2018年10月19日に発売されたオーディオテクニカのハイレゾ対応ヘッドホンATH-SR50。
現在の価格は2万円弱ぐらいで、非常に装着感の良いヘッドホンです。
バランスケーブルが付属しているため、バランス接続しない方にとっては割高感はありますが、しばらくすると1万円台半ば辺りの価格に落ち着くと思います。
このヘッドホンの対抗馬になるのは、ATH-SR50同様の装着感の良さを持つDENON(デノン)のAH-D1200辺りかと思いますので、若干の比較を交えながらATH-SR50について書いてみたいと思います。
なお、今回の音質レビューについては、アンバランス接続のみとなりますのでご了承ください。
ATH-SR50レビュー
ATH- SR50の仕様・装着感について
ATH-SR50は、45㎜のダイナミックドライバーを搭載した密閉型のヘッドホンで、通常の3.5㎜ステレオミニプラグでリケーブルすることが出来ます。
1.2㎜のケーブルが2本付属していますが、1本は通常の3.5㎜ステレオミニプラグ、もう1本はSONYのバランス接続対応ウォークマン等に採用されている4.4㎜5極プラグとなっています。
カラーはブラックのみ。その他、Bluetooth対応モデルもあります。
見た目はゴツイ感じですが、手に取ってみるとかなり軽く感じます(約229g)。
DENONのAH-D1200から持ち変えると特にそう感じると思います。
ハウジング(耳に当てる部分)は、90度回転させたり、内側に折り曲げたりすることができ、コンパクトに収納することが出来ます。
イヤーパッドは縦長で開口部が大きく、耳に干渉することはありませんでした。イヤークッションはモチっとした感触で耳当たりは良く、頭頂部のクッションも特に問題ありませんでした。
側圧は若干の圧を感じるぐらいの適度な側圧だと思います。ただ、DENONのAH-D1200と比べるとちょっと強めに感じます。
ATH-SR50の音質について
試聴に当たり、DAP(デジタルオーディオプレイヤー)はSONY NW-ZX2を使用しました。
試聴曲は、主に斉藤由貴「卒業」、BABYMETAL「ギミチョコ!!」、高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」等で、ファイル形式はflacです(「残酷な」~はハイレゾ)。
アルミハウジングとハイレゾ対応ということから何となく音の傾向は予想できましたが、大体予想通りで、硬めでクリアーな音でした。
低価格帯のハイレゾ対応を謳うヘッドホンは、「こんなに細かい音まで聴こえますよ!」という解像度をアピールするためか、こういった硬めでクリアな傾向の音を出す傾向がありますが、中には音がキンキン、ザラザラして長時間聴くには辛い機種もあります。
その点、ATH- SR50のチューニングは絶妙で、クリアで固めな音ながら、耳障りにならないギリギリのところで音のエッジ(輪郭)を抑え込んでいる印象です。
音のアタックも鋭いですがキツ過ぎない、ボーカルのサ行タ行は若干気になるが刺さらないといった具合に。
バスドラム・ベースといった低音はやや芯が細身ですが、十分重さを感じられ、ボーカルを中心とした中音は、肉厚さが今一つと思う反面、ポジション的に前に出て来るので聴きづらいということもありません。
音場は左右と上に広めで、奥行きもそこそこ感じ取れました。
DENONのAH-D1200も同じ傾向の音ですが、こういった硬めでクリアな音をうまくチューニングしているという点においては、個人的にはATH-SR50の方が一歩上手な気がしました。
まとめ
今回、オーディオテクニカのATH-SR50とDENONのAH-D1200を比べながらレビューしてみましたが、どちらも装着感は非常に良く、音の傾向も似ています。
使用するスマホ・DAPによっても音の感じ方は違うと思いますので、試聴できるなら是非聴き比べてみてください。
さらなる軽量とバランス接続を求めるならオーディオテクニカのATH-SR50、価格の安さとバランス接続しないならDENONのAH-D1200という判断もアリだと思います。