前回は、泣きのギター曲として、ゲイリー・ムーア、イングヴェイ・マルムスティーン、スコーピオンズを紹介させていただきました。
今回は、Michael Schenker(マイケルシェンカー)から始めたいと思います。
おすすめ!泣き泣きハードロックギター~②
表記は、アーティスト・バンド名の下に、曲名(アルバム名)とします。
Michael Schenker(マイケルシェンカー)
マイケルシェンカーについては、ソロやバンド名義等色々ありますが、ここでは、それらを一括した中から紹介したいと思います。
名義については、曲名(アルバム名)の後に記載します。
- Red Sky(Built to Destroy)<MSG>
- Bijou Pleasurette(The Michael Schenker Group)<MSG>
- Harmony(Thank You)<ソロ>
- Lipstick Traces(Phenomenon)<UFO>
※MSG(マイケルシェンカーグループ)
マイケルシェンカーは、とても繊細な神経の持ち主で、時には精神的に不安定になって、理解しがたい大胆な行動をとることがありました。
この精神面の大きな起伏が、ストレートにギタープレイに出ているように思えます。
それゆえ、マイケルシェンカーは精神的に不安定な時のアルバム・プレイが最高!などと言わることもあります。
1曲目の「Red Sky」は、カッコいいリフから始まるマイナー調のノリの良い曲ですが、間奏では、スローテンポになり、泣きのソロが始まります。
こういうパターンの曲は、マイケルシェンカーの曲の中によく見られますが、マイケルシェンカー自身の感情の起伏を表しているような気もします。
2~4曲目は、インストです。どの曲も感傷的なメロディーで、マイケルシェンカーの繊細な部分を垣間見ることが出来ます。
3曲目の「Harmony」は、別にこの曲でなくても良かったのですが、「Thank You」というアルバムを聴いてもらいたくて、選曲しました。
「Thank You」は、アコースティックギターのみで演奏されるインストアルバムで、マイケルシェンカーのメロディーセンスがよく分かるアルバムです。
ただ、シンプルなアレンジで曲数も多いため、もしかすると聴いていて途中でダレるかもしれませんので、このアルバムを聴くのは、他のアルバムを聴いた後でも良いかもしれません。
マイケルシェンカーのギターにはアームが付いておらず、時にギターのヘッドを手で押してビブラートをかけることがありますが、左手でビブラートをかける時も含めて、あまり大げさなビブラートはかけません。
しかし、ねちっこいチョーキングや、ワウペダルを使ったトーンコントロールによって、メロディーの哀愁性が増し、聴いていて鳥肌が立つこと必至です。
Ritchie Blackmore(リッチー・ブラックモア)
リッチー・ブラックモアについては、DEEP PURPLEとRAINBOWから選曲しました。
- Wasted Sunsets(Perfect Strangers)
- Anybody There(Bent Out Of Shape)
- The Temple Of The King(Ritchie Blackmore’s Rainbow)
長年ハードロックから遠ざかっていたリッチー・ブラックモアでしたが、2016年にはRAINBOWを復活させ、ヨーロッパにて3公演行いました。
さて、上記に挙げた3曲ですが、いずれもバラードで、2曲目はインストです。
かつてのリッチー・ブラックモアのギタープレイスタイルは、時に大胆に、時に繊細で、そのパフォーマンスも見る者を魅了してやみませんでした。
リッチー・ブラックモアは、フィーリングでギターをかき鳴らすこともありますが、基本的にメロディーを重視するタイプのギタリストです。
ストラトキャスターの枯れた音を、ハンマリング&プリング、アーミング等を駆使し、なめらかに美メロを紡いでいきます。
3曲目の「The Temple Of The King」のソロパートでは、ボトルネックを用いた、たそがれを思わせるような美旋律を聴くことが出来ます。
ゲイリー・ムーアを激情型哀愁とするなら、リッチー・ブラックモアは静かなる哀愁といったところでしょうか。
Vandenberg(ヴァンデンバーグ)
- Kamikaze(Alibi)
- Burning heart(Vandenberg)
1981年に、エイドリアン・ヴァンデンバーグによって結成されたバンドです。
この頃のエイドリアン・ヴァンデンバーグのギタープレイは、マイケルシェンカーに似ています。
1曲目の「Kamikaze」は「In to the arena」、2曲目の「Burning heart」のソロは「Bijou Pleasurette」のような雰囲気があります。
所々に見られるミュートしながら弾くそのメロディーに胸をブスッブスッと突かれます。
Y&T(ワイ&ティー)
デビュー当初は、「Yesterday&Today」というバンド名でしたが、途中から「Y&T」に変更しました。
- Midnight In Tokyo(Mean Streak)
- Forever(Black Tiger)
Y&Tのポイントは、ツインギターのハモリによる泥臭いメロディーです。
その演歌チックなメロディーに、日本人なら心くすぐられること間違いなしです。
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