2024年8月23日、SOUNDPEATS(サウンドピーツ)から新たなワイヤレス(Bluetooth)イヤホンSOUNDPEATS Air5が発売されました。新製品を発売するたびにVGP(オーディオビジュアルアワード)でコスパ大賞・金賞を受賞し、一般ユーザーのみならずプロ目線でも評価の高いイヤホンを輩出し続けるSOUNDPEATSですが、今回発売されたワイヤレスイヤホンの最大の特徴は、
インナーイヤー型イヤホンとノイズキャンセリングの組み合わせ
前機種のインナーイヤー型ワイヤレスイヤホンSOUNDPEATS Air4でもノイズキャンセリング機能は付いていましたが、SOUNDPEATS Air5はさらに進化を遂げています。
では、どんなところが進化したのか、そして一番気になるであろうノイズキャンセリングの効果などについて、製品の全体像をお話ししたいと思います。
結論から言うと、カナル型のようなシリコンゴムを耳に突っ込むのが苦手で、音質・機能・コスパを重視したいという人にとってSOUNDPEATS Air5は至高の一品となるはず。
SOUNDPEATS Air5のハードとアプリについて
付属品と製品仕様
付属品、主な製品仕様は以下の通り。
【付属品】
- 充電ケース(本体入り)
- 充電ケーブル(USB Type C / Type A 約27㎝)
- 取説
- ステッカー
【主な製品仕様】
- インナーイヤー型完全ワイヤレスイヤホン
- 3モードのAI適応型アクティブノイズキャンセリング
- マルチポイント対応
- Bluetoothコーデック:SBC/AAC/aptX/aptX Lossless/aptX Adaptive
- Bluetoothバージョン:Bluetooth5.4
- ドライバー:13mmダイナミックドライバー
- 再生帯域:20Hz~20kHz
- 防水性能:IPX5
- 最大再生時間:約6時間(充電ケース併用時、約30時間)
- 充電時間:イヤホン(1.5時間)/ ケース(2時間)
- 充電ケース&イヤホン重量:約45g(内、イヤホン片側5g)
ちなみに箱出し時点でのバッテリーは100%だったので買ったその場から使うことが出来ます。片耳での使用も可。イメージキャラクターのステッカーはおまけ…カナ?
進化したハード・外観
ハード面での進化ポイントは3つ。
1つ目はカラーバリエーションが増えたこと。これまでのブラックとホワイトにパープルとベージュが加わりました。機能のみならずカラーで個性を出せるのが嬉しいですね。
画像引用元:SOUNDPEATS公式ウェブサイト
2つ目はケースのデザイン。ホワイトモデルの本体ケースは真珠のようなきらめきを持った美しく上品な仕上げ。開閉部は前面までグッと切り込んでいて、これまで以上にイヤホンの出し入れがしやすくなっています。ちなみにケースのイヤホンを収める部分には微弱な磁気があって、イヤホン格納時にはその磁気に引っ張られてスッと収まります。
3つ目はイヤホンの形状。前々機種のAir3と比べるとイヤホンの形状は細かい部分で変更されていて、イヤホンを人差し指と親指で摘まんだ時のしっくり感、耳へのフィット感が増しており、ケースから取り出す時やイヤホン装着時の落下の不安がかなり解消されています。片耳での使用も可。
最新アプリ「PeatsAudio」で出来ること
SOUNDPEATS Air5から「PeatsAudio」という最新アプリ対応となりました。スタイリッシュで視認性・操作性も向上しています。基本的な操作(再生・停止、曲送り・戻し、音量の上げ下げなど)は本体をタッチすることで行えますが、アプリでしかできないこともあるので基本的にアプリの導入は必須と思ってください。
アプリでしかできないことは、
- 充電残量確認(%表示)
- イコライザーの設定
- ノイズキャンセリングのモード切替
- イヤホン操作のカスタマイズ
- 本体アップデート
イコライザーはプリセット、カスタム、適応型EQの3モード。プリセットは9モードあるので、まずはここから。カスタムで自由にイコライジング出来ますが、あんまりよく分からずにいじるとかえって変な音になりかねないので、そういう時は適応型EQの出番。
適応型EQとは自身の耳の特性に合ったイコライジングを自動でしてくれる機能で、各帯域から出るテスト音が聴こえたらOKをタップみたいな感じで進めていくだけの簡単設定。
アプリから各製品の取扱説明書のページにアクセスできるので、使い方が分からない場合でも一々紙の取説を見なくてもいいので便利。SOUNDPEATS Air5以外の機種でもこの最新アプリを使うことは出来ますが、一部機能しない設定項目があったりするので、この辺は今後のアップデートで解消されると思います。
SOUNDPEATS Air5の音質とノイズキャンセリングについて
ノイズキャンセリングの設定と効果
ノイズキャンセリングはAIが搭載されていて、環境騒音を認識し、ノイズ低減強度を自動的に調整してくれます。
そして、このノイズキャンセリングには3つのモード(外耳道1~3)があって、ノイズキャンセリングのオンオフ自体はイヤホン本体でも出来ますが、このモードの切り替えはアプリ出ないとできません。
1~3に向かうにつれてノイズキャンセリングの効果が高くなる設計になっていますが、その効果の感じ方はきっと人によって大分違うと思います。モード名に「外耳道」と付いている通り、自分の外耳道に合ったモードを選択することが大切。一番ノイズキャンセリングの効果を感じることが出来るモードがご自身の最適モードなので、1~3の数字に囚われず選択してみてください。ちなみに私は「外耳道2」が一番のノイズキャンセルの効果を感じることが出来ました。
さて、ノイズキャンセリングの効き具合ですが、どんな感じにノイズがキャンセルされるのかというと、
- 騒音が若干小さくなる
- 騒音の鳴ってる範囲がギュッと狭まる
- 騒音の角が丸まる
例えば換気扇やエアコンの近く、外の車が走っている道路などでは、”ゴー”が”コー”みたいな感じで、特に中低域の騒音の音圧が下がって音楽に干渉しないよう騒音を制御しています。インナーイヤー型という構造上、カナル型イヤホンのような強力なノイズキャンセルというものではありませんが、開放的な装着感とノイズキャンセルのバランスをうまく両立したチューニングになってると思います。
Bluetoothの音の遅延について
音の遅延対策として「ゲームモード」というものがあります。ゲームモードを切った通常の状態(ノーマルモード)でYouTubeなどの動画を見ると少し音ズレが気になりますが、ゲームモードをオンにすると音の遅延はほぼ解消されるので、動画を視聴される場合にはオンにしておいた方がいいと思います。
ただし、ゲームモードのオンにすると音場(音の空間)が狭まって、まろやかな音質になります。これはこれで聴きやすいので特段問題はないと思いますが、SOUNDPEATS Air5は高音質チップを搭載しており、その高音質を余すところなく体感したい場合はオフにしたいところ。なので、リップシンク(口の動き)が気にならない動画を鑑賞する場合はオフがいいかもです。
通話の音質
通話の高音質化のために、イヤホンには片側3つ(合計6つ)のマイクが搭載されていて、環境音と自分の声を分離しノイズを低減してくれます。そのおかげで通話時の相手の声はシャカシャカ・ボソボソしたりせず、厚みを持ったしっかりとした声で聞こえます。こちらから発する声も同様にクリア。
特に受話時の音質がピカイチ。スマホに耳を当てたりスピーカーで通話するとの全然音質が違う。通話時に思わず「ちょっと待って~」なんて言いながら慌ててSOUNDPEATS Air5を耳に装着したくなるぐらい相手の声がリアルに聞こえます。
SOUNDPEATS Air5の音質
音質チェックに当たって、歌謡曲・J-POP・ハードロック・Jazzなどアレコレ聴いてみました(ファイル形式は、mp3(320kbps) / flac(wav) / ハイレゾ(96kHz/24bit)等)。
SOUNDPEATS Air5の音の印象について端的にまとめるとこんな感じです。
- クリアで音の再現性が高い
- 音の定位がいい
- 重みのある低音
- 没入感のある音場(音の空間)
SOUNDPEATS Air5には13mmという大型のダイナミックドライバーが搭載されています。そのためインナーイヤーという開放型にも関わらず、芯の通った重みのある低音が出ていて、ウッドベースのかなり低い音までちゃんと聞こえます。もちろん、騒がしい場所ではこういった低音の質感は感じがたいと思いますが、比較的静かな場所でリスニングするならその質感の高さを体感できると思います。
全体的な音の印象はクリアで清々しいイメージ。定位がしっかりと再現されていて、右斜め上でパーカッションが鳴ってる等ハッキリと分かります。音色も変にギラギラしたりこもったりせず、楽曲の本来の音を聴かせてくれます。
音場は左右は比較的タイト気味でありながら、前方の空間が超立体的。奥行きがハンパない。音が遠く聴こえるっていう意味じゃないです。鳴っている音自体は顔面近めなんですが、その後ろ、ずーっと奥まで空間を感じるっていうイメージ。DSPで疑似的に作った音場とは異なる自然で清涼感のある空間。なんか音の鳴っている小宇宙の球体に顔半分突っ込んだ気分になります。
この前方に吸い込まれるような音場は高音質の転送コーデック「aptX Adaptive」の恩恵。前々機種のAir3は「LDAC」、前機種のAir4から「aptX Adaptive」が「LDAC」に変わって採用されました。どちらもハイレゾ相当の転送ができるコーデックなので、「aptX Adaptive」「LDAC」での音質の優劣はなく好みの範疇の差だと思いますが、それでもAir3の「LDAC」と比べて今作のSOUNDPEATS Air5の音場の表現力が一枚上と感じるのは、Qualcommの最新のチップ「QCC3091」を搭載したことも大きな一因だと思います。
もちろん、こういった感覚は元々の楽曲の質に大きき左右されるので、SOUNDPEATS Air5の高音質を最大限楽しむには、ファイル形式や最新リマスター盤などこだわってみてください。
あと、SOUNDPEATS Air5はSnapDragon Sound対応による高音質コーデック「aptX Lossless」が装備されていて、これによりCD音質をロスレスで転送することが出来ます。ただし、これに関してはスマホ等の再生機器側もそれに対応(Snapdragon Sound対応)している必要があるので注意してください。
余談ですが、SnapDragon Soundって何?aptX AdaptiveとaptX Losslessってどう違うの?ということに関しては別記事に書いておいたので、気になったら読んでみてください。
まとめ
最後にSOUNDPEATS Air5の特徴をまとめておきます。
- 大口径ドライバー、最新チップ、最新コーデックによるハイレゾ対応の高音質設計
- 外耳道の形状や環境騒音を認識するAIノイズキャンセリング
- 美しさと機能性を追求した新デザイン
- ケース併用で最大30時間のロングバッテリー
- より使いやすくなった新アプリの採用
- 一万円を切る高コストパフォーマンス
騒音を強力にシャットアウトして外でも音圧たっぷりの音楽を楽しみたい人にはカナル型の「SOUNDPEATS Air4 Pro」がいいと思いますが、圧迫感のない爽快な装着感と適度に外の音は聞こえた方が安心という方にはSOUNDPEATS Air5は超おすすめ。外の音は聞こえても音楽に干渉しないようノイズをキャンセリングし、かつ外耳道の形状に合わせて調整するAIは秀逸です。
ちなみにSOUNDPEATSの製品に関しては発売直後がおすすめの買い時。SOUNDPEATS Air5の定価は9,680円ですが発売記念の値引きがあり、それに加えて今回メーカーからその通常値引きと併用できる5%OFFクーポンをいただいたので、これを合わせると 7,260円で購入できます。購入時には是非このクーポンを使ってお得にゲットしてください。