲載されています。
ファンクラブ会報 No.11
- スプリングコンサートのレポート
このスプリングコンサートは、東京、大阪、名古屋、福岡、広島で行われ、コンサート内容は4部構成になっていました。
この号では、東京日劇で行われたコンサートの様子が書かれています。
第一部の曲目は、スプリングサンバ、あなた、シークレットラブ(インスト)、ラム・コークはいかが、Mr.ムーンライト、雨に消えたジュン、サンモリッツ速達便、カイトに乗せて100マイル
第二部は、コメットさんの歌とお話
第三部は、「マイ・ソング・マイ・ラブ」と題されたミュージカルで、ミュージカルをやってみたいと前々から思っていた大場久美子さんの希望が叶って作られた舞台だったようです。
ここで歌われた曲は、私って誰、マイ・パラダイス、初恋、切符をください、バレエ・シューズ、オーディション、アプローズ、あの人の手紙、マイ・ソング・マイ・ラブ…
後日、発表になりますが、この舞台で歌われた曲は、新たにレコーディングされ、「カーテンコール」というアルバムに収録されることになりました。
私は昨年「カーテンコール」を中古レコード屋さんで購入し、パンフレットに写っている舞台の写真は、一体何なのだろうとずっと思っていましたが、この号の記事を読み、アルバムに掲載されている写真は、スプリングコンサート第三部の写真だという事が分かりました。
ファンクラブ会報 No.12
- 東京池袋にて一日警察署長をした様子
- NTV紅白歌のベストテンの司会を担当し、2か月経った今の心境
表紙が婦警の恰好だったので、大場久美子さんが主演していた「秘密のデカちゃん」の特集かなと思いましたが、一日署長の記事でした。
ここには、子どもたちと触れ合う大場久美子さんが写っています。
ファンクラブ会報 No.13
- 葉山で行われたライブの様子
- このライブで伝えられた女優宣言についてのインタビュー
この号は、大場久美子さんの女優宣言に大きなスポットが充てられています。
葉山でのライブは、昼と夜の部があり、昼の部は写真撮影OKだったので、多くのファンの方々は、かわいらしい大場久美子さんの写真をたくさん撮ったようです。
このライブでの写真は小さいサイズながらたくさん掲載されています。
このライブで、大場久美子さんは、歌手活動を休止し、女優業に専念すると宣言し、次の武道館ライブがラストコンサートとなってしまいました。
これまでのファンクラブ会報を読んでいると、武道館コンサートは、歌手として飛躍した大場久美子さんの集大成的ライブで、次のアルバムのリリースも控えていることから、大場久美子さんの歌手活動は延々と続いていくものとしか思えませんでした。
歌手としてのかわいらしい大場久美子さんを見ることが出来なくなること、大場久美子さんを直接見る機会が激減することから、この女優宣言には、多くのファンの方々が落胆したのだろうと思います。
FC会報編集部には、このライブの少し前に、情報が入ったようで、この時、休業でも引退宣言でもないという曖昧な情報を確認すべく、大場久美子さん本人と事務所の社長に対するインタビューが書かれています。
その他、「コメットさん」から脱却し、本格的な女優魂を見せるTBSの3時間ドラマ「大いなる朝」の概要や、台本の一部が掲載されています。
ファンクラブ会報 No.14
- 最後のアルバムのレコーディングの様子
- 自動車教習所に通い始めた大場久美子さんの様子
最後のアルバムとなった「ガラス窓の少女」(この会報発行時ではアルバムタイトル未定)のレコーディングの様子がレポートされていますが、ヘッドフォンを付け、マイクに向かっているかわいらしい大場久美子さんの写真が掲載されています。
この号から、No.16まで、大場久美子さんの自動車教習の話が書かれています。
ファンクラブ会報 No.15
- 1979年の仕事ぶりの総集編
- 1980年へ向けての大場久美子さんへのインタビュー
この号で印象的だったのは、先月から始まった自動車教習の話。
なかなか教習所に通えず苦労している様子が伺えます。
近々、鈴鹿のイベントでゴーカートに乗るらしく、大場久美子さんは真剣に運転免許がないとゴーカートに乗れないと思っているようでしたが、ファンクラブスタッフは、敢えて運転免許がなくてもゴーカートに乗れることを教えなかったと書いてあります。
それは、本人のやる気・張り合い(運転免許取得の)を奪いたくなかったからと書いてありますが、スタッフのいたずらというかイジワルで、大場久美子さんとの微笑ましい関係も感じ取れます。
ファンクラブ会報 No.16
- 大場久美子さんの運転によるファンクラブ会報編集員が味わった恐怖のドライブレポート
読んでいて一番面白かったのは、この号でした。
大場久美子さんがようやく運転免許を取得し、早々にドライブに行きたいということで、会社の車(マークⅡ)を使って、マネージャー、ファンクラブ会報報編集部の2名と共に、早朝から横浜の港の見える丘公園を目指すといった内容です。
大場久美子さんは…
「1回で合格したから大丈夫、後は何度かぶつける経験をすればパーペキよ!」
高速道路の入り口を尋ねる大場久美子さんに、「この先のT字路にぶつかったら左」という編集部員の答えに対して、「ぶつかったら車壊れちゃうよ!」と真顔で答え…
車線変更をするたびに、4~5台の車のクラクションを浴び、急発進、急ブレーキ、追い越しに意欲を見せる大場久美子さんの車に乗った同乗者の疲弊ぶりが面白おかしく書かれています。
ファンクラブ会報 No.17
- ファンクラブ会員とのボーリング大会の様子
- 新ドラマ「真夜中のヒーロー」についてのインタビュー
- 降板した紅白歌のベストテンについて振り返る大場久美子さんの話
会報の表裏のカラーページには、プロボーラーの様相を呈し、ファンの方々と楽しんでいる大場久美子さんの写真が掲載されています。
ここに写っている大場久美子さんは、読み始めた4月号と比べると、女優業に専念しているせいか、大分落ち着いた大人の雰囲気のある女性に見えます。
新ドラマにはシャワーシーンやベッドシーンがあるため、会社はやめたほうがいいと言うのに対し、大場久美子さんは「やる!」と押し切ったことなどが書かれています。
紅白歌のベストテンについては、生放送での堺正章さんとのやり取りのタイミングが難しく、「…疲れた」と一言。
堺さんとのアドリブ的な細かいやり取りについても、細かく台本に書かれていたようです。
お便りコーナー
全ての会報に掲載されているのが、ファンからのお便りや似顔絵のページ。
似顔絵は、どれも大場久美子さんの特徴を掴んでいて、大場久美子さんを思いながら一生懸命に描いた様子が伺えます。
特に印象的だったのは、「Galaxy Express 935」という文字が記されたメーテルに扮する大場久美子さんの絵でした。
ファンの方からのメッセージの中には、「ファン同士でケンカをしているのを見てみっともないと思った」、「コンサートの時に紙テープを投げると、大場久美子さんの目に当たったりしたら大変なので止めて欲しい」、「GOROの水着写真を見たけど、もうあんな水着を着るのは止めてください」など、ファンの方々の熱い思いが載っていました。
まとめ
長文になってしまいましたが、読んでくださった方、ありがとうございました。
少しでもファンクラブ会報の内容は伝わったでしょうか?
ファンの意見に対する回答を大場久美子さんが所々していて、そういったやりとりの場面や、FC会報取材班にしか見せない顔を見ていると、雑誌で見たり読んだりする大場久美子さんよりも距離が近く感じられました。
あと、意外だったのは、ファンクラブ会報に大場久美子さんの愛称である「クーミン」という言葉がほとんど出てこなかったこと。
大場久美子さん本人、編集部やファンの方も、「久美子」や「久美」と呼んでいました。
他のアイドルのファンクラブ会報も、きっとこういう感覚を味わえると思うので、もし手に入れることが出来るなら、ご自身の大好きだったアイドルのファンクラブ会報を是非読んでみてください。