竹内まりや ベストアルバム「Turntable」レビュー

2019年9月4日に竹内まりやさんの3枚組のアルバム「Turntable(ターンテーブル)」が発売されました。今までセルフカバーされることのなかった80年代アイドル岡田有希子さんへ提供曲が収録されていること等も含め話題になっています。

2018年末、NHK-FM「今日は一日竹内まりや三昧」でアルバムリリースの告知がされ、リリース日が決まったにもかかわらず延期になったりと、やきもきしながらアルバムの到着を待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか?

このアルバムには、竹内まりやさんのベスト・カバー・レアトラックが収められていて、竹内まりやさんの音楽を聴いたことのない方、竹内まりやマニアの方、「Impressions」辺りから聴き始めたライトなファンの方、どんな方が聴いても満足できる竹内まりや大百科のようなアルバムになっています。

3枚組62曲と大ボリュームですが、軽快な楽曲が時間の中に溶け込み、心の喧騒を忘れさせてくれます。

今回は、この「Turntable」の仕様等の概要紹介や個人的に感じたことなどを書いてみたいと思います。

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「Turntable」について

商品仕様

「Turntable」は購入するショップによって特典は異なりますが、私はAmazon.co.jp限定デカジャケ付きを購入しました。

デカジャケ付きというのは、CDジャケットの写真を引き伸ばしたLPレコードよりは小さい写真が付属しているという意味で、LPレコードサイズの化粧箱にCDが入っているという訳ではありません。

CDケースは両面開きになっていて、それぞれブックレットが入っています(計2冊)。

CDケースを収納する外カバーの中には、「まりちゃん special book」という冊子が入っています。

まず、2冊のブックレットですが、ここには竹内まりやさんからのメッセージや萩原健太さんによるレビュー、歌詞等が載っています。歌詞の脇には竹内まりやさん自身による曲解説と演奏者のクレジットが全曲に渡って記載されています。

「まりやちゃん special book」は初回プレス分特典のディスコグラフィー集ですが、デビューシングル発売前の「オムニバスアルバム「ロフト・セッションズ」に参加」といったまるで履歴書のように事細かな音楽活動に関する軌跡が書かれていたり、オールカラーで全シングル・アルバムのジャケット写真と収録楽曲、楽曲提供した歌手の一覧等、貴重な資料集となっています。

あと、2019年10月31日締め切りのスペシャル応募券がついていて、これを10月9日発売のシングル「旅のつづき」に封入されているハガキに添付し応募すると、当選者は2020年4月18日(Zepp Tokyo)、4月24日(Zepp Namba)で開催される竹内まりやさんのLIVEに参加できるプラチナチケットを入手出来るようです。

収録曲

収録曲は以下の通りで、Disc1は「More Expressions」、Disc2は「Mariya’s Rarities」Disc3は「Premium Covers」とそれぞれタイトルが付けられています。

セルフカバー曲については、※で楽曲提供を受けた歌手名を記載しておきます。

(Disc 1)
01. すてきなヒットソング
02. オン・ザ・ユニヴァーシティ・ストリート
03. 待っているわ
04. 二人のバカンス
05. Sweetest Music
06. Natalie
07. アンフィシアターの夜
08. OH NO, OH YES! ※中森明菜
09. 時空(とき)の旅人
10. 夢の続き
11. After Years
12. 明日の私
13. 幸せの探し方
14. ノスタルジア
15. シンクロニシティ(素敵な偶然)
16. 静かな伝説(レジェンド)
17. いのちの歌

(Disc 2)
01. 戻っておいで・私の時間 (2011 Ver.)
02. 悲しきハート
03. 悲しきあしおと (On The Street Ver.)
04. 君のために
05. Hey!Baby ※森下恵理 
06. 夜景 
07. 約束 ※中森明菜
08. ミラクル・ラブ ※牧瀬里穂
09. 真冬のデイト 
10. トライアングル ※薬師丸ひろ子
11. ファースト・デイト ※岡田有希子
12. 恋、はじめまして ※岡田有希子
13. 憧れ ※岡田有希子
14. 夏のイントロ ※福永恵規
15. アップル・パップル・プリンセス (2008 Ver.)
16. MajiでKoiする5秒前 ※広末涼子
17. 声だけ聞かせて ※松田聖子
18. シャンプー
19. You & Night & Whisky ~ウイスキーが、お好きでしょ (English Ver.)
20. Where The Boys Are ~ボーイ・ハント (English Ver.)

(Disc 3)

01. Baby Mine (English Ver)
02. No Reply
03. Tell Me Why
04. Devil In Her Heart
05. If I Fell
06. I’m Happy Just To Dance With You
07. Drive My Car
08. Nowhere Man
09. The Night Before
10. You’re Going To Lose That Girl
11. One After 909
12. Your Mother Should Know
13. This Boy
14. Fly Me To The Moon
15. Scotch And Soda
16. Cry Me A River
17. (I Love You) For Sentimental Reasons
18. Out Of The Blue
19. Don’t It Make My Brown Eyes Blue ~瞳のささやき
20. Tequila Sunrise
21. Southbound Train
22. Musician (It’s Not An Easy Life)
23. Comment Te Dire Adieu ~さよならを教えて
24. Che Vuole Questa Musica Stasera ~ガラスの部屋
25. For Your Love

アルバムの雰囲気について

「Turntable」は、2008年に発売され爆発的人気を誇った3枚組ベストアルバム「Expressions」の第2弾的なアルバムで、シンガー、ソングライター、カバーといった様々な竹内まりやさんが凝縮されています。

「Expressions」は、デビュー30周年を記念して発売されたもので、1994年に発売されたベストアルバム「Impressions」を包括する(「明日の私」を除く)究極のベスト盤でした。

2019年9月4日現在、竹内まりやさんのオリジナルアルバム(ベスト盤を除く)は全11枚、シングルは全51枚(「まりやちゃん special book」記載枚数)リリースされており、その中から「Expressions」とは被らない選曲がされています。

大まかにDisc1はベスト、Disc2はセルフカバー、Disc3はや山下達郎さんのラジオ番組「サンデー・ソングブック」における「まりや課外(クラブ)活動」でオンエアされたカバー曲という構成になっています。

Disc1

Disc1を聴いていて感じるのは、竹内まりやさん自身も語られていますが、オールディーズやビートルズ等のリバプールサウンド(マージービート)の匂いがプンプンすること。

2曲目の「オン・ザ・ユニバーシティ・ストリート」のアレンジなんかは、まんまビートルズです。

オールディーズって皆さんご存知ですか?色々諸説あるようですが、個人的にはビートルズ以前の欧米ポップスと認識しています。

一概にオールディーズと言っても、そこにはロックンロール、ロカビリー、モータウン、ドゥーワップ等様々な音楽が存在します。もちろんバラード等もありますが、これらの多くに共通しているのは、軽快なリズムと明るく楽しい音楽であるということ。

そして、もう一つ感じたのことは、そのサウンドを今聴いても全く古臭く感じないということ。

当時からメロディーやアレンジのみならず、サウンドまでこだわり抜いて作られたことがよく分かります。

こういった未来を見つめたサウンドプロデュースと、竹内まりやさんの根底にある普遍的なテーマが、どの時代のリスナーをも虜にするのでしょう。

Disc2

Disc2は、竹内まりやさんがカバーしたい曲を歌ったものとセルフカバーが中心の内容になっています。

原曲を知っている方は、「この曲知ってる!聴いたことある!」、知らない方は、きっと自分の知らない竹内まりやさんの曲なんて思うかもしれません。

どの曲も竹内まりやさん自身が歌っても違和感を感じないのは、提供曲だからと言って特別な細工をしない自然体のまりや節で楽曲が構築されているからだと思います。

ただ、楽曲提供をすることによって自身の間口を広げ、可能性を模索したいという気持ちもあったようで、竹内まりやさんのベースとなっている音楽以外の作風(歌謡曲など)にもチャレンジしているのが、このDisc2を聴くと分かります。

4曲目の「君のために」は加山雄三さんの曲で、この曲が大好きな竹内まりやさんは加山雄三さんの誕生日パーティでこの曲を歌ったそうです。竹内まりやさんによる間奏のセリフは、何だか可愛らしくてニヤッとしてしまいます。

個人的に最も注目していたのは、岡田有希子さんへ提供した「ファースト・デイト」「恋、はじめまして」「憧れ」の3曲。

竹内まりやさんが岡田有希子さんに提供した1~3rdシングルまでを3部作なんて言ったりしますが、セルフカバーとして「リトル・プリンセス」でなく、1stアルバム「シンデレラ」のアルバム収録曲「憧れ」が選択されたのはちょっと意外でした。

「憧れ」は、岡田有希子さんの1stアルバム「シンデレラ」に収録されている曲で、哀愁の旋律を持つ歌謡曲といった作風です。こういった作風の前身として、河合奈保子さんの5thアルバム「あるばむ」に提供した「追跡」という曲もあります。

「リトル・プリンセス」ではなく「憧れ」が選択されたのは、岡田有希子さんのサウンドプロデュースを依頼された際、最初に作り上げたのが「憧れ」で、先程もお話ししたように自身の間口を広げる一環として歌謡曲という作風にチャレンジしたという思い入れの深さからのような気がします。

個人的なことですが、Disc1から順に聴いてきて「憧れ」で強い違和感を感じました。それは曲調がここまで聴いてきた感じと違うということもあるのですが、それ以上に「憧れ」を歌う竹内まりやさんが岡田有希子さんを意識して歌っている気がしたからです。

サビでは、まるで岡田有希子さんとユニゾンで歌っているような錯覚に陥り、当時よく聴いていた岡田有希子さんの1stアルバムのこと等、色々なことを思い出し、ちょっと涙ぐんでしまいました。

そんな個人的な感傷もあるので、歌詞の中の「私に気づくかしら」の「ら」の二音目(シの音)を岡田有希子さんは抜いて歌っているのに対し、竹内まりやさんはハッキリと歌っている点に、竹内まりやさんから岡田有希子さんに対するメッセージのようなものを感じてしまいました。

Disc3

Disc3は、映画「ダンボ」の日本版エンディング曲「ベイビー・マイン」の英語バージョンからスタートし、竹内まりやさんの愛するビートルズやオールディーズ(ジャズ・フレンチポップ・フォーク等)のカバーが収録されています。

特に、ビートルズのカバーを聴いていると、大学時代の先輩である杉真理さんらをメンバーとするBOXとセッションする楽し気なスタジオの様子が頭に浮かんできます。

私もバンドを長年やっていたので、このバンドの楽しげな雰囲気に昔を思い出し、共感しっぱなしでした。

オールディーズのカバーでは、松任谷由実さんが三木聖子さん・石川ひとみさんに提供した「まちぶせ」のオマージュともいわれる「Comment Te Dire Adieu~さよならを教えて」や、お笑い芸人の「ヒロシです…」で使用されている「Che Vuole Questa Musica Stasera~ガラスの部屋」といった有名な曲を歌われていますが、特にしっとりとしたジャジーな曲は、ちょっと低めの竹内まりやさんの声にピッタリで、聴いていてとてもリラックスできます。

「Turntable」は、山下達郎&竹内まりや夫妻の「For Your Love」で幕を閉じます。

まとめ

このアルバムを聴いていると心地よくて、他のオリジナルアルバムも全て聴きたくなってしまいます。

「Impression」がリリースされた頃、竹内まりやさんやこのCDについてかなり話題になっていて、ラジオでもよく耳にしましたし、友達の何人かに一人はCDを持っていましたが、この頃、私は20代で、自分に蓄積するエネルギーを放出してくれるようなインパクトのある曲ばかり追い求めて、積極的に竹内まりやさんの曲を聴くことはありませんでした。

でも、長い人生において色々な失敗を繰り返し、ささやかな幸せに気づくことが出来るようになってきた頃から、竹内まりやさんの楽曲の良さが分かるようになった気がします。

きっと、竹内まりやさんの楽曲は、いくら年月が経とうとも色褪せない邦楽のオールディーズとして未来永劫語り継がれて行くのではないでしょうか。

丁寧に作られた情報満載のブックレットには音には現れない「Turntable」の魅力がぎっしり詰まっています。

こういったアルバムは配信でなく、モノとして手元に置いておくと、自分の人生における2019年のメモリアルになると思います。

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