TEAC UD-505 レビュー~おすすめ据え置きヘッドフォンアンプ ~

前回、据え置きヘッドフォンアンプ試聴の話を書きましたが、今回は試聴して気に入り購入したTEAC UD-505の使い勝手や音質、その他実際に使用して見て気づいたことなどを書いてみたいと思います。

なお、ここでレビューするのはヘッドフォンアンプとしての機能に限定した内容で、プリとしての性能、電源・USBケーブルの変更による変化(効果)といった内容をお知りになりたい場合は、他のサイトの口コミやブログ等を参照してください。

さて、今回、私は初めて据え置きのヘッドフォンアンプを購入しました。当面の使用目的はデスクトップミュージック(パソコンの音楽をヘッドフォンで聴く)。

これまでデスクトップミュージックの際は、SONYのポータブルアンプ(以下ポタアン)PHA-2を使用し特に不満もありませんでしたが、このポタアンは給電しながら使用することが出来ないので、時々音楽を聴きたい時に充電が切れていたなんてことがあって不便に感じていました。

それと、かつてはDAP(デジタルオーディオプレイヤー)やポタアンに高音質を求めて頻繁に買い替えをしていましたが、ポタアンを持ち歩くのが面倒ということとDAPに音質を追求して行くと充電池で高音質を得るための手法にコストがかかり過ぎる(コストパフォーマンスが悪すぎる)と感じ始め、DAPに過度な高音質を求めることを止めました。

それで、DAPはBluetooth等で気軽に音楽を楽しむアイテムとして使用することにし、音質については据え置きヘッドフォンアンプに求めることにしました。

ただ、部屋のあちこちに持ち運ぶ可能性があるので、極力小型なものという点も考慮しました。

そんな観点で据え置きヘッドフォンアンプを探していたところ、一番希望に合ったのはTEAC UD-505でした。

似たような用途でヘッドフォンアンプを探している方の参考になれば幸いです。

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TEAC UD-505の仕様

ヘッドフォンアンプは各社各機種しのぎを削っていますが、UD-505の大きな特徴は以下の4つ。

  1. ステレオ標準ジャック×2のバランス駆動以外に4.4mmバランス端子を搭載
  2. BluetoothはaptX,aptX HD,LDACといった高音質コーデック対応
  3. PCからUSBへ新しいデジタル伝送技術であるBulk Pet(バルク ペット)を使用可能
  4. クセのない音質とフラットバランスでアンバランスでもすこぶる音が良い

4.4mmバランス、LDAC(ハイレゾ品質相当の転送コーデック)という点からソニー製品との親和性が高いと思います。

なお、以下で触れない細かいスペック等についてはTEACの公式ページで確認してください。

★TEAC UD-505公式製品ページはこちら

ボディーカラーはシルバーとブラックの2種類から選ぶことが出来ます。

では、本体の外観、機能面、音質面という順で見ていきます。

UD-505の外観

付属品は、取扱説明書、リモコン(電池付き)、RCA変換ケーブル、フット用クッションで、PCと接続するためのUSBケーブルは付属していないので注意してください。

RCA変換ケーブルとは、本体前面にある光接続端子にRCA同軸デジタルケーブル(ピンジャック)を接続する時に使用するものです。

フット用クッションとは、本体底面に付いているインシュレーターに貼り付ける台座の傷防止フェルトです。

インシュレーターは3点スパイク式で受け皿と一体になっています。

裏面は各種入出力端子が揃っています。以下の写真で確認してみてください。

パソコンと繋ぐUSB端子は、パソコンとプリンター等を繋ぐときに使う六角形のType-Bとなっています。

本体の大きさはA4サイズ、重量は4.2kgで、部屋のあちこちに移動させるのも比較的楽に出来ます。私はキャスター付きのワゴンに乗せて好きな場所で使用しています。

UD-505の機能面について

UD-505の簡単な使い方だけ説明しておきます。

スイッチはレバー式でカチッというアナログな感じが好感触です。

INPUTつまみで入力選択、MENUボタンを押してからINPUTつまみを回して各設定項目の選択(選択項目の調整はINPUT長押し)といった感じです。

動画を取ってみましたので確認してみてください。

TEAC UD-505~全面パネル周りの様子~

画面にcheckという文字が点滅していますが、これはPCとUSB接続すると消えます。

ボリュームはPCと接続されていない時はFIXEDという文字が表示され、ボリュームノブを回しても変化しません。

ボリュームは、0~100のSTEPとdb(デシベル)の2パターンから選ぶことが出来ます。STEP表示にすると感覚的に分かりやすい反面、1STEPの音量変化が大きいので、音量をより細かく調整したい場合はdb表示に切り替えてください。

こういった各種の設定はリモコンで変更可能なのでとても便利です。

UD-505の音質

UD-505をデスクトップミュージックで使用する場合、OSがWindowsの場合はTEACのホームページから無償提供されている専用ドライバーをダウンロードしインストールする必要があります。

Macの場合は不要ですが、Bulk Petを使用したい場合は専用ドライバーをインストールする必要があります。Bulk Petについては後で少し触れます。

音質チェックに当たって、ヘッドフォンはSONY MDR-Z1000、音源は中森明菜さんのアルバム「BEST」から主に「ミ・アモーレ」(ハイレゾ音源)を使用しました。

音質のレビューをする前に音楽を再生するために使用するソフトについて感じたことを書いておきます。

再生ソフトについて

TEACから再生アプリケーションソフト「TEAC HR Audio Player」が無償提供されています。

専用ソフトだけに、DSDフォーマットの音が鳴らない、ダウンコンバートされてしまうといったトラブルもなく、一番簡単にUD-505の高音質再生を堪能できます。

このソフトのConfigure(設定)→Control Panelから別ウィンドウが立ち上がり、Bulk Petの伝送切り替えが出来ます。

なお、この別ウィンドウはUD-505の電源が入っていないと立ち上がらないので注意してください。

TEAC HR Audio Playerは、音楽を再生することに特化したプレイヤーなので、アルバムアートの表示や検索窓等がありません。よって音楽管理ソフトとしては使いづらいですが、Bulk Petの切り替えや、他の再生ソフトを使用した時の音質比較(チェック)等にも使えるのでインストールしておいた方が良いです。

さて、UD-505に常用するソフトは何がいいのか色々試してみました。

基本的にはどの再生ソフトでも音楽鑑賞をすることは出来ます。ただ、WASAPIやASIOといった排他モードを備えている再生ソフトを使用しないとUD-505の真価は発揮できません。

排他モードとは、簡単に言うとPCのミキサー(PCに積まれているアンプ)をキャンセルし、再生ソフトで鳴る音源データをダイレクトに再生機器に転送できる方式のことで、これにより音質の劣化を避けることが出来ます。

私は長年SONY MEGIA GOを使用してきましたが、この再生ソフトはASIOモードがあるにもかかわらずSONY製品のドライバーしか受け付けません。

UD-505購入当初は再生ソフトを入れ替えるのが面倒なのでMEGIA GOを使っていましたが、やはりTEACのドライバーを読み込むことのできる排他モードを持ったプレイヤーの音と比較するとその差は歴然。

MEGIA GOはTEACのドライバーを受けることが出来る排他モードありのプレイヤーの音と比べると、音の輪郭が曖昧で空間が曇って聴こえるため、UD-505で音楽鑑賞をする時は他の再生ソフトを使用することにしました。

そこでセレクトしたのは、SONY Media Center For PC、foobar2000、Music Beeの3つ。

私のパソコンには約25,000曲程の音源がありますが、それを読み込むのにfoobar2000とMusic Beeは約10分程度だったのに対し、Media Center For PCは約1時間30分もかかりました。

それにMedia Center For PCで再生しようとしたところ、固まって動かなくなったりするので、Media Center For PCの使用は諦めました。

foobar2000は定評のある再生ソフトですが、インストール直後は非常にシンプルでそこから排他モードの適用、検索窓等必要なものを後からインストールして機能を拡張する仕様になっていて多機能な分、面倒なことが多いため、これも諦めました。

ということで、UD-505の再生ソフトとしてMusic Beeを使用することにしました。Music Beeを使用するとMusic Beeの設定画面からBulk Petの切り替えをすることができ、機能面でも非常に便利です。

Music Beeの使い方等についてはここでは割愛します。

UD-505の音質について

まず、エージング(鳴らし込み)による音の変化ですが、これは結構あります。

箱出しから数時間ごとに音質をチェックしましたが、概ね5~6時間ぐらいで安定しだして20時間ぐらいでほぼ完了といった印象でした。

箱出しから数時間の間は、音の芯が細く全体的な音が軽め、硬めの音でカサついた潤いのない感じでした。

時間と共に音に厚みが出て粗さが取れてきます。その後音場が広がり、解像度・分解能が著しくアップします。

さて、エージング後の音質ですが、今回はまだアンバランスでしか試していないにもかかわらず、驚愕的に音が良い。これに尽きます。

クセのない素直な音質で、大き目の音像かつ厚みがあり、各パートの音をクリスタルコーティングしたかのような艶やかさがあります。

音場は広大で、特にその奥行きに意識を吸い込まれそうになります。

ヘッドフォンからは耳の真横で音が出ているにもかかわらず、耳の少し前から音全体が迫ってきて、眼前で各パートの音が踊っています。

特筆すべきは解像度(音の鮮明度)と分解能(音の分離具合)の高さで、楽曲中で鳴っている全てのパートを耳で追うことが出来ます。

楽器をつま弾く音、こする音等、全ての音の消え際までハッキリと分かります。

ここまで超高解像度でありながら、全くカリカリした音は出さず、リアルで非常に心地よい音色を聴かせてくれます。

今回の音質チェックには、SONY MDR-Z1000というモニターヘッドフォンをアンバランス接続で使用しましたが、アンバランス接続にも関わらず、そのチャンネルセパレーション(左右の分離)はまるでバランス接続で聴いているかのような秀逸さです。

UD-505には、TEAC HCLD回路という強力なアンプが4回路搭載されていますが、アンバランス接続の時は、この4回路をパラレルで駆動するという贅沢な使い方がされているので、こういった特異な効果が生まれていると思われます。

前文で、これまではPHA-2を使用していたと書きましたが、PHA-2も癖のないアンプでイヤホンやヘッドフォンの駆動力をアップするという意味においては十分だと思います。

PHA-2とUD-505を比べた場合に何が一番違うかというと、解像度と空間の奥行きを多分に使った分解能の高さ。

テレビで言えば、4Kから8Kにチャンジしたようなイメージで、この音を聴いてしまうと後戻り出来なくなると思います。

こういった基本的な音質を踏まえたうえで、以下に転送モードやフィルターによる音質の違いについて書いてみたいと思います。

転送モードによる音質変化

先程から何度か出てきたBulk Pet(バルク ペット)ですが、PCからUSBを通して音源データを転送(USB DACへの転送)する場合、一般的にはIsochronous(アイソクロナス)方式が採用されています。

UD-505で利用できるBulk Pet方式とは、IsochronousよりもPCと接続機器(USB DAC)の負荷変動を安定させ、音質改善を図るというもの。ここで採用されているBulk Petはさらに4つのモードがあります。

Isochronousと4つのBulk Petではどんな音質差があるのか聴き比べてみました。

isochronousの音を基準としてBulk Petの4つのモードの音はどう変化するのかという形で書いていきます。

Bulk Pet1は、より音がクッキリとシャープになります。Isochronousのベールを1枚剥がしたようなHiFiな音です。

Bulk Pet2は、1よりも音場(特に上下と奥行き)が広がり、若干柔らかめの音質になります。

Bulk Pet3は、1と2を合わせたような感じで音はシャープで音場が広がります。

Bulk Pet4は、基本的には2と同じですが、余韻の消え際までよりハッキリと分かる情報量の多さをもったアナログチックな音色です。

これらの違いは、エージング完了前では非常に分かりづらかったのですが、音が安定してくると上記のような違いが分かるようになってきます。

アップコンバートによる音質変化

アップコンバート(アップサンプリング)とは、疑似的に欠損した情報を補完し、ハイレゾ相当の音質を聴かせるというもので、SONYの製品の場合はDSEE HXという名称で使用されています。

UD-505は、例えば入力周波数がCD相当(44.1kHz)の時は、DSD 512(22.5MHz)までアップコンバートが可能です。

アップコンバートは、88.2kHz / 176.4kHz / 352.8 kHz/ 11.2MHz / 22.5MHzと5段階の調整ができ、周波数が上がっていくにつれて音が滑らかになり音場が広がっていきます。

ただ、このアップコンバートに関しては個人的には微妙なところで、そんな気がする程度の差としか感じられませんでした。

これはエージング前後でも印象は変わりませんでした。

デジタルフィルターによる音質変化

デジタルフィルターはPCMとDSDがありますが、ここではPCMについてのみ書いておきます。

PCMデジタルフィルターは5種類あり、これはエージング前でも違いが分かりました。

音質を変化させるに当たっては、これまで挙げたBulk Petやアップコンバート機能よりも分かりやすいと思います。

ただ、以下の3と4の違いはちょっと微妙でした。

それぞれの音質は以下の通りです。

1.Sharp roll off

エッジが立ち、音がより明瞭になります。

2.Slow roll off

ノーマル状態の音に余韻が足され、音場が広く感じます。

3.Short Deley Sharp

2.よりも音場がさらに広がり音も明瞭になります。若干音色がシャープになります。

4.Short Deley Slow

3.と基本的には同じ傾向ですが、こちらの方が若干まろやかな音色になります。

5.Low dispersion

ノーマル状態の音に低音の響き(膨らみ)が加わります。

その他

Bluetoothについては、送信側の最高コーデックが自動的に適用される仕様になっているため、任意のコーデックを選択することは出来ません。

UD-505にイヤホン・ヘッドフォンを挿す場合の注意事項を1つ書いておきます。

UD-505の適合負荷インピーダンス(抵抗)は、16~600Ωとなっているため、特にイヤホンを使用する場合はイヤホンのインピーダンスを確認してください。

私の所有するイヤホンの中で、SHURE SE846はインピーダンスが9Ωとなっています。

SE846をUD-505で使用すると、インピーダンスが低いため音量は取りやすいですが、ジーっというかすかなノイズが聴こえます。

これはイヤホンの感度が良いからUD-505の微細なノイズを拾っているというよりは、インピーダンスが低すぎるせいでアンプの電流が大量に流れ込み負荷がかかっている状態であることを示しています。

こういった適合負荷インピーダンス以下のイヤホンを使用する場合は、アッテネーター等を使用して抵抗を調節してください。

そういしないとアンプの熱暴走等を招き、最悪の場合は故障の原因となります。

まとめ

TEAC UD-505は15万円弱という価格ながら圧倒的な高音質を兼ね備えたヘッドフォンアンプです。

私は趣味で各社のDAPやイヤホン・ヘッドフォン等の試聴をよくしますが、数十万円のフラッグシップDAPが本体の素材をアルミや銅を用いて独自の音色を出しているのに対し、UD-505は搭載されている各種フィルター等によって、いとも簡単にそういった変化を出せているように思えます。

事情によりDAPでしか高音質を追求することが出来ない場合は別として、これから高価格帯のDAPの導入を検討されている方は、一度こういった据え置き型のヘッドフォンアンプを試聴してみてください。

自分の求める高音質はどのぐらいの予算があれば実現できるのか一つの目安になると思います。

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