過去の作品は、リマスターやデラックスエディションと銘打って続々と再プレスされる傾向にあり、ボーナストラック等の特典目当てで購入するならありだと思いますが、音質の向上を期待して購入する場合、一体自分の持っている旧盤とどの程度違うのか気になりますよね。
今回は、SCORPIONSの4thアルバム「Virgin Killer」を使って、当時発売された輸入盤CDと2013年再発されたCDを聴き比べ、その音質差を検証してみたいと思います。
SCORPIONS「Virgin Killer」旧輸入盤 vs 2013年再発盤
スコーピオンズ最新リマスター盤
まず、SCORPIONSのリマスター盤についてですが、現時点(2019年11月現在)での最新リマスターは、リマスターされた「TAKEN BY FORSE」~「SAVAGE AMUSEMENT」までの8作品で、Blu-spec CD2仕様のデラックスエディションとなっています。
それ以前のアルバムは、2013年に発売された2010年リマスター盤が最新で、この仕様もBlu-spec CD2となっています。
SCORPIONS「Virgin Killer」製品仕様の違い
今回、比較対象として使用するCDは、1990年頃に購入したアメリカ輸入盤で、封入物は何もありません。
音質に関しては、CDケースの裏に「DIGITAL REMASUTERED」と記載されているのみ。
ジャケットは、輸入CDと2013年盤共にメンバーのガッツポーズで、例の発禁ジャケットではありません。
2013年盤には英語と日本語の歌詞と2007年と2010年に書かれた伊藤正則さんのライナーノーツが書かれた冊子が封入されています。
このライナーノーツには、ジャケットのことや「Virgin Killer」はいかに当時は過激な音楽だったのかという話が書かれています。
SCORPIONS「Virgin Killer」音質の違い
それぞれの音質はパソコンにポータブルアンプを繋ぎ、ヘッドホンで確認しました。
仕様機器は以下の通りで、パソコンに取り込んだファイル形式はどちらもFLACです。
- ポータブルアンプ(SONY PHA-2)
- ヘッドホン(SONY MDR-Z1000)
- 再生ソフト(SONY MEDIA GO(AISO))
旧輸入盤
左右の音場は狭めです。
ベースとバスドラムといった低音が強めに出て、古いハードロックの曲ですが音の軽さを感じさせません。
ベースやバスドラ等のアタック音は太く、重さを伴った音圧を感じます。
ハイハットやシンバルといった高音に関しては、低音が強めなので少し引っ込んで聴こえますが、あまり金属感を強調しない柔らかめの音です。
全体的にまろやかな音質で、アナログレコードのような雰囲気があります。
2013年盤
旧輸入盤と比べて音色が明るく、音のエッジが立っています。
音場は若干旧輸入盤より広めで、低音は締まって筋肉質。
高音はクリアで明るく金属感を伴った生々しく、旧盤よりもハッキリと聴こえます。
全体的な解像度(音の鮮明度)は、両CDともあまり変わらない感じです。
SCORPIONS「Virgin Killer」音質比較のまとめ
今回使用したアルバム「Virgin Killer」は、1976年にリリースされたハードロックアルバムで、マスターの音質もそれ程良くないということが予想されること、現代のポップスのようにたくさんの音が詰まっている訳でもないので、解像度に関してはそれほど違いを感じることは出来ませんでした。
ただ、やはり2013年盤の方が重さを伴いながらクリアで、キッチリとリマスターの効果が出ていました。
これを機に、
SCORPIONSの全てのアルバムを聴き直してみたくなる…
そんなリマスター盤です。