2017年10月20日、EUROPE(ヨーロッパ)の「Walk The Earth」がリリースされました。
ヨーロッパが再結成し、その第1弾として2004年にリリースされた「START FROM THE DARK」から、今作で6作目となりますが、これまでのアルバムとサウンドアプローチが異なっています。
ジョン・ノーラムのギターリフや、あえて選択したオールドなサウンドから、ロニー・ジェイムス・ディオが在籍していた頃のレインボーを彷彿させます。
EUROPE「Walk The Earth」のサウンド
再結成後のEUROPEサウンド
ヨーロッパが再結成し、その第1弾のアルバムとしてリリースされた「START FROM THE DARK」は、大ヒットした「The Final Countdown」を否定するように、シンセサイザーの煌びやかな音は全くなく、ゴリゴリのギターサウンドで押しまくる骨太ハードロックという感じでした。
これはこれで良かったと思いますが、その後も同じようなサウンドのアルバムが続き、中には、「もうヨーロッパは聴かなくてもいいかな」なんて思われた方もいたのではないでしょうか?
しかし、今作「Walk The Earth」は、ロンドンの「Abbey Road Studios」でレコーディングされ、自分たちのルーツである70年代付近のハードロックと新作のアイディアを融合させ出来上がったアルバムで、70~80年代のハードロックを聴いてきた方にとって、
魂を揺さぶられこと必至です!
収録曲と曲の傾向
収録曲は、以下の10曲。
- Walk The Earth
- The Siege
- Kingdom United
- Pictures
- Election Day
- Wolves
- GTO
- Haze
- Whenever You’re Ready
- Turn To Dust
まず、サウンド面ですが、ギターはザクザクゴリゴリではなく、リッチー・ブラックモアやマイケル・シェンカーのような音の芯がはっきりしたようなサウンドになっており、5,6弦をズンズン弾くのではなく、リッチー・ブラックモアのようにリフでメロディーを奏でるような弾き方をしています。
鍵盤楽器は、ピアノとほぼハモンドオルガンの音。
曲調も、レインボーの「Stargazer」や「Gates of Babylon」「Catch The Rainbow」のような雰囲気のある曲が散りばめられています。
ギターソロもリッチー・ブラックモアが弾くようなアラビアチックなメロディーが随所にみられます。
ただ、歌メロはレインボー程キャッチーではないので、全体的なイメージとしてはディープ・パープルが一番近いかもしれません。
ノリの良い曲とヘビーでダークな曲の割合は半々で、バランスも良く取れています。
4曲目の「Pictures」はバラードですが、アコースティックギターとピアノ、フルートやバイオリンの音が入っており、その曲のメロディー展開からも、ハードロックのバラードというよりは、プログレアルバムに収録されているバラードような雰囲気があります。
まとめ
この新作「Walk The Earth」は、贅肉のない必要最小限の音数、かつ、歌メロ、ギターリフ・ソロ、アレンジ等を練って作ったというよりは、スタジオに入った時に感じたパッションをストレートに出して作られたようなアルバム。
もう過去の名盤しか聴いてないなんて方も、このEUROPE「Walk The Earth」を聴けばあの頃の熱い想いがきっと甦ってくると思います。