2017年3月27日に、NAGAOKA(ナガオカ)から、5000円代のハイレゾ対応イヤホン「P609」が発売されました。
シンプルな形状と美しいカラーリングを施された本体から、一体どんな音が出て来るのでしょうか?
今回は、この「P609」について試聴して感じたこと等について書いてみたいと思います。
NAGAOKA P609レビュー
試聴に使用したDAPは、SONY NW-ZX2で、音響エフェクト等は全てオフの状態です。
試聴曲は以下の曲を1コーラス程度、何度か聴きました。ファイル形式は全てflacです。
- 淋しい熱帯魚(Wink)
- LA Vie En Rose(手嶌葵)
- ギミチョコ(BABYMETAL)
- 卒業(斉藤由貴)
- みずいろの雨(八神純子)
- 石鹸色の夏(斉藤由貴)
- インフルエンサー(乃木坂46)
なお、スペック等については、公式サイト等でチェックしてみてください。
NAGAOKA P609のハード面とフィット感
オーディオ製品ニュース等に載っている写真を見た時、イヤーピースが本体に少し食い込んで(覆いかぶさって)いる感じに見えましたが、実際に手に取ってみると、そんなことはありませんでした。
カラーは、写真で見るとキラキラピカピカした感じに見えますが、実際は、それほどキラキラした感じではなく、艶消しメタリックのような感じでした。
イヤーピースは、若干硬めで、最近私が購入したNuforce HEM1のイヤーピースの質感に似ています。SHUREのシリコンよりは若干硬い感じです。
フィット感は、私がかつて購入したオルトフォンのe-Q7というイヤホンに似ています。
イヤホン本体が、すっきりとした筒状なので、耳の穴が比較的大きい方は、イヤホンを耳の奥へ押し込んでも、本体ごと耳の中へ入って行くかもしれませんが、この状態でしばらく音楽を聴いていると、耳の穴が痛くなってきます。
耳の穴が比較的小さい方の場合は、無理にイヤホンを耳の奥へ入れようとすると、本体が耳の穴の入り口に干渉して、痛みを感じるかもしれません。
よって、P609は基本的にイヤーピースで耳の穴の入り口を塞ぐ程度の装着方法になると思います。
耳の穴をふさぐ程度に装着した場合のフィット感は良好でした。
NAGAOKA P609の音質
P609は、本体はアルミ製、ドライバーは6.8㎜のダイナミック型イヤホン。
まず、音のバランスですが、特に強く出ている音域があるようには感じなかったので、フラットだと思います。
解像度(細かい音が聴こえる度合い)に関しては、音が団子になるわけでもなければ、バックで鳴っている細かい音がよく聴こえるという訳でもないといった感じ。
音場は、横と上に広さを感じました。
音色は、少し暗め(落ち着いた)で、長時間聴いても、聴き疲れするような印象はありませんでした。
低音は、適度に締まっており、芯と空気感を伴ったボワつかない重みのある低音です。
P609で特に印象に残ったのは高音域で、この価格帯のダイナミック型イヤホンだと、高音域がキラキラ出ているけれども、芯がなくつぶれ気味に聴こえることも良くありますが、P609には、しっかりとした芯を感じました。
今回、試聴した曲の中で、Winkの「淋しい熱帯魚」のハイハットやシンバル、斉藤由貴の「卒業」のイントロ部分でジャラーンと鳴るアコースティックギターの音等に、金属的な響きとしっかりとした音の力強さを感じました。
ボーカルは、艶やかではないが、カサついている感じでもない「無味」といったところでしょうか。
全体的に、音にキレはありますが、エッジ(音の輪郭)はきつくありません。
まとめ
P609は、艶やかな音ではないにしろ、全帯域に渡って、つぶれたりぼやけたりしない、しっかりとした音が出ています。
ドンシャリは嫌だけど、適度に力強く、かつ、シャリ付かない芯の通った高音域を聴きたいと思われている方におすすめのイヤホンです。