【オフコース】BSフジ特番の内容が熱かった!|2023.2.11「輝き続けるオフコース」

昭和歌謡/J-POP
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2023年2月11日にBSフジにてオフコースの2時間特番「輝き続けるオフコース」が放送されました。見逃してしまった方に向けて、一体どんな番組だったのか解説したいと思います。

 

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【番組解説】BSフジ「輝き続けるオフコース」

番組の内容・構成

番組の内容を大雑把に言うと、オフコース愛にあふれた人が集まって語り合う座談会で、その合間合間にオフコースの映像が流れるといった構成でした。使われた映像は、座談会で話題に上がった曲をワンコーラス程度流しながらのレコードジャケット、1982年の武道館やNHK「若い広場」の動画。動画のほとんどは武道館で「若い広場」は小田さんと鈴木さんがコーラスを取る「愛の中へ」のほんの一部分だけ。

座談会は軽部真一アナの進行によって、スタジオに集まった以下の方々がオフコース愛・思い出を語られていました(チューリップの財津和夫さんは事前収録のVTR出演)。

  • 坂崎幸之助(THE ALFEE)
  • 永山耕三(ドラマディレクター/映画監督)
  • 北川悦吏子(脚本家)
  • ふかわりょう(タレント)
  • 財津和夫(チューリップ)

永山耕三さんは「東京ラブストーリー」「ひとつ屋根の下」など月9ドラマの黄金期を築いた方、北川悦吏子さんは「ロングバケーション」「101回目のプロポーズ」などの脚本を手掛け、その仕事にはオフコースが影響しているとのこと。

この手の番組って重箱の隅をつつくようなマニアックな話になりがちなんですが、そういったうんちく合戦のような感じではなくて、当時オフコースが好きだった人が集まって居酒屋で話してるみたいなとっても和やかな雰囲気でした。特に脚本家の北川さんが当時から変わらない女友達みたいな感じで、場が華やいでいました。

あと、オフコースの好きな曲ベスト3みたいなコーナーもあって、坂崎さん、北川さん、ふかわさんの3名がこんな選曲をされてました。

  • 坂崎幸之助:でももう花はいらない、別れの情景Ⅰ、幻想
  • 北川悦吏子:あなたのすべて、めぐる季節、時に愛は
  • ふかわりょう:哀しいくらい、愛のゆくえ、思い出を盗んで

 

ゲストが語ったこと

オフコースとの出会い、オフコースに関するエピソードなど、それぞれが思い思いに語っていましたが、具体的にどんな話をしたのかざっとまとめておきます。

坂崎幸之助

  • 大学生の時、ギターを持ちながらオフコースのコピーをしていて、アルバムごとコピーしていたので1曲弾き終わると次の曲が浮かんでくる。2枚目のアルバムぐらいまではそんな感じです。
  • 普通のフォークソングでは見たことのないコードを使うので面くらった
  • 高見沢さんに3フィンガーを教えるために「でももう花はいらない」を練習曲として使った
  • 松尾さん、大間さんが組んでいたバンド「ザ・ジャネット」は、ぎんざNOW等の番組で楽屋が一緒だったりで知った仲だった。「キンキン&ムッシュのザ・チャレンジ」という番組で10週勝ち抜くとロンドンレコーディング、デビューっていうので「ザ・ジャネット」が勝ち抜き、鳴り物入りでデビュー。ALFEEもいろんなコンテストで優勝したりで、鳴り物入りのデビューだったのに互いに売れず。それは自分たちの楽曲じゃなくて、作家先生に作ってもらったということもあったかもしれない。そんな中、しばらくして松尾さんと大間さんがオフコースに加入したことを知り、その出世ぶりを嬉しく思った。
  • オフコースが1981年に神奈川県民ホールでライブをやった時、バンド形態になったオフコースを見るべく会場に足を運んだら、会場にいた高校生に「坂崎さん、勉強ですか?」と言われ「その通りです」と返答。ステージングや音響など本当に勉強のために行った。
  • ALFEEのデビュー当初、文化放送のゲストとしてオフコースと共に呼ばれ、渋谷の西武で公開放送をやった。その時のお客さんは10人ぐらい。その時初めて小田さんがキーボードを弾いてるのを見て、ギターじゃないんだとビックリした(それまで小田さんはギターを弾いていた)。
  • オフコースはユニゾン(同じメロディーを同時に歌うこと)がキレイ。それゆえにコーラスもさらに美しくなる。
  • オフコースの楽曲が今でも愛される理由は、音楽的に細かい、音楽に対して真面目、二人の性格も真面目、音楽に対する職人的な姿勢、そんな部分もあると思う

 

永山耕三

  • 「僕の贈りもの」がオフコースとの出会い
  • オフコースの転調は小室哲哉のそれとは違う気がする。「Yes-No」のイントロから歌に入る時の転調は発明だと思う。
  • 演出デビュー作「ないしょのハーフムーン」で画と音が合うと思ってオフコースの「Yes-No」を使った。そのヒントになったのは3年B組金八先生。第20話でオフコースの「さよなら」がガッツリ流れていて、そういう曲の使い方もありなんだと思って見ていた。
  • ドラマ「愛しあってるかい!」(出演:陣内孝則、小泉今日子)のサントラを鈴木康博さんに頼んだ
  • ドラマ「OUR HOUSE」(出演:芦田愛菜)の主題歌にオフコースの「愛を止めないで」を使ったのは単純にこの曲が好きだったから
  • ドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌「ラブ・ストーリーは突然に」は、「君が、嘘を、ついた」と「Yes-No」を新しくした感じでと小田さんにお願いして出来上がった曲

 

北川悦吏子

  • 学生の頃からオフコースが大好きで、大学生の時にはオフコース同好会に入っていた
  • 1982年の武道館コンサートに行った
  • 最初の出会いはアルバム「フェアウェイ」
  • オフコースの歌詞は自分の心を見つめてナイーブな部分を拾って作ってる感じがする。それは永遠ではなく、その時にしか出来ないものなんじゃない中と思う。
  • ほとんどMCのないコンサート。あんまりしゃべってくれないっていうところなんかにも女子は萌えた。
  • 音楽的な理屈はよく分からなくてもその良さが伝わってきたり、一度聴いただけで飽きたりしないのは、その時にヒットさせることを考えて作るんじゃなくて、いいモノを作るということを突き詰めて作っていたから何年も残って唯一無二のモノになっていると思う。

申し込みはがきの応募数が50万通を超え、チケットが入手困難になっていた1982年の武道館公演に行った北川さんのことをふかわさんが羨望のまなざしで見てました。ちなみに坂崎さんも行ったそうでチケットはコネで取ってもらった?とのこと。

 

ふかわりょう

  • 幼少期に兄の影響を受けて聴いていた。高校生になりやっとライブに行けるようになった頃には解散ということでライブに行けず悔しい思いをした。
  • テレビに出ないオフコースは悲しかったが、同時にカッコいいとも思っていた
  • 好きとか別れの悲しさというはっきりしたものでなく、その手前のグラデーションになっている心情描写の歌詞に胸がキュンとなる
  • 別れの歌なのか何なのかきちんと紐解かないと分からない歌詞、着地すべきところに着地しないようなコード進行や急な転調による不安定さに心が揺さぶられるが、美しいコーラス・ハーモニーのせいでさらっと聴けてしまう
  • 「I LOVE YOU」の間奏のナレーションの声、アウトロのコーラスなどシングルやアルバムでバージョン違いがあって面白い
  • 「さよなら」から食いついた人は信用できない(笑)

ふかわさんは当時使っていたオフコースの楽譜を持ってきて、以前それに小田さんと鈴木さんにサインしてもらったと嬉しそうに皆さんに披露していました。

「さよなら」については、好きだけど眩しすぎる、光量が違い過ぎるって言ってました。つまり、ヒットを狙って作られた曲に純然たるオフコースの音楽性と比較して違和感があると言いたかったんだと思います。当時もオフコースの「さよなら」は違うとか、バンドのオフコースは違うとか、そんな話をよく耳にしたので、ふかわさんと同じように思った方も多いんじゃないでしょうか?あと、坂崎さんがサビの「さよなら さよなら さよならぁぁ」、この音が下がっていく「ぁぁ」の部分はコーラスで、そういったコーラスの作り方も緻密に計算されてるみたいなことを言ってました。

 

財津和夫

  • 1969年に新宿厚生年金会館で開催された第3回ヤマハライトミュージックコンテストで初めてオフコースと出会った。同時に赤い鳥とも出会い、両バンドのあまりのうまさに自分たちは3位になってしまうかもと不安になったが、チューリップは6位だった。
  • 初めてオフコースを知った時、文学的な歌詞と柔らかいメロディーは他にないと思った
  • 「眠れぬ夜」はアレンジして一人でステージでやってみたいとずっと思ってる
  • チューリップも解散したいと何度も思ったが、オフコースが頑張ってるから負けたくない精神で続けていた。オフコースが解散すると知った時、肩の荷が下りて、同年、チューリップも解散した。
  • 僕のオフコースのイメージは1969年のライトミュージックコンテストで止まっていて、未だにそこから抜け出せていない。オフコースが5人になってからはオフコースっぽくないなと思っていた。あのコンテストの時のままでいて欲しいと思っている。ライトミュージックコンテストでオフコースがコーラスアレンジをしたジョニー・ソレマーズの「One Boy」を今でも聴いている。それを聴くたびに胸が締め付けられる。

今回の特番は、このオフコースの歌う「One Boy」が流れて終わりました。

 

終わりに

最後に個人的な感想をちょっとだけ。オフコースはテレビに出ないバンドだったというくだりで、司会の軽部さんが坂崎さんに「ALFEEとは真逆ですね」と言った時、ふかわさんが「音楽的にはそう遠くはないと思いますけど…」というやり取りがあって、あと、オフコースが今なお愛されてる理由として北川さんが「唯一無二の音楽性ゆえに代わりとなるアーティストが今でも見つかっていない」っていうのがありました。

私は「さよなら」からオフコースが好きになって、そこからそれ以後のアルバム、それ以前のアルバムを追って中学生の頃はオフコース三昧の日々でした。でも、鈴木さんが脱退して活動に空白期間が出来たこと、4人体制になって若干サウンドが変わったことによってオフコースから少しずつ心が離れていきました。そんな時に出会ったがALFEE。オフコースと同じようにコーラスを多用し、鈴木さんと同じような高見沢さんの熱いギターに惚れ、アル中(ALFEE中毒)になりました。私にとってオフコースをさらに激しく、音楽性を多用にしたバンドがALFEEでした。なので、ふかわさんのコメントに納得。番組で坂崎さんはオフコースを研究したせいもあり、コードワークやコーラスワークはオフコースの影響を多大に受けていると言っていたので、当時エレキギターに夢中だった私がオフコースからALFEEに興味が移っていったのは自然な流れだったのかもしれません。

そんな感じで、私はオフコースの代わりとなるバンドを見つけられましたが、それでもやはりオフコースの音楽性は唯一無二ですね。理科系的な音楽の構築の仕方、妥協を許さない細かいこだわり、引き算的なアレンジ。特に鈴木さんがいた頃の、時のヒットを狙わず普遍的な音楽をという観点から作られた楽曲たちは、いつ聴いても色あせることはありません。

今回の座談会では、好きになったきっかけ、好きな楽曲、オフコースの捉え方などそれぞれ異なる部分もありましたが、その愛情の深さは同じ。あと、皆さん共通して言われていたことは、オフコースは鈴木康博さんがいたところで終わっているということ。4人体制になってからは別のオフコースと捉えているようでした。それだけ自分の青春期に見た全盛期のオフコースのインパクトが強かったんだと思います。私も同じ思いでこの番組を見て、そしていつの間にか参加してる気分になってました。

番組最後の方で、皆さんがまたオフコースが見たい、特に小田さんと鈴木さん二人のオフコース、と言っていました。司会の軽部さんが「坂崎さん、動くしかないですね!」とムチャぶりをして、坂崎さんは困惑しながら笑ってました。オフコースのメンバーと一番面識のある坂崎さん、よろしくお願いします!

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